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マイル戦で活躍必至、ロサギガンティアの4分の3弟スターオブペルシャ

  • 2015年04月29日(水) 12時00分
【2歳】
アドマイヤモラール(牡 美浦・上原博之 父キンシャサノキセキ、母カツラドライバー)
 新潟2歳S(GIII)を勝ったほか桜花賞(GI)とオークス(GI)でも2着に食い込んだエフティマイア(父フジキセキ)の4分の3弟。父キンシャサノキセキはフジキセキの代表産駒の1頭で、現役時代に高松宮記念(GI)を2連覇し、種牡馬としても現3歳の初年度産駒からサフィロス(14年京王杯2歳S-GII・2着)、アルマオンディーナ(14年阪神JF-GI・5着)をはじめJRAで23頭の勝ち馬を出している。思いのほかパワーを伝えているので、勝利数ベース、連対率ベースともに芝よりもダートが上回っている。本馬も、仮に芝がイマイチでもダートでいいところがありそうだ。母は気性の激しさを伝えるので、ローカルの滞在競馬が狙い目。少頭数ならなおいい。

アルティマチャーム(牝 美浦・奥平雅士 父キングカメハメハ、母アルティマトゥーレ)
 母アルティマトゥーレはセントウルS(GII)とシルクロードS(GIII)を制したスピード馬で、キャプテントゥーレ(08年皐月賞-GI)、クランモンタナ(14年新潟記念-GIII・2着)、コンテッサトゥーレ(15年桜花賞-GI・3着)の4分の3姉にあたる。2代母エアトゥーレは阪神牝馬S(GII)を勝ち、フランス遠征ではモーリスドゲスト賞(仏G1)で2着と健闘。3代母スキーパラダイスはムーランドロンシャン賞(仏G1)、京王杯SC(GII)の勝ち馬。日本を代表する名牝系のひとつといっていいだろう。全兄アルティマプリンスは5戦して[2-1-1-1]という好成績。馬格もあり、順調なら将来的には重賞クラスまで出世してもおかしくない。全妹の本馬も期待大。芝向きのマイラーだろう。

キャメルアンバー(牡 美浦・上原博之 父ダイワメジャー、母グリーリーランド)
 全兄にウインスラッガー(父ダイワメジャー/2勝)、半兄にグリッドマトリクス(父シンボリクリスエス/3勝)がいる。母グリーリーランドは芝短距離でOPクラスまで出世したスピード馬。母の父Mr.Greeleyは仕上がり早のスピード血統で、Gone Westを経てMr.Prospectorにさかのぼる系統。2代母Miss Dreamlandはボールドラッド≒What a Pleasure 3×3という4分の3同血クロスを持っている。ダイワメジャーは、ボールドラッド、What a Pleasure、Successer(ボールドラッドの全弟)と相性が良く、このパターンからエピセアローム、オリービン、メイショウタマカゼ、メジャープレゼンスなどが出ている。配合的にいいものがあるので、馬のデキ次第ではハイクラスな競走馬となる可能性も十分。

シルヴィーボーテ(牝 栗東・松永昌博 父キングカメハメハ、母ナナヨーティアラ)
 母ナナヨーティアラは準OP馬。繁殖牝馬としても力のあるところを見せており、現時点でデビューした3頭の産駒がすべて勝ち上がっている。2番子のプラチナティアラ(父プリサイスエンド)は函館2歳S(GIII)でクリスマスの2着と健闘した。母の父マイネルラヴの母Heart of Joyは「Northern Dancer+Secretariat」という構成で、父キングカメハメハはこの種の血と相性がいい。ロードカナロア、ローズキングダム、ベルシャザールといった代表産駒はこのパターンに当てはまる。芝・ダート兼用の中距離タイプだろう。

スターオブペルシャ(牡 美浦・藤沢和雄 父ダイワメジャー、母ターフローズ)
 スプリングS(GII)を勝ったロサギガンティア(父フジキセキ)の4分の3弟。母ターフローズはドイツ産馬で、イタリアとフランスで走り、日本のエリザベス女王杯に相当するリディアテシオ賞(伊G1・芝2000m)を勝ったほか、ポモーヌ賞(仏G2)とミュゲ賞(仏G2)で2着となっている。母の父Big Shuffleは独リーディングサイアーの座に6回就いたスピード型の名種牡馬。兄ロサギガンティアはそのスピードを受け継いでマイラーとなったが、本馬はダイワメジャーが父なので、おそらく似たようなマイラーとなるだろう。いかにも堅実に走りそうなタイプだ。仕上がりが早くPOG向き。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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