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「不完全燃焼や」悔しさ残るジャパンCを回顧

  • 2015年12月01日(火) 18時01分
小牧太

まだ興奮冷めやらぬなかではありますが、さっそくジャパンCを振り返ります


ジャパンCは残念ながら13着。やはり外枠が仇となり、狙ったポジションを取りに行けなかったそうです。「不完全燃焼や」と、悔しさを滲ませる小牧騎手。まだ興奮冷めやらぬなかではありますが、さっそくジャパンCを振り返ります。
(取材・文/不破由妃子)


たくさんの声援、ありがとう!

──楽しみにしていたジャパンCは13着。「こういう時に限って外枠を引きそうやなぁ」とおっしゃっていましたが、嫌な予感が的中してしまいましたね。7枠13番と聞いたときには、どう思われましたか?

小牧 やっぱりな…と思いつつ、ガックリきたね。しかも隣はゴールドシップ。嫌やなぁと(苦笑)。去年、天皇賞で5着にきたときも、結局2番枠から道中はラチ沿い。外を回っていたら、絶対にダメやなと思った。内枠を引いていたら、もっとドキドキしたんやろうけど、逆に落ち着いて臨めましたわ。

──天皇賞を回避するという一頓挫がありましたが、ヒットザターゲットの状態はいかがでしたか?

小牧 すごく良かったよ。回避を引きずることもなく、むしろ札幌記念のときより良かったんじゃないかな。でも、ここ2走に比べると、ちょっとイレ込んでたわ。馬場に入る前で珍しくチャカついて、道中もちょっと掛かったもんね。おそらく間隔が空いていたからでしょう。でも、それで不安になるというより、逆に「調子がいいんやな」と思った。動ける体なんやろうなと。

──では、スタートから振り返っていきたんですが、好スタートから積極的に内を取りにいきましたね。

小牧 ん〜、理想を言えば、もうひとつ前に入りたかった。スタートが良かったから、あれで内枠やったら、間違いなく中団に付けられた。

──道中は何度がゴチャつく場面。ヒットザターゲットに影響はありましたか?

小牧 いや、僕の馬は不利はなかったけどね。3コーナー手前からペースが一気にガクンと落ちて、馬群がギュッと固まって。どこを突こうか、ずっと迷ってましたわ。でも、外に出したら走らんし…。直線ではもう“あ〜あ”と思いながら。脚はあったからねぇ。不完全燃焼や。

小牧太

脚はあったからねぇ。不完全燃焼や。(写真はジャパンCでの返し馬 撮影:下野 雄規)



──あの日はみんな内にこだわってましたからね。

小牧 そうそう。でも、道中のペースももう少し速くなると思っていたし、直線もあんなにバラけんとは思わなかった。

──でも、着順ほど負けてませんよね。13着とはいえ、勝ち馬からの着差はわずかコンマ6秒ですから。

小牧 うん、やっぱりあそこまでくる力はあるんやな。残念やったけど、改めて走るなと。だからこそ悔しいんやけどね。

──パドックでは、相変わらず小牧さんへの声援が一番大きかったような(笑)。

小牧 自分でも思った(笑)。厩務員さんも「今日はどうしたんですか?」ってビックリしとったもん。そういえば、「太、頑張れ!」がいっぱい聞こえたよ。嬉しかったです。この場を借りて、ありがとう。

──次走については、何かお聞きになっていますか?

小牧 いや、何も聞いてないです。有馬記念、いくんかな? オーナーには、「また乗せてください」とお願いしたんやけどね。

──レースについて、オーナーとはどんなお話を?

小牧 まずは「すみませんでした」と謝りました。そうしたら、「ちょっと引っ掛かったんか?」って。「はい。直線は行くところがなかったですわ」と答えたんやけど。

──天皇賞を使えなかったことで、逆に馬には余力がありそうですからね。ぜひ有馬記念に出走してほしいです。

小牧 ホンマやねぇ。状態も次はもっといいはずやし。中山の芝2500mもいいと思うし、古馬路線は抜けた馬がいないというのが僕の評価やから。また枠順次第になってしまうと思うけど、十分おもしろいレースができると思うよ。使ってくれたらいいんやけどね。
小牧太

また枠順次第になってしまうと思うけど、十分おもしろいレースができると思うよ。使ってくれたらいいんやけどね

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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