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スダチの分まで走れ!フロアクラフト

  • 2015年11月12日(木) 19時00分


 今週の東京競馬で奥多摩ステークスが行われます。昨年のこのレースでシゲルスダチは最後の直線で故障を発症。それが原因で安楽死となりました。

 今年、このレースにフロアクラフトが出走します。フロアクラフトはスダチが長いあいだ所属した西園厩舎の馬ですね。さらにいえば、後藤浩輝騎手の最後の勝利をともにしたのも彼女。そして、担当している渡辺助手はかつてシゲルスダチのパートナーでもありました。

フロアクラフトと渡辺助手の様子を伺いに西園厩舎にお邪魔しました。

「あれから1年ですか。早いですね」

 昨年の今ごろにこのコラムで書きましたが、わたしがスダチの一大事を知ったのは渡辺助手からいただいた連絡だったんですよね。テレビで奥多摩Sを見守っていたわたしは直線で勢いよく上がってこようとしたスダチが不自然に画面から見切れたことしかわからなかった。でも、渡辺さんから連絡をいただいて、すぐさま関東の伊藤正徳厩舎に近しい方に問い合わせてスダチの死を知ったのです。

 ほんと、みんなスダチが大好きでした。

ねぇさんのトレセン密着!

栗東から退厩する直前のシゲルスダチと渡辺助手


 5歳牝馬のフロアクラフトは本当に可愛らしい女子。馬房や鉄の扉をかじっていたやんちゃ坊主のスダチとは対極で、普段はおとなしいのです。いまはスダチが長く暮らした馬房におさまっています。

ねぇさんのトレセン密着!


「クラブの規定で現役は最長で来年の3月まで。それまでのあいだに勝ちたいですね」と渡辺助手。

 今週の追い切りでもすごく調子がよさそうでしたし、相手関係をみてもじゅうぶん期待できそうです。

 昨年のスダチの分まで、走りきって欲しいな。渡辺助手も「勝ちたいという気持ちはもちろんありますが、とにかく無事に完走してほしいです」としみじみ語ります。そして、「レースの前には東京競馬場の馬頭観音に手を合わせます」とも話していました。感慨深い。

 とにかく無事に。そして、無事現役生活を終えてお母さんになって欲しい。ほんと、そう思います。

 短い現役生活…。来年2月末日を持って松田博資調教師は定年を迎えます。そんな松田博師、今週のエリザベス女王杯をずいぶん前から楽しみにされていました。

「馬主の八木会長と挑む最後のGIなんだ」

 人と人とのつながりをとても大切にされる松田先生。もちろん、懇意にされている馬主さんはたくさんいらっしゃいます。タガノの冠名で知られる八木会長とのご縁もひじょうに大切にされていて、だからこそこの最後の機会を楽しみにされているようです。

 エリザベス女王杯へ駒を進めるべく、きっちり清水ステークスを勝ち上がって賞金を加算して挑む大一番。調教での動きもよかったですし、これは期待しちゃいますね。

 そして、黄菊賞に出走するアラバスター。前走、前々走はパッとしませんでしたが、ここにきてグンとよくなっていますよ。

ねぇさんのトレセン密着!


「以前より走るときにトモがしっかり入るようになってきた。かなりよくなってきていますよ」と担当の大當助手。やっと実が入ってきたんですね。変わり身、期待できますよ!

デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

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