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重賞級の活躍も期待できる良血エアエマイユ

  • 2015年12月23日(水) 12時00分
エアエマイユ(牝 栗東・池添学 父ジャングルポケット、母エアマグダラ)
 エアアンセム(父シンボリクリスエス/14年弥生賞-GII・4着)の半妹。母エアマグダラは9戦4勝の素質馬で、エアシェイディ(08年アメリカJCC-GII)、エアメサイア(05年秋華賞-GI、05年ローズS-GII)の全妹にあたる。2代母エアデジャヴーはクイーンS(GIII)の勝ち馬。「ジャングルポケット×サンデーサイレンス×ノーザンテースト」の組み合わせはジャガーメイル(10年天皇賞・春-GI)、ダイワファルコン(12、13年福島記念-GIII)と同じ。アイドリームドアドリームの牝系にジャングルポケット、という配合からはエアソミュール(14年毎日王冠-GII、14年鳴尾記念-GIII)が出ている。質の高い芝中距離配合なので重賞級の活躍も期待できる。

サトノジュノー(牝 美浦・的場均 父ダイワメジャー、母ティファニータッチ)
 サンライズメジャー(14年スワンS-GII・2着、15年マイラーズC-GII・2着)の全妹。母方にBlushing Groomを持つダイワメジャー産駒は、メジャーエンブレム(15年阪神ジュベナイルフィリーズ-GI)とコパノリチャード(14年高松宮記念-GIなど重賞4勝)の両GI馬を筆頭に、カハラビスティー(OP)、マテンロウハピネス(15年橘S-OP)、ロジチャリス(15年ラジオNIKKEI賞-GIII・4着)など多くの活躍馬が出ており、連対率23.9%、1走あたり240万円と抜群の成績。ダイワメジャー産駒全体の18.1%、160万円を大きく上回っている。全兄サンライズメジャーと同等の活躍を期待したい。

サンマリオン(牝 栗東・野中賢二 父キングカメハメハ、母サクセスビューティ)
 母サクセスビューティはフィリーズレビュー(GII)の勝ち馬で、繁殖牝馬としてもサクセスブロッケン(父シンボリクリスエス/09年フェブラリーS-GI、08年ジャパンダートダービー-Jpn1、09年東京大賞典-Jpn1)、サクセスオネスティ(父クロフネ/準OP)、サクセスグローリー(父シンボリクリスエス/現準OP)を送り出している。本馬はその半妹で父はキングカメハメハ。母方にDeputy Ministerを持つキングカメハメハ産駒といえば牝馬三冠馬アパパネ、本馬と同じ「キンカメ+サンデー+Deputy Minister」の配合構成からはミュゼスルタン(14年新潟2歳S-GIII)が出ている。母サクセスビューティは強いダート適性を伝えているので、おそらくダート向きのマイラーだろう。

ハンナ(牝 美浦・大江原哲 父ディープインパクト、母リップスポイズン)
 母リップスポイズンは独1000ギニー(独G2)優勝馬。現在はノーザンファームで繋養されている。父ディープインパクトはNorthern Dancerの濃い繁殖牝馬と相性がいいので、Northern Dancer 4・5×5・5・6の母は悪くない。一方で母はSadler's Wells≒Nureyev 3×4を持ち、母の父Mamoolはバーデン大賞(独G1・芝2400m)、オイロパ賞(独G1・芝2400m)の勝ち馬なので、素軽さという面では懸念が残るが、Woodman、Ashkalani、ロイヤルアカデミーなどスピードのある血がサポートしており、ギリギリ持ちこたえているという印象だ。底力や成長力に恵まれており、本領発揮は古馬になってからかもしれないが、芝中距離でいいところがありそうだ。

マエストロ(牡 栗東・野中賢二 父アドマイヤムーン、母オータムメロディー)
 モハメド殿下の所有馬。全兄ジョヴァンニはダート路線でOPクラスに出世し、半姉ピクシープリンセス(父ディープインパクト)はエリザベス女王杯(GI)3着馬、半兄ケルヴィンサイド(父コマンズ)はユニコーンS(GIII)7着という成績がある。母オータムメロディーは「Kingmambo×Sadler's Wells」なのでエルコンドルパサーと同じ組み合わせで、Nureyev≒Sadler's Wells 3×2という大胆な4分の3同血クロスを持っている。ヨーロッパ向きの重厚な繁殖牝馬だ。父アドマイヤムーンは芝向きの素軽さという点では非凡なものを持っており、こうした牝馬を料理するのは得意中の得意。母方にSadler's Wellsを持つアドマイヤムーン産駒にはレオアクティブ(11年京王杯2歳S-GII、12年京成杯オータムH-GIII)、セイクレットレーヴ(12年ニュージーランドT-GII・2着)、ムーンクレスト(15年きさらぎ賞-GIII・5着)などがいる。全兄はダート馬だが、配合的には芝でもやれる感触がある。芝・ダート兼用のマイラー。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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