1枠2番という絶好枠を引き当てた小牧騎手&ヒットザターゲットでしたが、結果は残念ながら13着。とはいえ今年1年、目黒記念優勝、札幌記念2着をはじめ、たくさんのドキドキワクワクを私たちに届けてくれました。今回の『太論』では、有馬記念翌日の小牧騎手を直撃。枠順の抽選会から有馬記念を振り返っていただきました。
(取材・文/不破由妃子)

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五郎丸ポーズでエネルギーを使い果たしてしまったわ(笑)。

──今年一年、本当にお疲れさまでした。有馬記念は残念ながら13着。さっそくですが、レースを振り返って。

小牧　ん〜、終わってみると、まぁ、しょうがないかな…って感じやね。スタートから出していって、いいところにつけたんやけど、3コーナーからちょっと遅れ出したからね。やっぱりヨーイドンの競馬になったから、それがあの馬にはアカンかったんやろうね。

──確かに一度手応えが悪くなりましたが、直線ではもう一度伸びるかというシーンがありました。

小牧　一瞬ね。でも直線ではもう手応えがなかったです。残念やけど。

──道中は小牧さんが思い描いた通りに運べたのでは？

小牧　そうやね。ラブリーデイを見ながら競馬ができたんでね。ポジション的は絶好やったし、馬の状態も良かった。ただやっぱり、道中ちょっと噛んでたね。それも最後に伸びなかった原因だと思う。

──前半1000m通過62秒5というスローペースでしたからね。

小牧　まぁ、ヒットザターゲットだけじゃなく、ほかの馬もみんな噛んでたからね。そういう意味では条件は一緒なんやけど。あの馬にしたらね、もうちょっとペースが流れて、プラプラで乗っていかんと終いで伸びへんのやろうね。

──レース以前に、枠順の抽選会がドキドキしました。1枠2番という絶好枠を引いたときは、思わずテレビを観ながらガッツポーズをしてしまいました(笑)。

小牧　なんか…僕も枠順で喜び過ぎたね(笑)。2番枠を引いた時点で、勝ったような気持ちになってしまったわ(笑)。舞い上がりすぎた。

──小牧さんが引くということは、あらかじめ決めていたんですか？

小牧　うん、決めてた。

──五郎丸ポーズが話題になっていましたが(笑)。

小牧　ああ、なんかしとかなアカンかなと思って。その場のノリでね。そこでエネルギーを使い果たしてしまったみたい(笑)。でも楽しかったよ。

──思えば、11年ぶりの有馬記念だったんですね。

小牧　あの雰囲気はやっぱりいいねぇ。応援団もようけきてくれて。内枠が当たった時点で、(馬券を)買ってくれてる人も多かったやろうけどねぇ。僕も走る前は夢見てましたわ。また乗りたいです。

──帰りの渋滞を心配されていましたが。

小牧　いや、混んでなかったわ。みんなサブちゃんの“祭り”が聴きたくて残ってたんちゃうかな？　結構スムーズに帰れました。夜は飯を食ったあと、品川プリンスで娘とボーリングをして(笑)。そのあと、品川プリンスのなかの映画館で、9時過ぎから吉永小百合さんの『母と暮らせば』を観て、さめざめと泣いてましたわ(笑)。いや〜、長い一日やったね。

──今はもう九州のご実家ですか？

小牧　そう。朝早くの飛行機で来てね。これから、母親と母親の友達と3人で温泉に行くところです。30日には帰って、大晦日には恒例行事で曾和先生のお宅にご挨拶に伺いますわ。

──今年1年を振り返って、54勝という数字についてはどんな思いがありますか？

小牧　成績はちょっと物足りんねぇ。最近はちょっと調子が良くなったけど、途中がね…。来年はもっと勝ちたいです。それ以前に、いい馬に巡り合いたい。それでチャンスをつかみたいね。

──ちなみに、2015年の1番人気連対率(30回以上、1番人気に騎乗した騎手が対象)では、小牧さんが70％以上をマークして圧倒的な1位でしたよ。

小牧　うそ!?　ホンマに？ まぁ1番人気に乗ってる回数が少ないからちゃう(笑)？　でもうれしいね。来年に向けて励みになりますわ。

──年が明けると、橋口先生の引退までカウントダウンが始まります。残り2か月、思うところはありますか？

小牧　そうかぁ。あと2カ月か。時間が過ぎるのは早いねぇ。橋口先生がいたから今の僕があるのは間違いない。レースに乗る乗らんは別として、少しでも恩返しができるよう、精一杯お手伝いしたいね。



【次回の太論は!?】
　年明け一発目の『太論』は、11月末に行われたイベントの第一部『太論・公開収録』のレポートです。当日、会場にお越しいただいたファンからの質問に答えるかたちで、小牧騎手がいつも以上のギリギリトークを展開します！