◆すべてのファクターを血統と絡めて考えるべき
天皇賞当日の夕方は、某動画サイトに出演。視聴者から頂戴した質問に、すべてお答えしました。
その番組の中で「亀谷は血統以外のファクターも見るのか?」と質問をいただき、次のように答えました。
「すべてのファクターは必ず血統と絡めて見ます」。当コラムでも何度も書いていることですが、血統は料理で言えば素材(材料)のようなものでしょう。
ボクからいわせれば「競馬予想に血統は関係ない」と言っている人は「料理は調理師の腕さえあれば素材(血統)はどうでもいい」と言っているようなモッタイナサを感じてしまうのです。
もちろん逆のこともいえます「素材(血統)さえよければ、調理師の腕」は関係ない。これもナンセンスな話ですね(ま、ニュアンスを伝えるためのテキトーな比喩ですが)。
競馬予想はすべてのファクターを血統と絡めて考えるべきです。だから、血統の研究を極めるためにも、思いつくすべてのファクターをオリジナルソフトのデータベースに入れることが必要がある。そう思って日々、ソフトのデータ入力、開発に勤しんでおります。
たとえば、同じ馬柱のパターンであっても、血統(素材)によって反応は大きく変わります。
先週のコラムにも書いたように、天皇賞・秋は「毎日王冠で上がり3位以内」のパターンの馬の期待値が高いレースです。
ただし、馬券になる馬の血統には「3代以内に欧州血統(凱旋門賞)に実績がある血」を持つことが条件になります。
ようするに毎日王冠で上位の脚を使った馬のなかで、よりスタミナを活かせる天皇賞・秋で前進できる血統を狙うべきなのです。
スピルバーグも重厚なスタミナの裏付けがある母系だったからこそ、ホームページで公開している最終予想でも本命に推奨したのです。
調理師と一字違いの調教師も「血統」と絡めて考えることが効果的です。
思えば、過去20年の天皇賞・秋で3歳馬の優勝は2頭のみ。そのいずれも藤沢調教師の管理馬。3歳牝馬で秋の天皇賞を連対したダンスインザムードも同管理馬。3歳の段階で天皇賞を勝てる馬を複数頭育成できたのは藤沢調教師だけです。
また、藤沢調教師は天皇賞・秋でのべ9頭の連対馬を出し、複勝率は脅威の50%。そんな名伯楽の管理馬であっても、どんな素材(血統)も馬券になれるわけではありません。
たとえば、昨年のコディーノは天皇賞で期待値の高い「前走毎日王冠上がり最速」のパターンにも該当しながら5着でした。コディーノのようなスピード血統は、名調理師、じゃなくて調教師の藤沢師の手腕を持ってしても勝利へは導けないのです(といいながらボクの本命はコディーノでした。やっぱ血統は大事ですね(笑))。
さて、今週のアルゼンチン共和国杯は藤沢厩舎の得意レース。東京芝2500m重賞にはのべ21回出走して7頭が馬券圏内に。複勝率52%、複勝回収率162%と天皇賞・秋同様の好成績です。
アルゼンチン共和国杯には同厩舎の管理馬スーパームーンが出走予定。父はブライアンズタイム。実は藤沢厩舎はブライアンズタイム産駒での成功例は少なく、管理馬で重賞で連対した馬は2頭のみ。
ただし、数少ない連対例の1頭がトレジャー。アルゼンチン共和国杯と同コースの目黒記念で16人気ながら2着に激走した馬です。
アルゼンチン共和国杯ならば、藤沢厩舎のブライアンズタイムは、むしろ買い。この条件ぐらいしかチャンスはない。までは言いすぎでしょうか。
個人的に気になるのは、今週は某TV番組でスーパームーンを推奨する可能性があることぐらいでしょう。なんせその番組での回収率は0%。
実はそのTV番組のプロデューサーから「天皇賞・秋とアルゼンチン共和国杯のどっちか出ませんか?」と数週前にオファーをいただいたのですが、天皇賞・秋に出させてもらうと番組を見て下さるスピルバーグを買いたいと思ってた人に迷惑をかける(当たらない予想家と一緒になった。などと余計な心配をかける。ヒロシ&亀のジンクスにも該当する)かもしれないので、アルゼンチン共和国杯を選んだのですが…レース結果には何ら関係のないジンクスですが、このようなゲンを担ぐ類の行動は、自信を表すデータにはなるのかもしれません。