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内枠の先行馬が圧倒的に有利!/阪急杯

  • 2015年02月25日(水) 18時00分

■阪急杯(G3・阪神芝1400m内)フルゲート18頭/登録33頭


【コース総論】阪神芝1400m内 Aコース使用

・コースの要所!

★内回りでもあり、先行勢優勢のコース。とくに逃げた馬は猛烈に強い!
★枠番による成績差は小さいが大外18番だけは別。圧倒的な強さを誇る。
★強さと妙味を兼ね備えるのが2〜3番人気馬。信頼度は1番人気と互角!





 過去にも何度か解説しているのだが、阪神芝1400m内はかなり「特殊」なコース。波乱決着となる比率も非常に高く、おそらく3連単100万馬券の出現率は、全コース中でもトップクラスだろう。その要因は、スプリンターとマイラーの両方が出走してくる1400mという距離と、直線が短い内回りコースであるという点にある。

 瞬発力勝負に強いマイラータイプが人気を集めることが多いのだが、実際にはかなりスプリント指向が強いコースで、末脚のキレよりも先行しての持久力のほうが格段に重要。実際に脚質別成績のデータにも、先行勢の強さがハッキリとあらわれている。逃げた馬の驚異的な強さが、当コースの性質を如実に物語っている。

 最初のコーナーまでが長いコース形態であるため、枠番による有利・不利はかなり小さめ。枠番値にもほとんど差は出ておらず、かなりフラットであると考えていい。ただし、「馬番18番」だけは例外で、その勝率の高さは群を抜いている。データの偏りにしては走りすぎている感があり、今後も要注目である。

 そして最後に、人気別成績について。全体でも上位人気の強さは目立っているが、この傾向は多頭数になると、さらに加速する。16頭立て以上のレースでは、勝ち馬のじつに62.7%までが3番人気以内。もう、アタマはここに決め打ってもいいくらいだ。1番人気が飛び抜けて強いワケではないので、2〜3番人気を1着に固定する馬券をオススメしたい。

【レース総論】阪急杯(G3) 過去9年

・レースの要所!

★人気薄の好走率が低く順当決着傾向だが、1番人気は取りこぼし多発。
★4歳〜5歳馬優勢で、6歳以上になると信頼度がガクンと低下する傾向。
★開幕週で内枠が圧倒的に有利。1枠〜2枠は必ず押さえておくべき!
★好走馬のほとんどが前走G2〜G3出走組で、前走G1組の過信は禁物!









 まずは人気別成績だが、目立っているのが1番人気の取りこぼし。複勝率は55.6%あるが、勝率はわずか11.1%にとどまっている。2番人気〜3番人気のほうが妙味も信頼度も上であり、1番人気の過信は禁物。これは、コースデータとまったく同じ傾向といえる。また、7番人気以下馬がトータル[2-1-2-84]で複勝率5.6%と大不振なのも、しっかり押さえておきたいポイント。阪急杯は、意外に順当決着傾向の強いレースなのだ。

 年齢別では、6歳以上の高齢馬よりも、[8-5-7-50]で複勝率28.6%と高信頼度の5歳以下馬を狙ったほうが、断然おトク。また、好走馬のほとんどが前走G2&G3出走組であるのも大きな特徴だ。前走G1出走組は[0-0-1-11]と低迷しており。準オープン〜オープン特別に出ていた組も、まったくアテにはできない。前走G2&G3出走組であるのは、阪急杯で好走するうえでの必要条件といっても過言ではない。

 そして、超重要なのが枠番だ。コースデータでは枠番による有利・不利がないと結論づけたが、それはあくまで「開催時期を問わず」という前提での話。開幕週に行われる阪急杯では、内枠である1枠〜2枠がシャレにならないほどの強さを見せている。絶好馬場の影響が大であるのは間違いなく、「内枠から先行できる馬」は人気薄でも必ず押さえておくべき。予想も、内枠絶対的有利という前提で進めたほうがいい。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 開幕週のAコース。良好な芝コンディションで前残りが多発して当然。

・天候予測
 木曜日〜日曜日にかけて多少の降雨がありそう。やや渋る可能性も。

・注目血統
 ダイワメジャー産駒◎、クロフネ産駒○、サクラバクシンオー産駒△、ディープインパクト産駒△

 馬場については土曜日の競馬待ちだが、良好なコンディションでの開幕となるのは例年どおり。また、週末の天候はパッとしない様子で、多少の降雨のなかでレースが行われる可能性もありそうだ。そうなると確実に発生するのが、開幕週特有である「内枠&先行有利」のバイアス。とくに直線の短い内回りでは、前残りが多発すると思われる。

 血統面では、ダイワメジャー産駒をトップ評価。飛び抜けて好成績というワケではないのだが、平均着順6.6というのはディープインパクト産駒と互角の数値で、それでいて勝率・連対率ともにディープ産駒を上回っている。あとは、成績のバランスが非常にいい、クロフネ産駒も要チェック。やはり全体的に、瞬発力型ではなくパワー型や持久力型の血統のほうが、成績がいい印象を受ける。

★出走登録馬・総論×各論

 ここまでの内容で、阪神芝1400m内というコース、ならびに阪急杯というレースで要求されるものが、瞬発力ではなくパワーや持久力であるのは、十分にご理解いただけたことだろう。スプリント適性の高い馬が、内枠からスッと先行して、好位から早めに動いて押し切る──というのが、もっともイメージしやすい勝ちパターンとなる。

 このイメージにピタリと合致するのが、昨年の覇者であるコパノリチャードだ。前走の阪神カップでも2着に好走しているように、コース適性の高さはかなりのもの。行こうと思えばハナにだって行けるのがこの馬のいいところで、この条件ならば変にタメようとせず、先行させたほうが好結果が期待できそう。大きく割り引くようなポイントはまったくなく、文句ナシのトップ評価となった。

 二番手評価は、牝馬のレッドオーヴァル。こちらもスプリンターズSで3着という実績が示すように、マイルよりもスプリント戦のほうがいいタイプだ。前走のように後方に置かれてしまうと危なっかしいが、ここなら中団待機策が取れるはず。プラス材料の多さはかなりのもので、ここはG1制覇へ向けて好走が期待できそうだ。

 そして三番手には、人気薄となりそうなサドンストームを推したい。6歳馬であるのは割引となるが、生粋のスプリンターであるのは大きな魅力。また、四番手評価のマジンプロスパーは、ベスト条件である阪神芝1400m内ならば、大きな変わり身があって驚けない1頭。高齢馬だが、今年の登録馬は高齢馬が多いのもあり、それほど大きく割り引く必要もあるまい。人気薄での激走は、この2頭に期待することにしよう。

 ここまでの4頭が上位評価組で、以下はミッキーアイル、ダイワマッジョーレ、ダノンシャークという評価順。もっとも、序列については入る枠番によって大きく上げ下げする必要があるレースなので、実際の予想は直前でメンツがガラッと入れ替わる可能性もある。そのあたりは、どうかご容赦いただきたい。


■中山記念(G2・中山芝1800m)フルゲート16頭/登録13頭


 本来は、イスラボニータやヌーヴォレコルトが年明け初戦を迎えるこちらが、メインで扱うべきレース。ほかにも、前走はダート戦を使われたロゴタイプや、昨年秋の富士Sを快勝しているステファノスなど、なかなかのメンバーである。登録頭数が13頭と少なかったのでサブ扱いとしたが、注目度はこちらのほうが上かもしれない。

 まずは人気面から。「1番人気はイマイチだが上位人気は強い」というのが特徴で、昨年も2番人気のジャスタウェイが勝ち、相手も4番人気のアルキメデスと3番人気のロゴタイプという、傾向どおりの決着だった。対照的に人気薄はイマイチで、大波乱となった2010年をのぞけば、8番人気以下馬はトータル[0-0-1-57]と惨憺たる結果に。よほど強力な材料でもないかぎり、人気薄には手を出しづらいレースだといえる。

 そんなレースでもあり、前走中央G1出走組が[5-3-1-12]で連対率38.1%、複勝率42.9%と高信頼度。逆に、前走がオープン特別や条件戦だった馬は信頼度が低く、出走していたレースの「格」が、そのままモノをいう傾向にある。あとは、距離延長組や「前走有馬記念組」が強いこと、内枠が圧倒的に有利であること、サンデー系の弱さなども、攻略につながるポイントといえそうだ。

 あとは枠番次第だが、もっとも高く評価したのは父がサンデー系ではないロゴタイプだ。中山実績の高さもあり、内枠でも引けば文句なしに「買い」ジャッジである。前走G1組であるイスラボニータやヌーヴォレコルトも侮れないが、データからの信頼度はロゴタイプのほうが上。現時点では、ここから流す馬券をオススメしておこう。


■アーリントンC(G3・阪神芝1600m)フルゲート18頭/登録15頭


 ミッキーアイル、コパノリチャード、そしてジャスタウェイと、後のG1馬を3年連続で出しているアーリントンC。外回りでの開催となって今年で9回目だが、過去8年の勝ち馬はすべて6番人気以内と、アタマはわりと堅めの決着が続いている。ヒモはけっこう紛れるのだが、人気薄から入ってブンブン振り回すのは、さすがに効率が悪い。

 目立っているのが、逃げ馬の活躍。開催初日の影響は大のようで、逃げた馬は[3-0-1-4]と、その半数が馬券に絡んでいる。また、2着〜3着も先行勢が多く、4コーナーを7番手以下で回った馬は[2-1-4-45]で連対率5.8%、複勝率13.5%と低信頼度。人気馬でもコロコロ負けているので、ナヴィオンの扱いには要注意だ。

 レースキャリア4戦〜6戦の馬が強いことも加味して、トップ評価はヤマカツエースに。あとは、ナイトフォックスキッズライトオンアルマワイオリまでが、上位評価組である。以下はナリタスターワン、マテンロウハピネス、ネオスターダムという評価順である。チョイ荒れ程度なら十分に狙える、かなりの混戦といえそうだ。


■総論×各論・先週の馬券回顧





1着 04コパノリッキー
2着 14インカンテーション
3着 10ベストウォーリア

馬単2100円・3連複3060円的中!

トップ評価のインカンテーションが2着で、二番手評価のコパノリッキーが1着。そのわりに儲かっていないのは、オレが馬券下手だからデスネ。これでサンビスタが3着だったら、文句ナシだったんだけどなあ(贅沢)。

※コース&血統データは2011年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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