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【今月の喜怒哀楽】『春とは違う、リアルスティールで挑む最後の一冠』

  • 2015年10月20日(火) 18時01分
祐言実行

▲菊花賞目前、リアルスティールの手応えを語る


求められているのは“1着”


 菊花賞か、天皇賞・秋か。神戸新聞杯の結果次第となっていたリアルスティールの進路だが、ご存じの通り、今週日曜日、最後の一冠を獲りにいくことになった。

 前哨戦の神戸新聞杯は、勝ったリアファルを捕まえきれずに2着。敗因は、自分がリアファルの能力を見誤っていたこと、これに尽きる。単勝1.9倍の1番人気に支持された以上、内容云々ではなく、勝たなければいけないレースだった。

 リアファルは、ダートで出世してきた馬であり、初めての芝となった前走のマレーシアCも、前半1000m通過64秒3での楽逃げ切り。神戸新聞杯で再び楽に行けたとしても、最後の瞬発力勝負では負けないと思っていた。むしろ、警戒していたのは、キロハナ(14着)やアルバートドック(7着)。素直に自分の判断ミスであり、相手を見誤った結果だと思っている。

祐言実行

▲重要トライアルを制したのは、芝路線へ転向したリアファル


 そんななかでもリアルスティールは、骨折休養明けにも関わらず、最速の上がりで一生懸命に走ってくれた。最後の最後まで伸びていたし、そのあたりが菊花賞を選択する決め手になったのだろう。

 春に比べ、馬自身はグンと良くなった。春の時点では、どうしても踏込の甘さが解消されず、体の使い方という面では未完成のまま戦っていた。ダービーの頃には

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祐言実行とは
2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。

1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。

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