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京都で切れを生かしたい/京都新聞杯

  • 2015年05月08日(金) 18時00分


今年絶好調のキングカメハメハ産駒

 同日に東京で行われる「プリンシパルS」は、日本ダービーのトライアルだが、優先出走権を獲得できる馬が2010年以降は「1着馬」だけになったため、ほとんど日本ダービーとは関連がない。

 一方2000年から5月に移り、ダービー最終便となった京都新聞杯組は15年間で、

▽13年 キズナ 1着→1着
▽12年 トーセンホマレボシ 1着→3着
▽05年 インティライミ 1着→2着
▽04年 ハーツクライ 1着→2着
▽00年 アグネスフライト 1着→1着

 計5頭の日本ダービー好走馬が出現しているのに対し、同じ過去15年間でのプリンシパルS組は、2010年のアントニオバローズが、「プリンシパル2着→ダービー3着」、2002年のマチカネアカツキが「プリンシパル2着→ダービー3着」と2頭が3着に食い込んでいるだけである。

 日本ダービーが、現在の出走予定馬に少しでも厚みが加わって盛り上がるには、トライアルではないものの、重賞競走だから2着賞金の加算(今年だと1050万円)でもダービー出走が可能になる京都新聞杯組に注目だろう。

 皐月賞を9番人気で、0秒9差の8着にとどまったダノンリバティ(父キングカメハメハ)は、実力負けともいえるが、中団でギクシャクしたレースでもまれ、全能力を出し切ってはいなかった印象もある。上がり3ハロン「34秒5」は、圧勝したドゥラメンテを別格とすると、2着リアルスティール(2番人気)、6着サトノクラウン(3番人気)と並んでメンバー中2番目タイだった。道中行きたがったフシもあり、追っての味を生かしたいダノンリバティとすると不本意なレースだったかもしれない。

 今度は、皐月賞3着のキタサンブラック(浜中騎手)が、北村宏騎手に戻る予定なので、浜中騎手へのチェンジ。日本ダービー出走を展望しての乗り替わりだろう。

 京都コースは、3走前のつばき賞で大物の可能性十分のキロハナ(父ディープインパクト。2連勝のあと骨折休養中)には完敗したものの、この馬も上がり33秒9でまとめているように、切れを生かしたいこの馬に合っている。平坦の新潟の新馬1800mでは上がり33秒3(最後は推定10秒9-10秒9)を記録している。

 今年、絶好調のキングカメハメハ産駒で、現代の名牝系スカーレットインクの一族。3代母スカーレットローズ(父ノーザンテースト)は、ダイワメジャー.同スカーレット兄妹の母スカーレットブーケの全妹になる。

 最大の長所は成長力でも、3歳時から活躍するのも大きな特徴でもある。京都の外回り2200mなら、長続きするはずの速い脚がフルに生かせるだろう。アルバートドックと、立て直してきたスワーヴジョージ本線に少し手広くいきたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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