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キンカメの波は東京の砂にも

  • 2015年06月10日(水) 18時00分


◆今週こそはボク自身が次のキンカメのビッグウェーブにしっかり乗りたいものです

 今年前半の競馬は「キンカメの波にどれだけ乗れたか」が勝敗を大きく左右したのではないでしょうか。

 現在JRA種牡馬リーディングを独走中のキングカメハメハ。ダービーでドゥラメンテを対抗にすら出来なかったのは情けない限りですが、そんなことを忘れ去るぐらい強烈な敗北感を味わったのが、先週土曜のヴィクトリアレーシングクラブ賞です。

 このレースに出走したキングカメハメハ産駒は3頭いずれも6人気以下の人気薄。結果は2着〜4着。勝ち馬のシンゼンレンジャーは父がミスプロ系。キンカメの父キングマンボと同じミスプロ×ヌレイエフ系の配合馬。また、当レースに出走した父ミスプロ系は4頭のみ。その4頭が上位独占で3連単は89万馬券。この配当も「ある人物」がいなければ、確実に100万馬券になっていたことでしょう。その人物とはプロ馬券師、双馬毅さん。一緒に参加させてもらっているサイト「競馬放送局」で公開している予想でも大本線で仕留めていました。

 同じサイトに参加させてもらっている縁で、先日、彼の祝勝会にお呼ばれしたのですが、その際の一言が、また心に刺さりました「いやー、亀谷さんが勝負レースに選んでくれなかったおかげで89万円もつきましたよ。絶対にキンカメ固めで勝負されると思っていました」と…

 たしかに、今年の東京ダート、特に今シーズンの東京ダートはキンカメ産駒が異常なほどに走ります。

 昨年の東京ダートではキンカメ産駒の勝利数は5勝。勝率も4%。ところが、今年はすでに16勝。勝率も約4倍増の15.8%。今年の4月以降は11勝。勝率18%。複勝率34%。単勝回収率132%。複勝回収率115%。

 先日当サイトで共演させてもらった小島さんの「馬場のすべて教えます」に書いてありますが、ダートコースも毎回、表情が変わります。ダートで使用されている砂の粒度は、大きく分けて2種類あります。その配分と水分量によって、血統の傾向も変わるのです。いや、ボクがそう妄想している。ということにしましょう(笑)

 なお、こういうことを書くと、「砂の粒度の成分を発表しろ」とか言う人が出てしまうかもしれませんが、ボクはJRAの細かい馬場発表は、いらない派です。傾向を知りたいだけなら、馬場映像や走っている馬や血統を見るほうが、よほど参考になります。

 最近流行り(?)の散水問題にしても、JRAの発表なんかよりも、馬場に定点カメラをつけることや、朝、騎手が馬場を散歩しているのに同行することを許可してくれる方がありがたいです。(そのことを知り合いの新聞社やTV局には事あるごとに進言しているのですが、ほとんどの人は本気で相手にしてくれません(笑))

 さて、馬場を語りすぎると話が逸れるので、今の血統傾向の話に戻ります。キンカメはダートに出走している主流の血統馬の中では相対的に芝の中距離指向が強い血統。今のダートの砂と水分量のバランスはミスプロ系の芝適性高いタイプが有利な馬場といえます。また、例年の東京ダートでは期待値が低い「芝勝利実績があるミスプロ系」も今シーズンに限っては優秀な期待値を示します。

 なお、ヴィクトリアレーシングクラブ賞の前に同コースで行われた3レースを6人気で勝利したレベニューも父がケイムホーム。キンカメとケイムホームはダートでは走りやすい馬場が似ているようです。とはいえ、翌日はケイムホーム産駒が2頭出走したもののいずれも馬券圏外。競馬はそんなに簡単ではありませんね。

 ところで、キンカメが今シーズンの東京ダートで大躍進を遂げているのは、ひょっとすると馬場よりも大きい力が働いていることも大きいのかもしれません。それは「ノーザンファーム生産のキンカメ」が東京ダートで、凄まじく走っているからです。

 4月以降、ノーザンファーム生産のキンカメ産駒は東京ダートに、のべ12頭が出走。このうち9頭が3着以内に走り、複勝率は75%。単勝回収率、複勝回収率ともに200%を越える驚異的な成績を収めています。とはいえ、牧場力だけではなく先に書いたように、馬場が有利にも働いているはずですけれど。

 今年の種牡馬リーディングはキンカメが独走していますが、勝ち星の30%はノーザンファーム生産馬。ノーザンファームはキンカメと相乗効果で大きな波を作り出しています。ノーザン、双馬さん、小島さんと他人の話ばっかりしてないで、今週こそはボク自身が次のキンカメのビッグウェーブにしっかり乗りたいものです。(今週もキンカメの波が来るとは限りませんが)

 映像で馬場傾向を見る補足ですが、今開催のダートは砂埃が強く舞い上がると内有利。湿っていてあまり舞い上がらないと外有利の傾向はあります(ただ、ダートで砂埃が強く舞い上がっていたのはダービーの日だけですけどね。徹夜で並んでいるお客さんに散水の音が鳴ると申し訳ないので、あんまり水を撒かなかったのでしょうか。仮にJRAに聞いて「水撒いた」と言われても、実際には乾いてるから、発表よりも当日の馬場見た方がいいと思うのです)

 当日や前日、前週の同コースで好走した血統、系統については「亀谷ホームページ」の「スマート出馬表」にてリアルタイムでご覧いただけます(無料です)こちらも、参考にしてください。
(出馬表の右上のパネル切り替えボタンをクリックした後、BBコースまたはトラックを選択)

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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