▲タガノジンガロを管理する新子雅司調教師
ダート競馬の祭典・JBCが今年も近づいてきた。JRAの強豪と地方競馬を代表する砂の猛者たちの戦い。地方代表の一頭としてJBCスプリントに参戦するタガノジンガロ(兵庫)を管理する新子雅司調教師に、かきつばた記念に続きダートグレード競走勝利にかける思いを直撃した。(取材・文・写真:大恵陽子)
待たれる主戦の復帰
「今朝、木村健騎手が乗って最終追い切りをしたんですが、すごく良かったんです!」
木曜日、新子雅司調教師の声は弾んだ。
JRAで4勝、2011年アンタレスSでは4着の実績があるタガノジンガロは、2014年春に兵庫へと移籍。兵庫初戦を完勝すると、移籍2戦目でかきつばた記念(JpnIII、名古屋ダ1400m)を勝利した。
タガノジンガロにとって重賞初制覇であり、兵庫所属馬のダートグレード競走制覇は2008年チャンストウライによる佐賀記念以来6年ぶりの快挙だった。園田競馬場にはファンから祝福の電話が掛かってくるほど盛り上がった。
以降も、ダートグレード競走で安定した走りを見せている。
「いま8歳なのに、移籍してきてレースを使う毎に力をつけていっているんです。パワフルなおじいちゃんって感じです」
▲園田での特別戦出走時
▲今年5月の兵庫大賞典優勝時
前々走・サマーチャンピオン(8月18日、JpnIII、佐賀ダ1400m)は、4日前に主戦の木村健騎手が激しい腰痛のため戦線離脱、急遽乗り替りとなったものの2着と力を見せた。
「負けはしましたが、強い競馬をしてくれたと思います。夏場はバテて水を飲まないんですが、新たに導入した水素水なら飲んでくれて、今年は少し耐えることができました」
続く東京盃(9月30日、JpnII、大井ダ1200m)、主戦の復帰をギリギリまで待ったが、代打で下原理騎手(兵庫)が手綱を握った。タガノジンガロにとって初めてのスプリント戦を前に新子師はこう展望を語った。