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「新馬2着馬」の出世条件は「2戦目での勝ち上がり」(辻三蔵)

  • 2015年07月07日(火) 18時00分


◆わたくしが赤本誌上の「オススメ10頭」で「イチオシ!」したドラ1君・アストラエンブレムは…

 6月6日(土)から2歳新馬戦が始まり、1か月が経った。7月5日時点での2歳新馬戦の出走頭数を調べると、関東馬が260頭、関西馬は137頭がデビューしている。関東馬の出走頭数が全体の66%を占めており、関東圏の新馬戦では出馬ラッシュが始まっている。

 3回東京開催に行われた2歳新馬戦では6月14日(土)芝1400m戦(出走可能頭数18頭)で早くも投票除外馬(1頭)が発生。その後、21日(日)芝1400m戦(出走16頭)で4頭、ダ1400m戦(出走16頭)で6頭、28日(日)芝1600m戦(出走16頭)では7頭が抽選により、投票除外になった。

 出馬ラッシュの余波を受けたのが小島茂厩舎のアストラエンブレム(牡、ダイワメジャー、母ブラックエンブレム)。わたくし辻三蔵が赤本誌上の「オススメ10頭」で「イチオシ!」した「ドラ1君」。

 6月28日(日)メイクデビュー東京(芝1600m)でデビュー予定だったが、17分の10の抽選に外れて投票除外になった。

 兄ブライトエンブレムと同じ誕生日(4月6日)を持つアストラエンブレムが、兄と同じデビュー日(6月28日)に、同じ舞台(東京芝1600m)で新馬戦を勝つイメージは出来上がっていたが、こればかりは仕方がない。

 仕切り直しの一戦として選んだのが7月5日(日)の中京5Rメイクデビュー中京(芝1600m)。高野厩舎のロスカボス、池江厩舎のゴールドラッシュと良血関西馬との対戦になったが、堂々の1番人気に推された。

 パドックでは小島茂調教師が二人引きに加わり、落ち着いて歩く姿が印象的だった。輸送も無事クリアし、後は課題のゲートだけだったが…。

 ゲート内で硬直したこともあり、大きく出遅れ。前半1000m通過65秒8のスローペースになったが、最後方で折り合いに専念。直線で大外に出すと、グングン加速。メンバー中最速の末脚(上がり3F34秒5)で追い込んだが、先に抜け出したロスカボスに僅かに届かなかった。脚色は上回っていただけに、最内を突いた勝ち馬とのコース取りの差が出た形だ。

 兄のテスタメント、ブライトエンブレムに次ぐ新馬勝ちを飾ることはできなかったが、兄達と比べるとフットワークに無駄がなく、洗練された走りを見せた。兄ブライトエンブレム以上に切れる脚が使えるのも魅力だ。後は「新馬2着」という結果をどう受け止めるか。

 今年の3歳世代では新馬戦で2着に敗れたドゥラメンテ、ミッキークイーン、ダノンプラチナ、ショウナンアデラがGIを勝ち、ココロノアイ、タガノアザガル、シングウィズジョイが重賞ウイナーになった。「新馬2着馬」の出世条件は「2戦目での勝ち上がり」。次走は確勝を期す一戦になりそうだ。

 アストラエンブレムと同じ小島茂厩舎で「主力級」として推奨したボーンレガシー(牡、父ショウナンカンプ、母ボーンスター)は6月19日に美浦トレセンに入厩。6月26日にゲート試験に合格しており、デビューに向けて調整を進めている。同じく主力級で紹介したアルカサル(牡、父ドリームジャーニー、母アビラ)はノーザンファーム早来で調整中。入厩時期はもう少し先になりそうだ。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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