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今年は上位評価組に穴馬多数!/アルゼンチン共和国杯

  • 2014年11月05日(水) 18時00分
■アルゼンチン共和国杯(G2・東京芝2500m)フルゲート18頭/登録22頭

【コース基本情報】東京芝2500m Bコース使用

※今回は東京芝2400m〜2500mを集計対象としております

・コース回収率
 [やや低め] 単勝63%・複勝73% 人気馬→中穴狙いがオススメ

・馬連万馬券出現率
 [やや低め] 11.5%(平均値↓0.9% 馬連平均配当4508円)

・枠番別複勝率(18頭立て)
 [1枠〜3枠] 勝率 8.5% 連対率12.0% 複勝率18.4% 複回率 79% 枠番値+0.4
 [4枠〜6枠] 勝率 4.3% 連対率11.6% 複勝率18.1% 複回率 65% 枠番値-0.1
 [7枠〜8枠] 勝率 4.3% 連対率 9.9% 複勝率14.2% 複回率 50% 枠番値-0.4
 ────────────────────────────────────
 [01番〜09番] 勝率 6.9% 連対率12.0% 複勝率18.6% 複回率 79% 枠番値+0.1
 [10番〜18番] 勝率 4.6% 連対率10.3% 複勝率15.2% 複回率 50% 枠番値-0.1
 →内枠である1枠〜3枠の好成績が目立つ。回収率や枠番値も抜けて優秀。

・脚質別信頼度
 差し≧先行>>追込≧逃げ 東京らしく差し優勢だが先行勢も要警戒

・推定ラップ&タイム
 [持久戦] 36.3-78.6-35.6=2.30.5 長く脚を使えるタイプに向く流れ

 アルゼンチン共和国杯の舞台となる東京芝2500mは、レース施行数が非常に少ないコース。未勝利戦が行われる年もあるが、基本的にはアルゼンチン共和国杯と目黒記念の「専用コース」だ。当然ながら、分析に必要なデータの母数が不足してしまう。そこで今回は、東京芝2400mも含めたデータを元に、分析を行っている。

 東京芝2400mよりもゲート位置が4コーナー側に移動するため、いきなり坂の上りからスタートするという、なかなかハードなコース形態。つまり、単純に距離が100m長くなるのではなく、坂越えの回数が1回から2回に増えるということだ。それでいて、流れは重賞らしい厳しいもの。スタミナの要求度は、芝2400mよりもかなり高そうである。

 レース展開にそれほど紛れがないためか、回収率は単勝63%、複勝73%と低めの水準。馬連万馬券の出現率や馬連平均配当も平均値を下回っており、順当決着傾向がやや強めのコースといえそうだ。枠番別では、内枠である1枠〜3枠がもっとも好成績で、対照的に外枠である7枠〜8枠の期待値が低め。やや内枠有利と考えたほうがいい。

 展開やラップについては東京芝でもあり、かなり差し優勢。1着馬が差し馬である比率は非常に高く、3連単や馬単のアタマで狙うなら、迷わず差し脚質の馬を指名すべきだ。また、先週あたりから差し優勢の馬場へとシフトしてきている印象で、これは今週末も継続しそう。末脚のキレだけでなく、厳しい流れのなかを踏ん張れる底力があるかどうかも、しっかりチェックしておきたい。

【レース基本情報】アルゼンチン共和国(G2) 過去10年
・レース平均配当
 単勝808円 馬連4650円 3連複2万2552円

・1番人気馬成績
 [2-1-1-6] 勝率20.0% 連対率30.0% 複勝率40.0%

・3番人気以内馬成績
 [8-5-4-13] 勝率26.7% 連対率43.3% 複勝率56.7%

・4番人気〜6番人気馬成績
 [0-2-2-26] 勝率 0% 連対率 6.7% 複勝率13.3%

・7番人気〜9番人気馬成績
 [1-1-3-25] 勝率 3.3% 連対率 6.7% 複勝率16.7%

・10番人気以下馬成績
 [1-2-1-73] 勝率 1.3% 連対率 3.9% 複勝率 5.2%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 10.0% [先行] 40.0% [差し] 50.0% [追込] 0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 3.3% [先行] 30.0% [差し] 60.0% [追込] 6.7%

・年齢別成績
 [3歳馬] 0-1-1-5 連対率14.3% 複勝率28.6%
 [4歳馬] 5-4-4-27 連対率22.5% 複勝率32.5%
 [5歳馬] 3-3-2-40 連対率12.5% 複勝率16.7%
 [6歳馬] 2-2-2-33 連対率10.3% 複勝率15.4%
 [7歳↑] 0-0-1-32 連対率 0% 複勝率 3.0%
 ───────────────────────
 [4歳以下] 5-5-5-32 連対率21.3% 複勝率31.9%
 [5歳以上] 5-5-5-105 連対率 8.3% 複勝率12.5%

・牡馬斤量別成績
 [48〜51kg] 0-1-2-12 連対率 6.7% 複勝率20.0%
 [52〜53kg] 1-0-2-22 連対率 4.0% 複勝率12.0%
 [54〜55kg] 2-3-1-41 連対率10.6% 複勝率12.8%
 [56〜57kg] 4-2-3-34 連対率14.0% 複勝率20.9%
 [57.5kg↑] 3-4-2-18 連対率25.9% 複勝率33.3%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜3枠] 勝率10.9% 連対率14.5% 複勝率21.8% 複回率 73% 枠番値+1.1
 [4枠〜6枠] 勝率 6.7% 連対率16.7% 複勝率23.3% 複回率 76% 枠番値±0
 [7枠〜8枠] 勝率 0% 連対率 3.8% 複勝率 7.7% 複回率 27% 枠番値-1.2
 ────────────────────────────────────
 [01番〜09番] 勝率 8.9% 連対率16.7% 複勝率24.4% 複回率 85% 枠番値+0.7
 [10番〜18番] 勝率 2.6% 連対率 6.5% 複勝率10.4% 複回率 29% 枠番値-0.7

・厩舎所属別成績
 [美浦] 3-2-6-72 連対率 6.0% 複勝率13.3%
 [栗東] 7-8-4-65 連対率17.9% 複勝率22.6%

・前走距離別成績
 [〜芝1800] 0-0-0-12 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝2000m] 3-1-4-23 連対率12.9% 複勝率25.8%
 [芝2200m] 3-2-1-19 連対率20.0% 複勝率24.0%
 [芝2400m] 4-7-4-51 連対率16.7% 複勝率22.7%
 [芝2500〜] 0-0-1-30 連対率 0% 複勝率 3.2%
 [ダート戦] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 ────────────────────────────
 [芝2000m〜2400m] 10-10-9-93 連対率16.4% 複勝率23.8%
 [上記以外のレース] 0-0-1-44 連対率 0% 複勝率 2.2%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 0-1-1-7 連対率11.1% 複勝率22.2%
 [中央G2] 5-5-4-63 連対率13.0% 複勝率18.2%
 [中央G3] 0-0-0-11 連対率 0% 複勝率 0%
 [OP特別] 2-0-1-29 連対率 6.3% 複勝率 9.4%
 [条件戦] 3-4-4-27 連対率18.4% 複勝率28.9%

・注目出走パターン
 [買い] 前走4番人気以内の関西馬(連対率29.3%、複勝率34.1%)
 [買い] 前走芝2000m〜2400mで4着以内(連対率28.3%、複勝率41.5%)
 [不振] 前走2着以下で着差が0秒6以上の関東馬(0-0-1-44)
 [不振] 前走芝2000m〜2400m以外の条件で出走(0-0-1-44)
 [不振] ふたケタ馬番に入った馬(2-3-3-69)
 [不振] 7歳以上馬(0-0-1-32)
 [全滅] 前走G1以外で4番人気以下かつ5着以下(0-0-0-68)

 まず目立っているのが、1番人気馬の弱さと、2番人気〜3番人気馬の強さである。1番人気馬はトータル[2-1-1-6]で連対率30.0%と低調な成績に終わっており、昨年のメイショウナルト、一昨年のギュスターヴクライと2年連続で大敗中。対照的に2番人気〜3番人気馬は[6-4-3-7]で連対率50.0%、複勝率65.0%と異様なまでに強く、立場が完全に逆転しているといっても過言ではない。

 脚質については、先行馬と差し馬がおおむね互角。東京芝の長距離戦なのでやや差し優勢ではあるのだが、先行勢もよく踏ん張っている。年齢別では4歳以下の若い馬が優勢であり、その信頼度の高さは5歳以上馬を圧倒。昨年は5歳以上馬が上位を独占したが、こういったケースはきわめて「まれ」なのだ。

 そして枠番だが、こちらはコースデータ以上に内枠有利・外枠不利の傾向がハッキリ。過去10年、外枠である7枠〜8枠で勝った馬は1頭もおらず、枠番値も内外で非常に大きな差が出ている。内枠のほうがベターであるのは明白で、ふたケタ馬番に入った時点で、大幅な割引が必要だといえそうである。

 東のレースだが関西馬のほうが圧倒的に強く、ハンデを「背負っている」組のほうが強い傾向にあるのも、このレースの大きな特徴。また、前走条件戦出走組が[3-4-4-27]と多く馬券絡みを果たしているのも、要注目のポイントといえる。買い&消しの材料が豊富なレースなので、馬券の対象を絞り込むのもそう難しくはないはずだ。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 引き続きBコース。前も残るし差しも決まる、フラットな状態という印象。

・天候予測
 曇り空が続くが週末まで降雨はなさそう。良馬場前提で予想したい。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率17.6% 連対率27.8% 複勝率36.1%

・著者の注目血統
 ハーツクライ産駒◎、ディープインパクト産駒○、ゼンノロブロイ産駒△、ステイゴールド産駒△

 天皇賞・秋の結果からも、現在の芝コースが「差せる」状態であるのは確実。ただし、先行勢が粘れないかといえばそんなことはなく、そのあたりは展開次第、能力次第といった印象。かなりフラットなコンディションにあると思われ、馬場をそれほど考える必要はなさそうだ。

 血統については、ハーツクライ産駒やディープインパクト産駒といった、末脚のキレる瞬発力型のサンデー系がおしなべて優秀。ここが「二強」で、少し離れてゼンノロブロイ産駒やステイゴールド産駒が続く。注目したいのが、母父サッカーボーイ×父キングヘイローという配合のクリールカイザーで、父も母父もコース適性の高さはなかなかのもの。一発の期待がかけられる血統構成である。

★総論×各論

 いかにも「らしい」登録メンバーとなった、今年のアルゼンチン共和国杯。先週の天皇賞・秋だと、ちょっと距離が短いうえに相手関係も厳しい──といった馬が、こぞってココに出走を予定している。人気を集めそうなのは、天皇賞・春の3着馬であるホッコーブレーヴや、東京でダイヤモンドSを制しているフェイムゲームなど。ハンデ戦でもあり、かなり難解なレースとなりそうである。

 ところが、当データ分析の結果は明暗ハッキリ。プラス材料が非常に多く、それでいて割引材料がほとんど見当たらない、ラブリーデイが断然の評価となった。懸念材料は中16週という出走間隔だけで、それ以外の項目ではことごとくプラス評価の対象に。さらに鞍上はムーア騎手を予定と、楽しみな材料が本当に多い。デキと枠番さえ問題なければ、順当に勝ち負けが期待できそうだ。

 そして、二番手評価はエックスマーク。こちらも大きく割り引くような材料は見当たらず、臨戦過程など強調材料のほうが格段に多い1頭。想定段階ではほぼ無印なのだが、データ的には激走があってまったく驚けない。出走してくれば、ヒモにはぜひ押さえておきたいプロフィルの持ち主である。

 三番手評価も、人気薄のネオブラックダイヤ。条件戦を制しての出走はこのレースの好走パターンであり、展開次第では一気に台頭してくる可能性アリだ。関東馬だが、この馬は凡走パターンには合致しておらず、大きな割引材料もなし。ハンデも54キロと手頃で、穴党ならずとも食指が動く。

 四番手はクリールカイザーだ。札幌、新潟と好内容のレースが続いており、東京芝とも好相性。血統面での裏付けがあるのも心強く、斤量は前走のオールカマーでも背負っている56キロ。積極的に買うべき機会であるのは間違いなく、ここはオープン初勝利の好機と見ている。

 以上の4頭が上位評価組で、以下はフェイムゲーム、ホッコーブレーヴ、デスペラード、スーパームーンといった序列。人気馬では圧倒的にラブリーデイができると見て、相手に人気薄が来てのヒモ荒れ決着──というのが、現時点での見立てとなる。あとは、枠番で評価の上げ下げを行えばいい。もしラブリーデイが外枠を引いた場合には、かなり大胆な大穴狙いをオススメしたい。

■みやこS(G3・京都ダ1800m)フルゲート16頭/登録25頭

 昨年も1番人気と2番人気が馬券に絡み、相変わらず人気サイドが強い結果となったみやこS。5番人気以下馬が連対したのは、昨年2着のインカンテーションが「初」という、順当決着傾向のきわめて強いレースである。

 そんなレースで昨年も見事に機能したのが、「前走着順」と「前走人気」だけでフィルタリングするという単純な手法。まずは前走人気だが、これが「2番人気以内」であるのが、みやこSで好走するための必要条件である。この条件を満たせなかった馬は、[0-0-1-38]という大不振。出走が叶いそうな馬でこの条件を満たすのは、インカンテーション、ヴォーグトルネード、クリノスターオー、タガノジンガロ、ニホンピロアワーズ、ブライトライン、ランウェイワルツの7頭だ。

 そして前走着順だが、こちらは「7着以内」が必要条件。先の7頭のうち、ブライトラインだけがこの条件を満たさない。あとは、次にG1という大一番を控えたレースであるため、騎手の乗り替わりが[1-0-0-31]と大マイナスであるのも、重視したいデータ。鞍上が乗り替わりそうなヴォーグトルネード、ランウェイワルツの2頭も、それほど信頼できないという結論となる。あとは、地方所属という理由でタガノジンガロも割り引きたい。

 以上のフィルタリングを通過したのは、インカンテーションクリノスターオーニホンピロアワーズの3頭だけ。レース傾向的にも、素直にこの3頭での勝負をオススメする。

■京王杯2歳S(G2・東京芝1400m)フルゲート18頭/登録14頭

 分析材料の少ない2歳重賞でもあり、ここもシンプルに「前走での単勝オッズ」というファクターから、取捨選択を行っていきたい。アホほどシンプルな材料ながら、これが意外に効くのである。

 好走の必要条件といえるのが、前走での単勝オッズが「7倍未満」であること。これが満たせなかった馬は、トータル[2-1-3-48]で連対率5.6%、複勝率11.1%と、かなり信頼度が低い。昨年も、この条件をクリアできなかった7頭が、見事に全滅。今年の登録馬では、ウォリアーズソウル、ケンブリッジゴール、コウソクコーナー、ゴールドペガサス、サフィロス、ニシノラッシュ、ヤマニンマンドールの7頭がセーフだ。

 また、前走でダート戦に出走していた馬が全滅していることや、距離短縮組の強さも目立っている傾向。また、2番人気以内馬が[1-3-1-15]とさっぱりアテにならないのも、しっかり意識しておきたいファクターである。当データ分析の推奨馬は、人気薄となりそうなヤマニンマンドール。ここから手広く流す馬券で高配当狙いが、いちばん面白そうである。

■ファンタジーS(G3・京都芝1400m外)フルゲート18頭/登録15頭

 前走芝1400m戦に出走していた組を軽視し、距離延長組と距離短縮組を徹底的に狙い撃つ。これが、ファンタジーSでいい配当の馬券にありつくコツといえる。なぜなら、前走芝1400m戦組が「人気でしか来ない」うえに「人気馬でも来ない」から。ちなみに昨年も、1番人気に推されたエイシンオルドスを筆頭に9頭が出走し、そのすべてが見事、4着以下に終わっている。

 今年は前走芝1600m以上戦出走馬のエントリーがないため、「前走芝1200m戦組」と「前走芝1400m戦組」のガチンコ勝負。さすがに今年は1頭くらいは前走1400m戦組が馬券に絡みそうだが、こちらは当日「4番人気以内」に推された馬だけを狙えばオッケー。それ以外は、スパッと切り捨てたほうが好結果を呼び込めそうだ。

 また、前走芝1200m戦出走馬は、「前走最速上がり」という条件を満たすと期待値が飛躍的に向上。過去10年でこのパターンに該当した馬は、複勝率45.5%、複勝回収率225%という、強烈なまでの好成績を残している。今年の登録馬でこの条件をクリアするのが、ムーンエクスプレスと九州産馬エフェクトの2頭。いずれもかなり人気薄となりそうなので、最低でもヒモには必ず押さえておきたい。

※コースデータ&血統データは2009年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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