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改修以後の傾向から阪神JF出走馬を分析

  • 2014年12月12日(金) 18時00分


◆既に差しの競馬を成功させている馬に注目

 阪神JFは06年のコース改修以前と以降で分けて考えておいたほうがよいだろう。

 新コースになって特に顕著なのが差し・追い込みタイプ有利の傾向で、前に行って押し切るのは至難の業になっている。キャリアの浅い馬たちなので前走先行した馬が今回差しに回って成功することもあるだろうが、既に差しの競馬を成功させている馬のほうがアテにはできる。

 キャリアといえば、06年はキャリア4戦以上の優勝馬は出ていない。まだヒントの少ない馬から当たりを見出したいところだ。

 コース改修に絡むところでは距離経験も大事。最近では前走1200m組は全くダメになっているし、ステップレースの重賞が組まれている1400m組も良いとまでは言えない。マイル以上の経験を積んできている馬のほうがベターだ。

 今回、人気はレッツゴードンキだろうか。1600m以上のみを使われてきたうえに差し経験もある。鞍上の浜中騎手とこのコースの相性も良い。確かにプラス予想の多い馬だと言えよう。

 コートシャルマンも人気になりそう。阪神JFは前走下級条件連対馬が強いのでその点は良いのだが、引っかかるのは1400mしか経験のないこと。血統的に距離延長自体は問題ないはずなのだが、最終的に向くということと初条件から走れるということは別でもある。

 前走下級条件連対馬が強い、キャリアが浅い馬が強いということを考えると、いちばん単純なのは1戦1勝馬だ。ロカはデビュー戦が素晴らしい切れ味での圧勝。1800mからの距離短縮で臨むというのも良い。1戦1勝馬にしては人気になりすぎるような気もしないではないが、要素としては魅力の多い馬だ。

 ココロノアイはアルテミスSを好位からの競馬で勝ったが、阪神JFを戦うにあたっては未勝利勝ち時のような競馬のほうが良いかもしれない。先着した相手が人気、ということを考えると、やはりこの馬も忘れてはいけない。

 ショウナンアデラはここまですべて好位からの競馬。この安定した脚質は将来プラスになってくるはずだが、阪神JFにおいてだけは損になる危険がある。

 ダノングラシアスは差しの競馬ができる点はよいが、キャリア3戦がすべて1400m。そこが気にならない人はコートシャルマンも買えるだろう。

 ヒモ穴として挙げておきたいのがカボスチャン。デビュー勝ちは先行でのものなのでそれによる加点はできないが、貴重な距離短縮組なので馬券のどこかには入れたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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