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ハッピースプリント陣営/フェブラリーS『“地方から出走”だけでなく、結果を出したい』

  • 2015年02月19日(木) 18時01分
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▲大井からフェブラリーSに参戦するハッピースプリント陣営


ダート頂上決戦のフェブラリーS。歴戦の砂の猛者たちが顔を揃えたが、今年は大井のハッピースプリント、浦和のサトノタイガーという2頭の地方馬も参戦。なかでもハッピースプリントは、2歳でJpnIを勝ち、昨年もジャパンダートダービー2着と交流重賞を賑わせて来た。古馬になった今年、初めて挑む府中のGIを前に、管理する森下淳平調教師に胸の内を語ってもらった。(取材・文・写真:赤見千尋)


川崎記念4着、内容は悲観してない


 水曜日に大井競馬場で行われた最終追い切りは、前2頭の併せ馬を5、6馬身追いかけて、最後はしっかり脚を伸ばすという内容だった。

「全体時計は予定より少し速くなりましたが、無理してではなく楽に出た時計なので、全く問題ないですね。今回はGIですし、ぬるいことはやってられないですから。狙い通りの内容で、やりたい調教が出来ました。いい状態で挑めると思います」

 前走の川崎記念では、2番人気に推されながらも4着という結果だった。ダートグレード戦線ではあと一歩というレースが続いていることに、歯がゆさを感じているファンも多いのではないだろうか。

「川崎記念のみで結果を出そうとするならば、いったん下げて外に切り返してというレースをしても良かったのかもしれないですが、先を考えると、ある程度のポジションで脚を溜める、という競馬に対応させたかったんです。着順としては4着で、ファンのみなさんには申し訳ない結果となってしまいましたが、内容に関しては悲観していません」

 2歳の秋から6連勝で東京ダービーを制するまで、道中外目追走から3、4コーナーで外から上がって行く、という競馬を続けて来た。フットワークが大きく、綺麗なトビのこの馬にとっては、自分のフォームで伸び伸びと走れる外目追走というのが理想なのだろう。しかし、川崎記念では外に切り返すことよりも、ポジションを取りに行くことを選択したのだ。

「長めの距離でゆっくり構えるレースをしていたのでは、マイルになった時に追走に苦労する可能性があります。東京大賞典にしても、もう一段前で競馬をしないとあそこからでは届かないですから。トップレベルの馬たちを相手に、勝負出来る圏内で脚を溜めて、最後に伸びて来るという競馬を教えていく中では、次に繋がる競馬は出来たと思っています」

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▲開業5年目の森下淳平調教師「次に繋がる競馬は出来たと思っています」


 ハッピースプリントはデビューからすぐに頭角を現し、全日本2歳優駿を制して2013年の年度代表馬に選ばれた馬だ。2歳の頃からすでに、“完成された馬”という印象を持っていた。しかし森下調教師は、本当に完成するのは今年の秋以降〜5歳になってからだという。

「最近やっと体がしっかりして来たところで、まだまだ良くなる伸びしろがあります。今の時点でこれだけ走れるわけですから、ポテンシャルは相当高いです。吉原(寛人)騎手も、先々古馬になって完成させていくために、目の前の勝ち負けだけではなく、次に繋げる競馬をしてくれているので。将来の完成形をイメージして、大事に育ててくれているんです」

吉原騎手が騎乗できる奇跡


 現在のパートナーである吉原寛人騎手は、金沢の所属である。昨年のジャパンダートダービーでは、特例でハッピースプリントに騎乗することが許されたが、本来のルールでは、南関東のダートグレード競走において、他地区の騎手は南関東所属馬に騎乗することが出来ない。

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GIの注目馬にスポットを当て、主戦騎手や管理調教師を独占取材するnetkeibaのスペシャルインタビュー。GIに向けた意気込みや中間の調整過程、レース後に直撃し、戦いの舞台裏にあった知られざる真実を語っていただきます。

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