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『凱旋門賞の正直な感想は?』ユーザーからの“シビア”な質問特集

  • 2014年11月11日(火) 18時00分
小牧太

今週はユーザーからの鋭い質問に太論を展開します!


今週は、ユーザーからのシビアな質問特集! 「小牧騎手に限らず、逃げ馬や先行馬で、後ろの馬がくるまで追い出さないシーンをよく見かけます。どうしてもっとリードを広げておかないんですか?」「凱旋門賞の正直な感想を聞かせてください」などなど、ユーザーからの鋭い質問に太論を展開します!
(取材・文/不破由妃子)


今年の凱旋門賞を見て、オルフェは改めて怪物やと

──少々前のレースになりますが、9月27日の大阪スポーツ杯で2着だったグレイスフルリープでの騎乗について、ユーザーからこんな質問がきています。「小牧騎手に限らずですが、逃げ馬や先行馬に騎乗の際、4コーナーで手応えがいいのに、後ろの馬がくるまで追い出さないシーンを見かけます。後ろからくる馬のほうが切れる脚を持っているのに、どうしてもっと早くリードを広げておかないのですか?」というものです。

小牧 あの馬、ああいうレースが多いでしょう。気がいいんでね、あそこでジッとしておかんかったら、直線で早々に止まってしまうんやわ。シュッと一瞬の脚を使わせてリードを広げることはできるんやけど、そのぶん早くに止まってしまう。大阪スポーツ杯は、ちょっと掛かった面もあったけどね。

──少なくともグレイスフルリープの場合は、後ろを待って追い出したほうがいいということですね?

小牧 と思うんやけどね。グレイスフルリープに限らず、早く脚を使わせれば、そのぶん早く止まるのはわかってるからね。そのあたり、生き物やから。

──あとは、早めに抜け出すとソラを使う馬もいますし。

小牧 そうそう。そういう馬が多いです。それに、最後まで余力を残しておいたほうがいいでしょう。だから追い出しを待つんですわ。ゴール前でひと脚使わせるためにね。

──続いては、「藤森S(10月19日・京都12R)でドリームコンサートが除外となりました。すぐに調教を再開したようですが、どういう状況だったのでしょうか?」という質問です。

小牧 ちょっと硬い馬なので、ほぐさなアカンと思ってたんやけど、馬場に入った途端に歩様に違和感を感じて。これはダメやと思ってね。僕ね、歩様の悪い馬は苦手です。もちろん、もともとそういう馬だとわかっていればいいんやけどね。

──多少違和感を感じても、そのままレースに出てしまうケースもありますよね。

小牧 人によってはね。でも、すぐに調教を再開したみたいやから、良かったですわ。

──そういえば、netkeibaの佐藤哲三さんのインタビューを読んだのですが、落馬したあのレースのとき、返し馬の段階で鞍がグラグラしていて、締め直しても同じで。結局、馬がお腹に全然力を入れていなかったそうで、レース前から嫌な予感がしたと書いてありました。

小牧 そうなんや。だから僕らは、少しでも違和感を感じたら、きちんと言わなきゃアカンということやね。もちろん、出走を取り消すことは大変なことやけど、やっぱり命が懸かってるわけやから。

──本当にそうですよね。何かが起こってからでは遅い。続いてはリクエストです。「残念な結果に終わってしまった凱旋門賞について、小牧さんの感想をお聞かせください」。

小牧 そういえば、普通やったら寝てる時間なのに珍しく起きていて、リアルタイムで観ましたわ。感想…そうやねぇ。正直、感想という感想が残らないレースやったね。

──勝ったのは昨年に続き、若いころ小牧さんと親しかったというジャルネさんでしたね。

小牧 そうそう。凱旋門賞の前には乗り替わりとかいろいろあったみたいやね。泣いとったねぇ。僕も大きいレースに勝って泣きたいわ(笑)。

小牧太

泣いとったねぇ。僕も大きいレースに勝って泣きたいわ(笑)



──それにしても、凱旋門賞はなかなか勝たせてもらえませんね。いったいどういう馬なら勝てるのか…。

小牧 ようわからんなぁ。でも、ジャスタウェイは馬込みで厳しい競馬をちゃんとしとったね。今年のレースの感想とは違うけど、改めてオルフェーヴルは怪物やったんやなと思った。ディープインパクトもね。あの2頭に関しては、日本で太刀打ちできる馬がいなかったわけやから。やっぱり、それくらいの馬じゃないと無理なのかもしれんね。

──凱旋門賞に関して、もうひとつ質問がきています。「小牧さんがかつて所属していた園田のように、テンから出して無理してでもいい位置を取りにいって、そこで脚をタメるという競馬を普段からしている馬でないと勝てないのではと思いますが、その点で小牧さんはどう思われますか?」というものです。

小牧 いや、それ以前に力がないと勝てんよ。僕はやっぱり馬の力がすべてやと思う。

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【次回の太論は!?】
次回もユーザーからの質問特集! 「ハープスターのようにずっと後ろから競馬をしていた馬を、急に前に行かせることはできるのですか?」「小牧さんは落馬への恐怖はありますか?」といった質問に、ジョッキーにしかわからない心境を赤裸々に語ります!
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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