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ホッコータルマエが4馬身差の完勝で連覇達成!/東京大賞典・大井

  • 2014年12月30日(火) 18時00分

ホッコータルマエ(撮影:高橋正和)



昨年よりさらにパワーアップというレースを見せたホッコータルマエ

 スタートからゴールまで、今年のダートチャンピオンを争ってきた2頭による、2頭のためのレースだった。

 抜群のスタートを切ったのはホッコータルマエだったが、ひとつ外の枠からのスタートだったコパノリッキーがすぐにハナをとりに行った。それでも無理はしていない。これを見てホッコータルマエの幸騎手は、一旦控えてすぐに外に持ち出した。馬群の中に閉じ込められたくないということもあっただろうし、コパノリッキーをマークしていつでも仕掛けられる絶好位につけた。最初の3Fは36秒3という平均的なペースで、1000m通過が61秒7。6F目が12秒0とややペースアップしているのは、中団から一気に仕掛けたロイヤルクレストが先頭に立ったところ。しかしそれも3コーナーまで。3〜4コーナー中間からは、コパノリッキーにホッコータルマエが外から馬体を併せての一騎打ちとなった。

 しかし4コーナーから直線を向くところで追い出されたコパノリッキーに対し、ホッコータルマエは直線を向いても追い出しを待つ余裕があり、ここで勝負はあった。最後から2F目、4コーナーから直線半ばのところでの11秒7というラップは、2頭が競り合ってのもの。先頭に立ったホッコータルマエは最後の1Fを12秒6でまとめ、コパノリッキーを4馬身突き放した。レースの上り3Fが37秒0で、ホッコータルマエの上り(推定)は36秒9。前半通過が61秒台で、2番手からこの競馬をされたのでは後続勢はなすすべがない。ホッコータルマエの完璧なレースだった。勝ちタイムは2分3秒0。昨年は乾いた良馬場だったとはいえ、連覇となったホッコータルマエは3秒6もタイムを縮めた。2010、11年にスマートファルコンが2分0秒台や1秒台で走ったときはレースの流れ自体が速く破格のタイムで、それを別格とすれば、2分3秒台は2007年にヴァーミリアンがフリオーソを4馬身ちぎったとき(2分3秒2)以来の優秀なタイムといっていいだろう。

 それにしてもホッコータルマエはよくここまで持ち直したものだ。ドバイでは惨敗のダメージがあり、日本に戻ってから順調に回復はしたが、秋へ向けての調整過程で筋肉痛を起こし、急仕上げで臨んだJBCクラシックが4着。そこで一戦叩かれた効果か、チャンピオンズCでは、やっぱり強かったというレースを見せた。そして今回、持ち直したどころか、昨年よりさらにパワーアップというレースを見せた。

 対してコパノリッキーは、今回はすんなりと無理せず先頭に立ってマイペースに持ち込み、帝王賞のときのように掛かることもなかった。追い比べとなって4馬身差は完敗だが、この馬自身の上り3Fは37秒8。3着以下の馬たちで上り最速は4着のハッピースプリントと9着のプレティオラスがともに37秒7というものだから、逃げ馬としてはホッコータルマエ以外の馬たちは完封という内容だった。

 この2頭は、今年ダートのGI(JpnIも含む)で3勝ずつ。しかも直接対戦が4度あって、それぞれ2勝ずつと、完全に星を分け合った。来年のダート中距離のGI戦線は、それぞれ明けて6歳、5歳というこの2頭を中心に回っていくことになるのだろう。ホッコータルマエは来年再びドバイ遠征をひとまずの最大の目標としている。

 そして地元南関東勢も、サミットストーンが3着、ハッピースプリントが4着と健闘した。

 サミットストーンは、ゴール前でコパノリッキーをとらえようかという勢いがあって1馬身半差の3着。上り3Fではコパノリッキーより0秒1遅い37秒9だったが、最後の1Fでは確実に差を詰めていただけに、展開ひとつで2着あったかもという走りを見せた。今年金沢から船橋に転厩し、初戦の多摩川オープンこそ5着だったが、それ以降はダートグレードも含めてすべて4着以内。秋には白山大賞典での2着に続き、浦和記念でダートグレード初制覇。そして今回の東京大賞典と、この1年で確実に力をつけた。

 ハッピースプリントもよく立ち直った。ジャパンダートダービーのダメージから回復が遅れ、復帰戦となった前走勝島王冠は仕上がり途上。加えてドロドロの馬場で前が暴走ぎみに競り合う厳しい展開となり、直線他馬と脚色が一緒になっての5着。そこから1か月でかなり調子は上がってきていたようだ。中団に控え、直線では確かな伸びを見せ、前2頭以外の中央馬をとらえての4着は、あらたな一面を見せた。

 フリオーソ引退以降、ダート中距離路線では苦戦が続いていた地方馬だが、この2頭は来年以降、この路線の2枚看板として活躍してくれるに違いない。

 ローマンレジェンドは5着。一昨年のこのレースを制した時の勝ちタイムが2分5秒9で、今回の走破タイムは2分4秒7。瞬発力勝負には強いが、平均的に流れるペースはこの馬には向かないのかもしれない。とはいえ、昨年の東京大賞典ではゲート内で暴れてレース後には骨折がわかり、そこからよく立ち直ったものと思う。

 浦和のトーセンアレスが6着。この秋は、ダートグレードで4着、4着があり、浦和記念では勝ったサミットストーンにアタマ+クビの差で3着。さすがに中央オープンだった実力を発揮している。

 久々に惨敗といっていい負け方だったのがワンダーアキュート。サミットストーンと馬体を併せる形で直線を向いたが、直線半ばから失速して7着。勝ったホッコータルマエからは1秒9も離された。地方で3着以内を外したのは、2012年3月のダイオライト記念(4着)以来のことで、勝ち馬から1秒以上離されたのは、中央も含めて、なんと2010年の東京大賞典以来4年ぶりのこと。逆に言えば、GIはここまで2勝だが、いかに堅実に走り続けていたかということ。年齢を重ねてもパドックではいつもうるさいところを見せていたが、今回はまわりの馬と同じように落ち着いていたのが気になった。さすがに8歳の暮れという年齢的なことがあるのかもしれない。

 そして2011年にこのレースが地方競馬では初めての国際GI格付けを受けて以来、初めて外国馬として参戦したソイフェットは、15着馬から10馬身離されての最下位。レース前半はホッコータルマエの外を併走するように進んでいたが、レース中盤で手ごたえがなくなって後退。レース後のリリースによると、肺出血があったと調教師がコメントしていたそうだ。アメリカでは普段使っているラシックスが、日本では使えないという影響はもしかしてあったかもしれない。

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1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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