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藤田騎手の引退について思うこと

  • 2015年09月11日(金) 12時00分


繊細さと大胆さ、卓越した騎乗技術と戦術

 やはり新潟記念はあれますね〜。人気馬が惨敗。やはりハンデ戦で最終週の馬場、しかも当日は雨と難解な要素が山盛りなのでしょう。しかも終わってみればですが、人気となった馬たちは雨がダメとか、初の重賞戦線とか、古馬との初対戦となる3歳馬などなど…。本当に難しかったです。ただ勝ち馬に関しては、相性の良い新潟の広いコースと、パワフルタイプなので雨が降った点や、馬群がかたまらない展開も良かったように思えます。

 一方、小倉2歳Sはシュウジが人気に応えての勝利となりましたが、右回りや初の1200など全く問題にしない強い勝ち方。今回の内容を見る限り、また距離を戻しても十分対応できそうですし、その点も価値ある勝利だったように感じます。

 一方の札幌2歳Sは、アドマイヤエイカン・プロフェット共に初戦とは違う立ち回りを見せての内容。競馬の上手さも際立つものでした。

 さて話は変わり、藤田伸二騎手が引退されましたね。個性派タイプの実力騎手がまた1人ターフを去ることに寂しさを感じられている方も多いのではないでしょうか?藤田騎手と言えば個性派で周囲との衝突も多いイメージですが、私個人としては、繊細さと大胆さの両方を兼ね備え、騎乗においては卓越した騎乗技術と戦術を持たれた方。フサイチコンコルドでの日本ダービーやスターマンでの京都新聞杯は、藤田騎手だからこそ勝てたと思える内容でしたし、私が騎手を引退した直後は、「食べていけるか?大丈夫か?」と、気遣ってくださる優しさも。

 最後は会見という形ではなくHPに直筆でコメントする形をとられましたが、その姿勢と達筆な文字でギッシリと書かれた内容が、藤田騎手のそのものの本質を物語っているようにも思えました。確かにエージェント制度の導入により、騎手の世界がガラリと変わったのは事実であり、それによって求められるものにも変化がしょうじているのも事実。私個人としても寂しさを感じると同時に、こういう事態になってしまうことに残念さと、技術力という観点で危惧している点も。

 その話はまたの機会にしますとし、今週行われるセントウルSですが、ストレイトガール・ウリウリ・ハクサンムーン・リトルゲルダ、人気の中心となりそうな面々は、どれも好調ケハイでした。開幕週ですし、枠が出てから予想は検討します。それでは皆さん、週末は競馬場もしくはフジテレビ「みんなのKEIBA」でお逢いしましょう。ホソジュンでしたぁ。

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愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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