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ラングレーの全弟リアルスティールが戸崎騎手でデビュー!

  • 2014年12月15日(月) 18時00分


【栗東】
◆デビュタント(牝、父ディープインパクト、母モアザンベスト、栗東・佐々木晶三厩舎)
デビュー馬

 POG取材時には、佐々木晶三調教師の口から「女版キズナ」という言葉が出た期待馬。5月に栗東へ入厩した時はその表現にふさわしい動きを見せていたが、デビュー直前になって、蹄のアクシデントで一旦放牧。10月に栗東へ再入厩して、ここまでは順調な調整が続いている。
 目立って速い時計は出ていないものの、楽に時計を出せているあたりは、素質の高さを感じさせる。ただ、6月時に見せていたような素晴らしいフットワークというのは、まだ影を潜めている。これは馬自身の問題なのか、時計を要する今の栗東坂路が問題なのか、そのあたりは定かでないが、もっと凄みのある動きができるはず。最終追い切りではそのあたりに注目したい。

◆アルティマブラッド(牝、父シンボリクリスエス、母アルティマトゥーレ、栗東・音無秀孝厩舎)
デビュー馬

 半兄アルティマプリンス(父キングカメハメハ)は、体質の弱さからデビューが遅れ、現時点で4戦1勝。昇級初戦の500万下で3着しているので、今後順調なら、更に活躍が見込めそう。母が現役時代にスプリント重賞で2勝を挙げている点から、やはりスピード能力が高い血統。
 本馬は坂路での追い切りが中心となっているが、その併せ馬では遅れたことがない。12月10日の坂路では、ブチコを追走して、最後は1秒近く先着。ラスト1Fは13.6秒と時計を要したものの、4F52.5秒は非常に優秀な数字。12月3日の坂路でも4F52.8秒をマークしているように、初戦から動けるスピードが十分に備わっている。12月20日(土)阪神芝1600mをW.ビュイック騎手でデビューする予定となっている。

◆リアルスティール(牡、父ディープインパクト、母ラヴズオンリーミー、栗東・矢作芳人厩舎)
デビュー馬

 全兄ラングレーはPOGでも注目を集めた1頭で、クラシック路線に乗れなかったものの、現時点で3勝。本馬の弟にあたる、母ラヴズオンリーミーの2013年産駒が、2014年セレクトセール1歳にて、1億8000万円で落札された点からも注目度の大きい血統だということがよく分かる。
 本馬は11月14日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩しているが、12月4日にゲート試験に合格するなど、順調そのもの。「馬はラングレーより上だと思いますが、その分、まだ緩さがありますね」という矢作芳人調教師のコメントを聞くと、初戦向きではない印象もあったが、12月10日のCWでは、馬なりで6F80.6秒をマーク。この追い切りで素質の片鱗を見せただけに、12月21日(日)阪神芝2000mのデビュー戦で注目を集めることは間違いないだろう。なお、鞍上は戸崎圭太騎手を予定している。

◆ノーブルソニック(牝、父ネオユニヴァース、母ソニックグルーヴ、栗東・友道康夫厩舎)
デビュー馬

 祖母エアグルーヴは1997年天皇賞(秋)を制した女傑。おじにルーラーシップ(父キングカメハメハ)、おばにアドマイヤグルーヴ(父サンデーサイレンス)などがいる良血。
 本馬はゲート試験に合格した後、一旦放牧に出されて、11月28日にノーザンFしがらきから栗東へ帰厩。12月11日には、CWで先行するヴィルシーナを目標にする併せ馬。ヴィルシーナを追い抜いてからは、新馬ハッピーシェフとの併せ馬だったが、最後はきっちり先着して、6F82.3秒。しっかり動ける態勢が整っている。12月20日(土)中京ダート1800mを川田将雅騎手でデビューする予定。

【美浦】
◆クインズラピス(牡、父ステイゴールド、母アンドモアアゲイン、美浦・田村康仁厩舎)
 母の半兄にダートで4勝したビッグポパイがいる。フレグモーネの影響で予定を延ばしたが、追い切りを再開してからは抜群の動きを見せている。12月10日にはウッドチップコースで5F64秒台をマーク。内めを回ったにせよ、デビュー前の2歳馬としては出色の時計だ。「そんなに大きくないので仕上げには手間取らないタイプ。時計的にも十分に動けているし、タイプとしては瞬発力がありそうな感じ。調教通りなら初戦から楽しみです」と町田調教助手。12月21日、中山の芝1800mを吉田豊騎手で予定している。

◆スターキャスト(牝、父ディープインパクト、母ライムライトII、美浦・畠山吉宏厩舎)
 母の半兄にAussie Rules(仏2000ギニーの勝ち馬)がいる。秋の東京デビューも視野に入れられていたが、カイ食いが細かったために山元トレセンで立て直しを図った。再入厩後は順調に追い切りの本数を重ねている。先週の12月10日にはポリトラックコースでラスト1F11秒台をマーク。ディープインパクト産駒らしい小柄な牝馬で素軽い走りが目につく。「見た目は小さいけど、いかにも牝馬らしい体つき。カイ食いや馬体重の維持がポイントになるけど、軽いフットワークで切れる脚を使えそうなタイプ。以前、うちの厩舎にいたアカンサスのようなイメージがありますね。血統的にも楽しみ」と畠山吉宏調教師。12月20日、中山の芝1600m(牝馬)を内田博幸騎手で予定している。

◆ビーウィッチド(牝、父ハービンジャー、母ロフティーエイム、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)
 4戦3勝で阪神JFを制したショウナンアデラを要する二ノ宮敬宇厩舎には、まだまだデビュー前の素質馬が控えている。サンデーサイレンス産駒の母は通算3勝、2006年の福島牝馬Sを制した。母の半妹にはダート路線で活躍したメーデイア(JBCレディスクラシックの勝ち馬)がいる。「入厩したての頃はトモが弱くて心配したけど、だいぶ力をつけてきた感じ。軽い感じで切れる脚を使えそうだし、血統的には距離が延びても対応できると思う」と篠原調教助手。12月20日、中山の芝1600m(牝馬)を蛯名正義騎手で予定している。

 その他にもシルバージェニー(牝、父Lantana Mob、母Jennierees)、ダフィーゴールド(牡、父ステイゴールド、母ダフィーナ)がスタンバイ。前者は12月21日、中山のダート1200mを内田博幸騎手で予定。後者は12月21日、中山の芝1800mを柴田善臣騎手で予定。

◆ハーランズロマン(牝、父Harlan's Holiday、母Swinging、美浦・斎藤誠厩舎)
 3代母はアメリカで通算13戦13勝の名牝。BCディスタフなどG1を7勝しており、1988年のエクリプス賞で最優秀古牝馬に選出された。祖母はOur Emblem(ウォーエンブレムの父)の全妹。一族からはゴッドオブチャンス(京王杯SCの勝ち馬)が出ている。「前向きは前向きだけど、乗り手に素直で我慢も利く。いいスピードがあるし、初戦から動けると思います」と斎藤誠調教師。12月20日、阪神のダート1200mをビュイック騎手で予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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