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JCで恵まれる馬とは?

  • 2014年11月28日(金) 18時00分


◆「リミットの斤量」を探る

 たとえば、リュックを背負って走るとしましょう。特定の重さまでなら、100グラムだろうが200グラムだろうが走力にほとんど影響はありません。

 ただ、一定の「リミット」を越えると、100グラムの重りがズシリと効いてきます。バーベルを上げる時も、自分の限界に近い重量になると1キロ増やされるだけで厳しさが全然違ってきます。

 この時期の東京芝重賞は、重さの「リミット」が55キロではないでしょうか?

 2011年以降、この時期(10月〜11月)の東京芝重賞の別定戦は「斤量54キロ以下」の複勝率は26%。単勝回収率は115%。複勝回収率は117%。5人気以内の人気馬に限定しても複勝率47%。単勝回収率186%。複勝回収率が125%

 一方「斤量56キロ以上」は複勝率16%。単勝回収率51%。複勝回収率63%。5人気以内の人気馬に限定した場合の複勝率も35%。単勝回収率は100%で複勝回収率は71%。

 3人気以内の人気馬に限定した場合は勝率11%。複勝回収率37%。単勝回収率31%。複勝回収率59%

 なお「リミット」と設定した中間の55キロは勝率13%。複勝率29%。5人気以内の勝率は27%。複勝率60%。単勝回収率146%。複勝回収率134%。人気馬は斤量の不利も受けずに堅実に走るが、人気薄が恵まれる斤量でもない。という中間的な傾向を示します。

 もちろん、重さの影響は、個体差があることは百も承知です。が、この時期の東京芝重賞(ハンデ戦を除く)をトータルで見た場合、斤量54キロ以下が馬券的にも実際のレースでも圧倒的に有利であることは、データが示しているのです。

 ちなみに、斤量の傾向を「この時期の東京芝」に限定したのは、メンバーレベルや路盤やコースによって「リミットの斤量」はズレると思うからです(詳細は、別の機会に)。

 なんて話を書いているのは、JCがディープインパクト産駒とグレイソヴリンの血が有利なことは過去の傾向が示していますが、今年の有力馬は、ほぼ該当してしまうから。

 一応振り返ると、グレイソヴリンの血を持つ馬は、昨年も2011年2着に続きトーセンジョーダンが11番人気で3着。2011年もジャガーメイルが14番人気で3着。2009年に優勝したウオッカもグレイソヴリンの血を持つ馬。

 そして、ディープインパクトは、昨年もジェンティルドンナ、デニムアンドルビーが1、2着。

 今年のJCは血統のバイアス(偏り、有利、不利)というよりも、斤量のバイアスに託すしか手がなさそうです。

 ハープスターは斤量が53キロの上に父がディープに加えて、母系にグレイソヴリン系のトニービン。

 凱旋門賞は斤量に恵まれるダンチヒ系が圧倒的に有利なローカルレースですが、JCは斤量に恵まれるディープインパクト産駒に有利なローカルレースだということを今年も証明する可能性は高いと読んでいますが、さて。

 最終決断は亀谷敬正ホームページで。ネット競馬ではこんなこと書いといて、いきなりヒットザターゲットとか本命にしてるかもしれませんがご了承下さい。

 土曜の東京メイン(F・J・T)は東京芝1400m。騎手がどうこうを考えるより「ダイワメジャーとフジキセキ」を買えばシンプルに当たる。とならないものでしょうか。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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