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アテになる馬など1頭もいない!/フローラS

  • 2015年04月22日(水) 18時00分

■フローラS(G2・東京芝2000m)フルゲート18頭/登録20頭


【コース総論】東京芝2000m Aコース使用

・コースの要所!

★多頭数の人気薄はイマイチ。ふたケタ人気[0-3-2-183]では手が出ない。
★当然ながら外枠不利。信頼度だけでなく爆発力の面でも見劣る印象だ。
★逃げ馬が粘るのは至難の業で、ハナに行く馬は開幕週でも大幅割引の対象。





 開催レース数はそれなりに多い東京の芝2000m戦だが、これが「18頭立て」となると、2010年以降でもわずか21レース。データの母数が不足しているのは間違いないが、それでもハッキリした傾向が見てとれる。

 顕著なのが、人気薄の不振である。クセの強いコース形態を考えるともっと荒れそうなものだが、18頭立てにおける1番人気馬は[9-3-2-7]で勝率42.9%という好成績をマーク。2番人気も、勝率は低いが連対率38.1%、複勝率57.1%と信頼度は高い。対照的に、ふたケタ人気馬は[0-3-2-183]で連対率1.6%、複勝率2.7%と低調。ここが激走して高配当となるパターンは、かなり狙いづらいといえる。

 枠番についてはよく知られているように、徹底的に外枠不利である。2010年以降、大外18番に入った馬は1頭も馬券に絡めておらず、17番も連対例ゼロ。フルゲートの8枠は無条件で消すというルールを作ってもいいほど、その期待値は低い。「馬番1番〜12番に入る」というのが、当コースで好走する上での最初のハードルなのだ。

 典型的な瞬発力コースであるため、勝ち馬に関しては差し脚質が圧倒的に有利。先行勢は2着〜3着には粘れても、アタマでくるのはなかなか難しい。上がり3F順位の上位馬が好成績を残しているのも、その裏付けとなる。「中団待機→差して1着」が典型的な勝ちパターンで、本命には、このカタチに持ち込める馬を迷わず推すべきである。

【レース総論】フローラS(G2) 過去10年

・レースの要所!

★ヒモ荒れ傾向の非常に強いレース。人気馬→人気薄の買い目を推奨。
★レースデータでは「外枠不利」かつ「内枠有利」である点に注目!
★前走上がり順位が「3位以内」であるのが軸馬の必要条件。差し優勢。








 過去10年で1番人気馬が5勝と、高いアベレージを残しているフローラS。しかし、相手に関してはかなり紛れる印象で、コースデータとは違って10番人気以下でも平気で突っ込んできている。2010年のように堅く決着するケースもなくはないが、かなり波乱含みという前提で考えておいたほうがいい。

 目立っているのが内枠の強さだ。馬場コンディションのいい時期に開催されるのもあってか、内枠である馬番1番〜6番に入った馬は、連対率18.6%、複勝率23.7%と好成績。複勝回収率も184%とぶっちぎりの高さで、枠番値もプラス0.9と非常に高い。内枠に入った場合には、人気薄でも積極的に狙っていきたいところだ。

 次に前走距離別成績だが、連対馬20頭のうち18頭までが「前走芝1800m〜2000m組」で、前走で芝マイル以下戦に出走していた馬は大幅割引。前走芝マイル以下組は、狙うとしても3着のヒモが精一杯だ。また、脚質的にはコースデータと同様に差し優勢で、勝ち馬のほとんどが「前走上がり順位3位以内」である。

 あと、意識しておきたいのがジョッキーの騎乗パターンだ。信頼度は継続騎乗のほうが格段に高いのだが、馬券に絡んだ15頭のうち、じつに14頭までが6番人気以内。継続騎乗の7番人気以下馬は、のべ33頭が出走して1頭しか馬券に絡んでいない。つまり、人気薄を狙うならば「乗り替わり」のほうが断然アツいのである。狙いは「人気の継続騎乗組」と「人気薄の乗り替わり組」の2パターンとなる。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 開催2日目で絶好の馬場コンディション。高速馬場の可能性が非常に高い。

・天候予測
 穏やかな天候が続き、週末も晴れか曇り。良馬場前提でまったく問題なし。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ハーツクライ産駒○、ダンスインザダーク産駒▲、ブラックタイド産駒△

 瞬発力コースといえば、ディープインパクト産駒とハーツクライ産駒の独壇場。とくに前者の成績は素晴らしく、コース全体で20.1%もの高い勝率をマークしている。また、血統的に「同血」であるブラックタイド産駒も、出走数こそ少ないがその成績はかなりのもの。意外なところでは、ダンスインザダーク産駒もなかなかだ。

 逆に気がかりなのが、登録頭数の多いハービンジャー産駒。こちらも出走数が少なくデータとしてはアテにならないが、ソコソコ人気に推されているにもかかわらず未勝利というのは、不甲斐ない成績である。少なくとも現時点での成績からは、コース適性はかなり低いといわざるをえない。もし人気を集めるようなら、疑ったほうがいいかも。

★出走登録馬・総論×各論

 コースがコースだけに、枠番決まってから評価させておくれ……と言いたい気分でいっぱいのフローラS。しかも、2勝馬がアスカビレン、シングウィズジョイ、ディアマイダーリン、リアンドジュエリーの4頭しか登録しておらず、オークストライアルというよりは「ものすごく賞金の高い500万下」といった様相である。

 で、評価もまさにグチャグチャで、アテになりそうな馬が1頭も見当たらない大混戦。トップ評価からして、1勝馬で除外の可能性があるマキシマムドパリとなった。マイナス材料のなさとプラス材料の多さがこの馬の魅力で、前走シングウィズジョイに敗れているとはいえ、侮れない存在。継続騎乗の予定なので、6番人気以内であればベストだ。

 二番手評価にリアンドジュエリー。継続騎乗のほうが期待できるパターンだが、乗り替わり予定だからといって割り引く必要はなさそう。数少ない2勝馬であり、前走芝2000m戦で上がり順位2位と、好走の必要条件もキッチリとクリアしている。今年の登録馬のなかでは、比較的アテにできそうなタイプといえそうだ。

 三番手にエバーシャルマン。未勝利を勝ち上がったばかりだが、東京向きの瞬発力を備えているタイプで、父ハーツクライという血統的なプラス評価もある馬。人気がサッパリ読めないが、こちらも乗り替わり予定であり、できれば人気薄となってほしいパターンである。

 あとは、四番手評価のフロレットアレー、五番手評価ディアマイダーリンまでを、一応は上位に評価。以下はシングウィズジョイ、ウインアキレア、アスカビレン、ロックキャンディ、バンゴールといった序列である。もっとも、枠番次第で評価がガラッと変わるレースであり、オッズも加味してしっかり考えたいところ。そうそう順当には決まらないと見て、振り回し気味の馬券で勝負するのをオススメしたい。


■マイラーズC(G2・京都芝1600m外)フルゲート18頭/登録31頭


 いまだに阪神芝1600mのイメージが強いマイラーズCだが、京都に舞台を移してから、はや4年目。昨年は3番人気以内馬が上位を占める結果となったが、2番人気以内馬は[0-1-1-4]とコケまくっており、意外にアテにならない。同様に超人気薄もサッパリの成績で、ここは中穴をいかに買うかが、勝負の分かれ目といえる。

 注目したいのが、距離短縮組から2頭の勝ち馬が出ているという点だ。出走頭数は圧倒的に前走マイル戦組が多いのだが、トータル[1-3-3-26]と、勝ったのは2013年のグランプリボスだけ。これなら、昨年のワールドエースのように「距離短縮の人気サイド」を狙ったほうが格段に美味しい。あとは、距離延長組が全滅しているのも、覚えておきたいポイント。つまり、今年のダノンシャークは意外とアテにしづらいのだ。

 出走できそうな馬でこの条件を唯一満たすのが、牝馬のディアデラマドレ。マイル戦は初出走だが、それで人気を落とすようなら逆に好都合だ。その決め脚の鋭さは、牡馬に混じっても上位といえるもの。ぜひ、中穴人気となっていただきたい。


■福島牝馬S(G3・福島芝1800m)フルゲート16頭/登録20頭


 昨年は16番人気のフィロパトールが3着に突っ込んだが、なぜか3連単配当は23万馬券。ファンが波乱を見越して、いかに手広く買っているかを実感できる結果となった。今年も、何が起こってもおかしくないメンバーが顔を揃えており、ふたケタ人気の激走も十分に期待できそうな雰囲気。今週の重賞、荒れそうなレースばっかりである。

 7番人気以下で好走した8頭のなかで、前走で掲示板に載っていたのは2006年のロフティーエイム(前走2着)だけ。それ以外はすべて「前走6着以下」であり、なおかつ「ひとケタ人気」という共通点がある。今年出走できそうな登録馬で、この条件を満たしているのはオツウ、オメガハートロック、ハピネスダンサー、フィロパトール、ブランネージュ、ペイシャフェリス、マイネグレヴィルの7頭だ。

 おそらくオメガハートロックとフィロパトール、ブランネージュの3頭は人気なので、激走候補はオツウハピネスダンサーペイシャフェリスマイネグレヴィルの4頭だけ。あとは人気次第だが、この4頭のうち「7番人気以下」となった馬が1頭は必ず馬券に絡むフォーメーション勝負を、当データ分析からは推奨しておこう。


■総論×各論・先週の馬券回顧




1着 02ドゥラメンテ
2着 05リアルスティール
3着 07キタサンブラック

……珍しく1番人気の単勝なんか勝ったらハズレるの巻。いやま、出遅れて位置取りで後手を踏んだ時点でけっこう厳しかったと思うし、あの不利がなくてもアタマまでは厳しかったんじゃないかなと。ドゥラメンテの「消し」評価に惑わされたという方、誠に申し訳ございませんでした(反省)。

※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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