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川崎記念

  • 2015年01月27日(火) 18時00分


◆ホッコータルマエ中心はゆるぎない

 昨年のダート路線では、最終的にホッコータルマエとコパノリッキーがGI/JpnIを3勝ずつ。終盤の活躍でホッコータルマエがJRA賞・最優秀ダートホースと、NARグランプリ・ダートグレード競走特別賞に輝いたが、まぎれもなくこの2頭が中心だった。一方のコパノリッキーが25日の東海Sにまわったとあっては、ホッコータルマエ中心はゆるぎない。

 それにしても昨年の東京大賞典は2頭の一騎打ちとなり、最後はホッコータルマエがコパノリッキーを突き放し、つけた着差が4馬身。これで決着はついたかとも思ったが、いやいやどうして、コパノリッキーの東海Sでのパフォーマンスは圧巻だった。今年もダート中長距離戦線は、この2頭を中心に回っていくことになるのだろう。

 相手筆頭はハッピースプリント。ジャパンダートダービー後のダメージが思いのほか大きく、勝島王冠の5着は、さらに馬場状態や展開もあってのこと。東京大賞典は4着だったが、相手関係を考えれば、ようやく復調というレースを見せた。レース後、吉原騎手は「本調子にはまだまだ」と言っていた。さらなる上昇があれば、ホッコータルマエを負かすまではともかく、それ以外の馬たちなら十分勝負になる。

 サミットストーンは、浦和記念では早めにバテてしまったエーシンモアオバーなどに4コーナー手前で囲まれて完全に行き場をなくしてブレーキ。しかし浦和の短い直線で目の覚めるような脚を使って差し切った。東京大賞典でもコパノリッキーをとらえようかという勢いがあっての3着。明けて7歳だが、今がいちばんの充実期のようだ。

 イッシンドウタイの前走ポルックスSは鮮やかな勝ち方だった。ただ昨年後半はダートのオープン特別やGIIIで4着が最高という成績だっただけに、前走のようなレースが続けてできるのかどうか。

 ムスカテールは、昨年のこのレースでホッコータルマエに半馬身差まで迫っての2着には驚かされた。ただその後のダイオライト記念、帝王賞はさっぱり。突然大駆けというタイプで、今年もホッコータルマエの1強という状況だけに、穴を狙うならこの馬か。

 カゼノコは、秋に復帰してJBCクラシック、チャンピオンズC、ともに7着だが、チャンピオンズCのほうは、勝ったホッコータルマエからコンマ6秒差とそれほど差はなかった。叩き3戦目でのさらなる上昇があれば、馬券圏内の可能性は十分に考えられる。

 馬券的にはホッコータルマエが頭だと絞らなければならず、悩ましいところ。ただ地方競馬的な観点では、フリオーソ引退後にまったく手薄になっていたこの路線に地方所属の有力馬が出てきたということは楽しみな所である。

◎ホッコータルマエ
◯ハッピースプリント
▲サミットストーン
△イッシンドウタイ
△ムスカテール
△カゼノコ

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1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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