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【特別企画】亀谷×小島が「中山競馬場の馬場」をしゃべりつくす!(後編)

  • 2015年09月09日(水) 17時59分

ドゥラメンテの末脚は、新しい馬場のおかげ!?



亀谷 そして、新生中山芝の威力をさらに実感したのは、今年の春の中山です。

小島 そうですね。先程も言いましたが、砕石層を作って暗渠管も入れたことによって、排水性が上がりましたから、結果として馬場が傷みにくくなることに繋がりました。
 水分が抜けやすくなっていますから、馬が走ってもそんなに芝が掘れたり、取れたりしにくくなっている。だから、去年以上に内側に野芝が残っているという状態が3月だったんです。今年3月の中山と去年3月の中山の映像を見比べてみるといいと思いますよ。芝の残り方が全然違うので。

亀谷 小島さんのブログでしっかり確認しました。

小島 あ、ブログを見て頂いたんですね。今年3月28日の芝の色と、1週後の4月4日でも芝の色がぜんぜん違いますよね。4月4日の方は芝の色が濃くなっていますよね。

単粒砕石層

▼3月28日の中山競馬場の馬場(写真:小島友実)



単粒砕石層

▼4月4日の中山競馬場の馬場(写真:小島友実)



単粒砕石層

▼4月12日の中山競馬場の馬場(写真:小島友実)



亀谷 芝が育つのって早いですよね。これを知らない人は、多いんじゃないかな?

小島 さらに、4月12日になると、より濃くなっていますよね。この時期はどんどん野芝が立ち上がっていく時期ですから、目に見えて芝が濃くなっていきます。芝の密度も濃くなっていくから、やっぱり走りやすくなるし、結果として上がりが速くなっていきましたよね。
 去年までの皐月賞ではディープインパクト産駒が勝てませんでしたが、今年はついにディープインパクト産駒が皐月賞を勝てるんじゃないかなって思っていたんですね。まあ結果的に勝てませんでしたけど。

亀谷 いや、ドゥラメンテのあの末脚は新しい馬場のおかげもあるでしょう。ドゥラメンテはキンカメ×サンデーだけど、この配合はディープ産駒と同じように直線のスピードを武器にする馬が多いので。
 新しい路盤になってからの中山芝G1は、去年の有馬記念と今年の皐月賞ですが、1、2着馬はどっちもキンカメ×サンデーの配合馬とディープ産駒でした。

「新生中山」秋開催の馬場傾向を読むポイントは!?



亀谷 今の馬場って、前よりも軟らかく作ってるんですよね。それなのに、あれだけスピードが出るっていうのは、水はけが良くなった効果は大きいと思う。

小島 水はけが良くなって、例年以上に野芝が残っていたのもありますよ。4月に入って、その残っていた野芝の茎から新芽が立ち上がって来て、芝の状態が良くなって迎えたのが皐月賞だったと思うんです。
 馬場改造工事を行い、水はけが良くなった今の中山の芝は余程の大雨が降らない限り悪化しないので、来年以降も皐月賞の馬場は以前ほど悪化せずにある程度、良い状態だと思いますよ。だから、ディープインパクト産駒が3月、4月になるとどんどん走るのが、馬場改造後の中山の特徴の一つだと思いますね。

亀谷 さて、今年の9月が新生中山で開催する初めての秋開催。最近の傾向だと、開催序盤は軟らかい馬場ですが、開催後半はどうしても路盤がしまってくると見ているんですが。

小島 確かに、開幕週や前半2週間くらいは差しが決まりやすいと思います。開催が進むとわかりませんけど。

亀谷 それと、今年は皐月賞まで良好な馬場を保てましたよね。だから、もっと積極的に馬場をほぐすんですかね?

小島 それに関しては、9月の中山競馬開幕前に取材して、どこかでコラムを書きたいなと思っています。詳しくは私のブログもチェックしてみて下さい。
 あとバーチドレンによるエアレーション作業をしたかどうかは、実はJRAのホームページを見ればわかるんですよ。競馬が開幕する前にJRAのホームページの馬場情報を開いて、馬場概要と書かれた項目をチェックしてみて下さい。そこに、「馬場のクッション性を高めるためにエアレーション作業を行いました」と書かれていたら、バーチドレンを入れたということなんです。開幕前にエアレーション作業を行うと、クッション性が高まって、開幕週から差しが決まる傾向が出やすいですから、チェックが必要です。

亀谷 それは当然見ますよ。でもね、一言でエアレーションといっても、質があると思うんですよ。この作業って畑を耕す作業みたいなもんじゃないですか? 畑だって、積極的に耕したのか、多少耕したのかじゃ違うわけですし……。

小島 そのマニアックな話聞きます?(笑)このバーチドレンは機械の後部についているタインと呼ばれる棒で馬場に穴を開け、空気を送り込み軟らかくするんです。
 で、確かにこの棒には細いタイプから太いタイプまで、色々種類があるんです。夏に野芝がたくさん生育する時期は一番太目のタイプを入れます。夏はすぐに芝が生長して、穴も塞がりますから。

亀谷 やっぱり。そうですよね。

小島 夏の野芝がぐんぐん生育する時期は22mmや18mmのタイン。でも、3月やまだ芝が立ち上がる前の時期に入れる場合は細めのタインを入れるんです。タインのサイズで穴の開き方や馬場の硬度が変わるというのは多少、あるでしょうね。

亀谷 そうでしょ? でもこういうことをせっかく小島さんが教えてくれても揚げ足取りに使う人がいるんですよ(笑)。ホームページで、バーチドレンの棒のサイズも発表しろ、とか。そんなに気になるなら、自分で取材しにいけよ(笑)と思う。

小島 いやいや(笑)それは私が頑張って取材をしますので。

亀谷 JRAはなにもそこまで詳しく発表する必要はないと僕は思いますよ。それか、小島さんにたくさんギャラ払ってnetkeibaだけで公開するとか(笑)。
 馬場状態は、主催者の発表だけに頼っていちゃダメ。成績を調べて、良馬場の時はこの血統が来ているなとか、自分でも調べてみる。あとは小島さんのように信頼のおける人に聞くべき(笑)。

小島 そんな風に言って頂けるのは有難いです(笑)。

亀谷 繰り返しになりますけど、仮に主催者がバーチドレンの棒のサイズまで発表するようになっても、ボクはそのままそれを馬場判断の材料にはしないな。自分の目で見て、自分で判断基準を作って考えるべきだと思う。

小島 その作業はとても大切ですよね。「あれ、開幕週なのにやたらと差し馬が来ているな」とか、そういう傾向は自分でチェックすること。
 それで、ホームページを見て「エアレーション作業しました」って書いてあれば、だから差し馬が来るのかと、馬場作業とレース傾向が一致するじゃないですか。あとは、ディープインパクトとか、キンカメ産駒がどれぐらい走るかをチェックしたり。

亀谷 あ、ボクもホームページでは無料で走った種牡馬をリアルタイムで掲載しているので、小島さんのブログと併せて参考にしてください(笑)。

 小島さんとの対談は以上となります。よろしければ、東京競馬場について語った動画もあわせてご覧ください。スペースの都合で今週末の重賞展望は亀谷ホームページで




小島友実
「馬場のすべて教えます」を2015年4月に出版、全10場の馬場を歩き、馬場に関する造詣を日々深めている。ラジオNIKKEI「中央競馬実況中継」、グリーンチャンネル「トラックマンTV」 にレギュラー出演するなど、幅広く活躍中。

『馬場のすべて教えます 〜JRA全コース徹底解説〜』
【著書】小島友実
【ページ数】208ページ
【定価】1620円+税
【発売日】4月15日(水)
【発行】主婦の友社
【判型】A5判

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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