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エクセラントカーヴの全弟アカデミア

  • 2015年10月21日(水) 12時00分
アカデミア(牡 美浦・萩原清 父ダイワメジャー、母インディアナカーヴ)
 エクセラントカーヴ(父ダイワメジャー/13年京成杯オータムH-GIII)の全弟、フローラルカーヴ(父アグネスタキオン/07年アネモネS-OP・2着)の4分の3弟にあたる。母インディアナカーヴはA.P.Indyを父に持つ外国産馬で、現役時代は芝を中心に走り、13戦5勝の成績を残した。産駒は体質の弱いところが見られるものの、全姉エクセラントカーヴは頑丈なダイワメジャー産駒であったことが良かったのか、故障することなく重賞に手が届いた。父ダイワメジャーはDroneという血とニックスの関係にあり、カレンブラックヒル、ダローネガ、トーセンベニザクラ、サンブルエミューズ、オメガホームラン、メイショウタマカゼなどがこのパターンから誕生している。母方の4代前にあるLassie Dear、アンティックヴァリューはいずれもDroneと配合構成がよく似ているのでおもしろい。姉同様の活躍を期待したい。

オージャイト(牝 美浦・加藤征弘 父キングカメハメハ、母ジェダイト)
 母ジェダイトは現役時代、忘れな草賞(OP)を勝ったほか、札幌2歳S(GIII)4着、フィリーズレビュー(GII)5着という成績を残した。繁殖牝馬としても悪くなく、本馬の半兄にあたるサナシオン(父シンボリクリスエス)は平地で3勝を挙げたあと障害入りし、無傷の4連勝で東京ハイジャンプ(J・GII)を制したハードル界のニュースター。全兄にあたるカレングラスジョー(父キングカメハメハ)は2勝、アドマイヤメテオ(父キングカメハメハ)とブライトバローズ(父キングカメハメハ)は1勝と、コンスタントに好成績を挙げている。2代母グリーンポーラはカルヴァドス賞(仏G3)の勝ち馬で、名種牡馬Green Dancerの4分の3同血。半弟にAlhaarth(全欧2歳牡馬チャンピオン)、甥にMakfi(10年英2000ギニー-G1、10年ジャックルマロワ賞-仏G1)がいる。キングカメハメハとの組み合わせでは、Green Dancer≒グリーンポーラ5×2という大胆な4分の3同血クロスが生じる。牝馬に替わったことで新味が出れば大きなところを狙える可能性も。芝向きの中距離タイプ。

キョウワゼノビア(牝 栗東・角田晃一 父ハーツクライ、母アサカフジ)
 全姉キョウワジャンヌは秋華賞(GI)2着、ローズS(GII)3着馬。4分の3兄キョウワロアリング(父サンデーサイレンス)は北九州記念(GIII)を勝ち、半姉ヘイローフジ(父キングヘイロー)は京阪杯(GIII)で3着となった。母はBuckpasser 3×3で、Mr.ProspectorとNijinskyを併せ持つのでしっかりとしたスピードを伝えている。父ハーツクライはトニービンを抱えているせいか完成が遅く、中長距離に実績がある。したがって、スピード豊かなアメリカ血統は足りないものを補う意味で好ましい。これまでの主要産駒を見ると大半がこのパターンから誕生している。母が18歳時の産駒という点は多少気になるところではあるが、全姉がGIで連対を果たしたように配合的には申し分ない。芝向きの中距離タイプとして大成が期待できる。

クイックモーション(牝 美浦・木村哲也 父ディープインパクト、母クイックリトルミス)
 母クイックリトルミスは重賞勝ちこそないものの、ハリウッドスターレットS(米G1・AW8.5f)で2着、オークリーフS(米G1・ダ8.5f)で3着などの成績を残した一流馬だった。母の父FreudはGiant's Causewayの全弟。クイックリトルミスの半妹にはこれも繁殖牝馬として日本に輸入されたスカイディーバ(08年フリゼットS-米G1)がいる。母方に入るStorm Cat、Unbridled、Mr.ProspectorとBlushing Goomの組み合わせは、いずれも父との相性が良好。ただ、全体的に見ると少々堅さは否めないので、全兄デコイは現在8戦1勝、芝ではなくダ1800mの未勝利戦を勝ち上がった。本馬は牝馬なので芝向きの柔らかさがあることを期待したい。ポテンシャルの高い血統なのでハマれば楽しみ。

グランセノーテ(牡 栗東・鮫島一歩 父ゴールドアリュール、母コーディーライン)
 4分の3兄レジアーネ(父ネオユニヴァース)は準OP馬、半兄コスタアレグレ(父シニスターミニスター)は現1000万下。「ゴールドアリュール×Miswaki」の組み合わせは、少ないサンプルから準OPまで出世したレギスが出ており、同馬はNureyev≒Sadler's Wells 3×3という4分の3同血クロスを持っていた。本馬の2代母は「Northern Dancer+Thatch」という配合構成なのでSadler's Wellsによく似ており(Sadler's Wellsの父はNorthern Dancer、2代母はThatchの全姉)、したがってレギスと本馬は配合構成がそっくり。ダート向きのマイラーとして堅実に活躍しそうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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