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買うべき馬をしっかり買うべし!/皐月賞

  • 2015年04月15日(水) 18時00分

■皐月賞(G1・中山芝2000m)フルゲート18頭/登録19頭


【コース総論】中山芝2000m Bコース使用

・コースの要所!

★2番人気以内馬の複勝率60%以上で、超人気薄の激走例は少なめ。
★中山芝ながら内枠の信頼度は意外に低め。外枠が不利でもない。
★瞬発力要求度が高めで差しも決まるが、さすがに追い込むのはキツい。





 まさか、皐月賞の分析でフルゲート以外のデータを集計することになるとは思わなかった。で、集計した結果をまとめつつ感じたのが、「中山芝」というイメージとはけっこう傾向が異なるという点だ。コース全体での人気別成績をみても、2番人気以内[75-67-45-121]で複勝率60.7%という高信頼度。これだと、人気薄はけっこう狙いづらい。

 また、内枠&先行有利の印象が強いと思うのだが、今回の集計条件で信頼度がもっとも低かったのは、内枠である馬番1番〜4番。とくに勝率の低さが目立っており、単勝回収率19%ではとても「買い」とはいえない。実際にはけっこうフラットで、枠番による有利・不利についてはあまり考慮しなくていい──というのが、コース分析の結果だ。

 脚質についても同様で、先行馬と差し馬の信頼度に、意外なほど差が出ていない。さすがに追い込み馬になると信頼度はガクンと落ちるので「ある程度のポジション」は取りにいく必要があるが、固執するほど先行勢の成績がいいワケでもないのだ。道中のペース次第で、先行優勢にも差し優勢にもなると捉えておくべきだろう。

【レース総論】皐月賞(G1) 中山過去10年

・レースの要所!

★前走4番人気以内かつ4着以内が好走の必要条件。巻き返しは厳しい!?
★枠番についてはコースデータ同様にフラット。信頼度トップは外枠。
★前走芝1800mと前走芝2000mなら後者優先。人気薄ではとくに重視。








 自分で集計しておいてアレな話だが、面白味にかけるデータばかり。つまりそれだけ、近年の皐月賞では「来るべきパターンの馬が順当に来ている」ということだ。人気薄で上位に食い込んだ馬にしても、近走で相応の結果を出していた馬ばかり。07年に15番人気で2着に激走したサンツェッペリンにしても、同コースの京成杯を制していた実績馬である。

 3番人気以内馬は[5-3-6-13]で連対率29.6%、複勝率51.9%とマズマズの成績。以下の人気についても全体的に「フツーくらい」といった印象で、人気馬を過剰に信頼するのも、人気薄を過小評価するのもダメ。先入観にとらわれず、いかにフラットな目線で出走各馬を評価できるかが問われるレースなのだ。

 枠番データは、おおむねコースデータと同様の傾向。単純に内外で比較しても、信頼度にはほどんど差がない。ただし、枠番値には大きな差が出ており、人気薄を狙うのであれば外枠のほうがベター。センターの勝率がちょっと驚いてしまうほど低いが、コレは単純に「平均人気が飛び抜けて低い」のが理由。割り引く必要はないと考える。

 しっかり意識しておきたいのが脚質で、3着以内に好走した馬の過半数が、中団から差していた馬。馬券に絡んでいる比率は他を圧倒しており、ココを馬券の中心に据えるべきであるのは間違いない。ただし、最速上がりの馬が強いというワケではなく、好走馬の40%以上が、上がり3F順位4位以下。さすがに末脚一辺倒だとキツい。

 あとは、前走芝2000m組が前走芝1800m組を、信頼度の面でも回収率の面でも圧倒している点も重視すべき。7番人気以下馬について見るとわかりやすいのだが、前走芝1800m組が[0-2-0-49]で複勝率3.9%であるのに対して、前走芝2000m組は[2-2-2-31]で複勝率16.2%と、後者のほうが優秀なのは誰の目にも明らかだ。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Bコース継続。差しがよく決まっており、時計の速さも目立っている。

・天候予測
 金曜日に降雨がありそうだが、土日はなんとか耐えそう。良馬場前提。

・注目血統
 ハーツクライ産駒◎、ディープインパクト産駒○、ハービンジャー産駒▲

 週末に雨が降るパターンが続いているが、今週は雨と雨の「谷間」で週末を迎えられそうな空模様。もちろん、土曜〜日曜に多少の降雨がある可能性もあるワケだが、その場合でも稍重くらいで済みそうな雰囲気だ。そして馬場だが、例年と比較するとかなり時計が速く、なおかつ差せる印象。中山にしては、かなり軽い状態だと思われる。

 種牡馬別では、迷わずハーツクライ産駒をトップ評価。信頼度はディープインパクト産駒と互角だが、平均人気の差を考えれば、こちらのほうが間違いなく優秀だ。実際、回収率も単複ともに100%以上。あとは、短期間のうちに4勝9連対と好成績をあげている、ハービンジャー産駒もプラス評価の対象とした。

★出走登録馬・総論×各論

 シャイニングレイに続いてアンビシャス、アダムスブリッジとグァンチャーレも回避となり、最高でも15頭立てとなる今年の皐月賞。無敗の3連勝で弥生賞を制したサトノクラウンに、ディープインパクト産駒の大器リアルスティール、そのリアルスティールと共同通信杯で接戦を演じた超良血ドゥラメンテと、ここまでの3頭が人気を分け合いそうだ。

 トップ評価はサトノクラウン。大きく割り引くファクターはまったく見当たらず、それでいて買い材料はかなり豊富。非常にセンスがいい馬で、脚質に幅があるのも大きな強みである。ロゴタイプ、イスラボニータに続く、3年連続での関東馬の制覇が、この馬によって成し遂げられる可能性は、かなり高いと思われる。

 少し離れて、二番手にリアルスティール。スプリングSで土がついたが、その性能の高さは誰もが認めるところだ。前走馬体重506キロと、この父の産駒としては馬格があるのも、中山ではプラス。ただし、僅差の二番手ではなく、データ的な信頼度がものすごく高いワケではないので注意。過剰人気になりやすいタイプであるのもお忘れなく。

 そして今回、思い切って「消し」で勝負するのがドゥラメンテだ。「皐月賞で鞍上M.デムーロ」というだけで買いたくなるが、中山が未経験であることや2ヶ月の休養明けであることなど、不安材料も散見される。また、アドマイヤグルーヴの仔にやや晩成傾向が見られることや、キングカメハメハ産駒の信頼度がけっして高くはないのも、この馬の取捨を考える上でのポイントとなろう。

 三番手評価にダノンプラチナ、四番手評価に人気薄のベルラップ、五番手にブライトエンブレムと、ここまでが上位評価組。以下はベルーフ、クラリティスカイ、ワンダーアツレッタ、タガノエスプレッソという序列である。枠番を気にする必要はなさそうなので、あとはオッズ次第。ぜひ、上位の人気が割れて欲しいところである。


■アンタレスS(G3・阪神ダ1800m)フルゲート16頭/登録33頭


 阪神開催に移設されて、今年で4年目となるアンタレスS。古豪ローマンレジェンドに、昨年の覇者ナムラビクター、久々の中央での出走となるアジアエクスプレスなど、なかなか豪華なメンツが登録してきている。実績馬が勝つか、それとも勢いのある馬が台頭してくるのか、いずれにしても楽しみなレースである。

 人気薄で激走したのは2012年2着のアイファーソングくらいのもので、今のところ順当決着傾向が強いレース。ただ面白いのが、出走数が圧倒的に多い「前走ダ1800m組」がトータル[0-2-2-22]と勝てていないのだ。2012年のゴルトブリッツ、2013年のホッコータルマエ、そして昨年の3着以内馬すべてが、前走でダ1900m以上戦を使われていた。

 となると、前走フェブラリーS組であるローマンレジェンドや、1800mの東海Sからのローテであるナムラビクターを軸とはしづらい。また、過去3年の勝ち馬がいずれも「上がり3F順位2位以内」であるのも、注目したいポイント。「速い上がりが使える前走ダ1900m以上組」である、アジアエクスプレスマルカプレジオの2頭を、今年の1着候補にあげておこう。


■総論×各論・先週の馬券回顧




1着 06レッツゴードンキ
2着 07クルミナル
3着 01コンテッサトゥーレ

単勝1020円的中!

馬券が当たって激しく嬉しいんだけども、全面的に岩田ジョッキーの好判断のおかげといいますか、どーも胸を張りづらいといいますか(困惑)。もっとも「中央プロパー以外の騎手が買い」というデータを重視した結果ではあるので、多少は自慢できるかもしれない。コンテッサトゥーレ、内枠を理由に思いっきり消しちゃったけど!

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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