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トールポピー、アヴェンチュラの全妹アドヴェントス

  • 2015年07月22日(水) 12時00分
アドヴェントス(牝 美浦・堀宣行 父ジャングルポケット、母アドマイヤサンデー)
 全姉にトールポピー(08年オークス-GI、07年阪神JF-GI)とアヴェンチュラ(11年秋華賞-GI)、全兄にフサイチホウオー(重賞3勝)がいる超良血。3代母Madeliaは仏1000ギニー(仏G1)、仏オークス(仏G1)を含めて4戦全勝の成績を残した。本馬はHornbeam≒Sunset 4×5で、これが立て続けに活躍馬を送り出した配合的な鍵ではないかと思われる。「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」は相性がよく、ほかにジャガーメイル、ダイワファルコン、アプリコットフィズ、ダービーフィズ、トーセンキャプテンといった活躍馬が出ている。父ジャングルポケット、母アドマイヤサンデーの全きょうだいは、アヴェンチュラのあとエンジェルフォール(1戦0勝)、エルミラドール(不出走)、ムタード(不出走)と結果が出ていない。そろそろ当たりを期待したい。

エディクト(牡 美浦・二ノ宮敬宇 父キングカメハメハ、母サンクスノート)
 母サンクスノートは京王杯スプリングC(GII)をレコード勝ち(1分19秒8)したスピード馬。母の近い世代にHaloとSecretariatを併せ持ったサクラバクシンオー産駒なので、グランプリボス(10年朝日杯FS-GI、11年NHKマイルC-GI)と配合構成が酷似している。初子となる本馬はキングカメハメハが父。キングカメハメハの代表産駒ロードカナロア、ベルシャザール、ローズキングダムは、いずれも母方に「Northern Dancer+Secretariat」という構成の血を持っている。本馬の3代母Three Secretsはまさにこのパターン。芝向きのマイラーとして大成可能だろう。

スウィフトレイド(牡 美浦・堀宣行 父Smart Strike、母スウィフトテンパー)
 母スウィフトテンパーは現役時代に北米で31戦6勝、ラフィアンH(米G1・ダ8.5f)を含めて4つの重賞を制した。アメリカ時代に一子をもうけているものの出走歴はない。3代母GorgeousはアシュランドS(米G1)を含めて3つのG1を制している。父Smart Strikeは07、08年に米リーディングサイアーに輝いた名種牡馬。Curlin(米年度代表馬)、English Channel(BCターフなどG1を6勝)、Lookin at Lucky(プリークネスS)、フリートストリートダンサー(ジャパンCダート)、ブレイクランアウト(共同通信杯)など多くの一流馬を送り出している。本馬はMr.Prospector 2×4で、仕上がりの早い芝・ダート兼用のマイラーだろう。

ピッツバーグ(牡 栗東・矢作芳人 父ダノンシャンティ、母メジロフランシス)
 安田記念(GI)、ダービー卿CT(GIII)を制したモーリス(父スクリーンヒーロー)の半弟。2代母メジロモントレーは、牡馬相手にアルゼンチン共和国杯(GII)、アメリカJCC(GII)など4つの重賞を制した名牝で、モガミを父に持つ和合性に乏しいステイヤー血統なので、底力に関しては申し分ないものの、そうした資質をコンスタントに伝えることができない。これまでに産んだ7頭中5頭が未勝利に終わっており、モーリスだけが飛び抜けた競走成績を残している。本馬の父ダノンシャンティは現役時代にNHKマイルC(GI)をレコード勝ちしたスピード馬。JRAで2頭が勝ち上がっている。地方競馬でも出足がよく、芝・ダート兼用タイプだと思われる。サンデー系でHalo 3×3、という血統構成は母と対照的なので期待でき、本馬はDarshaanとSadler's Welsのニックスも生じる。なかなかの好配合馬だ。芝1600〜2000m向きだろう。

プリマレジェンド(牝 栗東・佐々木晶三 父ヴィクトワールピサ、母パーソナルレジェンド)
 母パーソナルレジェンドはターンバックジアラームH(米G3・ダ9f)、ステージドアベティH(米G3・ダ8.5f)の勝ち馬。繁殖牝馬としても成功し、初子のミラクルレジェンド(父フジキセキ)はエンプレス杯(JpnII)をはじめ多くの重賞を勝って牝馬ダート路線の女王として君臨した。2番子のローマンレジェンド(父スペシャルウィーク)は東京大賞典(GI)など4つの重賞を制している。ディープインパクトを掛けてもダート馬が出るので、どんな種牡馬を付けたとしてもダート向きだろう。本馬の父ヴィクトワールピサは新種牡馬。現役時代にドバイワールドC(首G1・AW2000m)、有馬記念(GI・芝2500m)、皐月賞(GI・芝2000m)などを制した名馬で、アサクサデンエン(05年安田記念-GI)、スウィフトカレント(06年小倉記念-GIII)を兄弟に持つ良血。その父ネオユニヴァースよりもツナギが短く、パワフルで収縮力も強いので、ダート向きの産駒もそれなりの割合で出てくるだろう。本馬はダート向きのマイラー〜中距離タイプとなりそうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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