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大竹正博調教師/桜花賞『最有力候補ルージュバック、陣営“プレッシャーない”』

  • 2015年04月09日(木) 12時01分
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▲最有力候補のルージュバックを送りだす大竹調教師を直撃


ルージュバック、クイーンズリング、キャットコインの3頭が、デビューから無傷の3連勝で桜花賞へと駒を進めた。中でも関東馬のルージュバックは、2走前にはのちに京成杯優勝のベルーフを下し、前走は牝馬としては51年振りとなるきさらぎ賞勝ちを果たした。きさらぎ賞から桜花賞という異例のローテーションで臨む同馬が、チューリップ賞、アルテミスSと重賞2勝のココロノアイをはじめ、これまで対戦していないメンバーと本番でどのような戦いを繰り広げるのかにも注目が集まる。デビュー当時からこれまでの成長振りや、調整過程、ローテーションなど、現段階でのルージュバックのすべてを大竹正博調教師に語ってもらった。(取材・文:佐々木祥恵、写真:佐々木祥恵、下野雄規)


きさらぎ賞に出走した理由


 デビュー当時のルージュバックはお転婆娘だった。

「尻っぱねをしたり、ゲートの練習後に騎乗者を振り落としたり…。元気が良かったですね。その元気の良さをなだめながら、調教をしていきました」

 当初は10月の東京開催でのデビューが検討されていた。しかし「追い切りを重ねるごとに、こちらがイメージしていた以上の動きを見せてくれましたので」という理由から、当初の予定より2週早まった9月28日新潟競馬場の新馬戦(芝1800m)でデビュー。道中は中団から進み、直線で大外に出した戸崎圭太騎手が少し仕掛けると、一気に末脚を爆発させて差し切り勝ちを収めた。

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▲デビューは新潟の新馬戦、ここから負け知らずの3連勝


「追い切りの動きからある程度の走りをしてくれると思っていましたけど、上がり3ハロンで32秒8の脚を使ったのは驚きました」

 という大竹の言葉通りに、エンジンがかかってからの瞬発力がルージュバックの強さの秘密とも言えそうだ。

 新馬戦の後はノーザンファーム天栄に放牧に出る。11月9日の百日草特別(2歳500万下)を目指して帰厩した時には、精神面での成長が見られた。

「やはり競馬を経験した馬だなという雰囲気になっていました。スイッチが入らなければ、大人しくなってきましたし、オンとオフが出来始めた感じです」

 2戦目の百日草特別は、東京競馬場の2000mでのレースだったが、のちに京成杯(GIII)に優勝したベルーフ(牡3)を、レコードタイムのおまけつきで完封してみせた。しかし、きさらぎ賞前の大竹のコメントは「(百日草特別は)インパクトのある競馬でしたが、元々2歳戦で2000mの距離のレースはあまり組まれていないですし、レコードタイムが出たからと言って喜んで良いのか判断が難しいですね」と慎重だった。

 レース後にソエが出たこともあり、無理をせずに再びノーザンファーム天栄で休養し、年明けに美浦に戻ってきて、始動戦が検討された。きさらぎ賞、その前日に行われるエルフィンS、翌週の共同通信杯、前日に行われるクイーンCなどが候補に挙がったが、オーナーサイドとも相談の結果、きさらぎ賞に決定した。「関西圏への輸送と右回りを経験させたい」というのが、きさらぎ賞に出走する理由だった。

 精神面ではさらに成長が見られた。

「きさらぎ賞前がこれまでで1番長く休みましたが、放牧先でも丁寧にケアをしてもらったおかげか、必要以上に気持ちが盛り上がることがなくなりました。オンとオフもかなりできていましたし、無駄なことをしなくなりましたね」

 牝馬は飼い葉食いが細くなるケースが多いが、ルージュバックにはその心配がなく、きさらぎ賞前も輸送を控えながらも併せ馬でしっかり追ったほどだ。

 輸送も問題なくクリアし、レースでも正に圧巻のひとこと。直線を切り裂くように真一文字に伸びて、牡馬を一蹴して見せた。

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GIの注目馬にスポットを当て、主戦騎手や管理調教師を独占取材するnetkeibaのスペシャルインタビュー。GIに向けた意気込みや中間の調整過程、レース後に直撃し、戦いの舞台裏にあった知られざる真実を語っていただきます。

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