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ホッカイドウ競馬開催終了

  • 2015年11月18日(水) 18時00分
最終日のパドック風景

最終日のパドック風景


単年度収支が3年連続で黒字になる見通しも課題が…

 今年度の道営ホッカイドウ競馬が、去る11月12日(木)をもって全日程を終了した。

 最終日は恒例の「第58回道営記念」が行なわれ、1番人気のグランプリブラッドが直線抜け出し、昨年の覇者ウルトラカイザー以下を4馬身引き離す圧勝であった。

 グランプリブラッドは牡6歳鹿毛で、今春より中央から道営に移籍し、転入後これで6戦3勝2着2回3着1回という成績となった。星雲賞、瑞穂賞に続いて大一番の道営記念をも制したことにより、来年以降の活躍が期待される。血統も素晴らしく、父ディープインパクト、母シルクプリマドンナ(その父ブライアンズタイム)は道営在籍馬の中では出色の名血と言える。中央では4歳時まで主として芝コースで戦い、5歳からダートに転じて頭角を現しオープン入りを果たしたものの、重賞路線では苦戦を強いられていた。

グランプリブラッド

グランプリブラッドが先頭で駆け抜けた道営記念のゴール前



 しかし、道営に転厩すると、さすがに役者の違いを見せつけ、一気にトップまで上り詰めた形である。生産はノーザンファーム。馬主は目黒忠法氏。服部茂史騎手が騎乗。田中淳司厩舎所属。

道営記念

道営記念のパドック


道営記念

服部茂史騎手のウイニングラン



 またこの最終日には、第1レースに1600m(内回りコース)の「第3回ブロッサムカップ」(重賞)が組まれる異例の編成となった。門別競馬場内回りコースには照明が設置されていないことから、1500mと1600mのレースは日没前に実施する必要があり、おそらく全国的にも例がなかったと思われる第1レースからの重賞実施に踏み切った。その結果この最終日は、重賞に始まり、重賞で締めくくるという稀有な一日となった。

 今年は春以来、内回りコース使用が日没前の時間帯に限定される制約がついて回る1年だったが、今シーズン終了後に新たに照明設備を新設し、来シーズンは外回りコース同様に夜間の使用が可能となるらしい。それと同時に、外回りコースに設けられている照明もより消費電力の少ないLEDに変換されるという。また、パドック照明も同様にLEDに変換されるそうなので、来春からは競馬場の雰囲気も少し変わるかも知れない。

道営記念

道営記念の口取り風景



 ところで、今年度は10月8日に台風接近により3レース以降を中止せざるを得ないアクシデントに見舞われたものの、全体としては比較的好天に恵まれ、最終日の12日も、良く晴れたまずまずの空模様であった。ただ、日が落ちるとともに気温は下がり、道営記念の発走時間を迎える頃には+2度か3度程度になっていた。北国の競馬はこうした気候の影響が大きく、ましてナイター開催、この11月中旬が開催の限界であろう。下旬になると、降雪やコース凍結も覚悟しなければならず、悪天候に見舞われた時には条件が極端に厳しくなる。

 なお、今年度は80日間の開催で前年比7.6%増の169億13万円を売り上げ、計画比でも13.5%の大幅な伸びを記録した。これで単年度収支が3年連続で黒字になる見通しである。

 しかし、169億円の内訳をみると、課題が浮き彫りになってくる。ネットや電話投票分が前年比11.4%増の120億4552万円で売り上げ全体の71%を占める。それに、他主催者に発売を委託している分の売り上げが25億6326万円でこちらも11.1%の伸びを記録した。これらを合わせると146億878万円になり、売り上げ全体の86.44%に達する。つまり、残り22億9135万円が本場を始め、道内各地に展開している場外施設での売り上げ分ということになるが、こちらは逆に前年比11.4%の減少であり、落ち込み方の顕著なことが気になる。

 ネットと電話投票の売り上げの中に道内在住ファンによる購買分がどの程度の割合になるのかは分からないが、今後の課題は、落ち込みが目立つ道内の売り上げをどうやって回復させるかであろう。

最終日のパドック風景

今後の課題は道内の売り上げをどうやって回復させるか(写真は最終日のパドック風景)



 また、入場人員は27万9982人、1日平均3500人とほぼ前年並みの数字を確保したが、これは各場外を合わせた数字であり、本場の入場人員は相変わらずひじょうに少ない。最終日の12日は1540人と賑わっていたものの、1000人を超えることは珍しく、通常の開催日は概ね400人台、500人台にとどまる。周辺人口の少ないことを考えればやむを得ないのだが、本場の売り上げとともに入場人員をいかに増やすかもまた大きな課題と言える。

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岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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