今週末いよいよ解散の時を迎える橋口厩舎について、現在の心境を語ってくれました
今回は、1月中旬以降のレース回顧です。その間、5勝をマークしている小牧騎手ですが、なんといっても強烈だったのは、3歳新馬のビップライブリー! あの豪快な直線一気を振り返るとともに、今週末いよいよ解散の時を迎える橋口厩舎について、現在の心境を語ってくれました。
(取材・文/不破由妃子)
勝っても負けても絶対に泣いてしまう…
──今回は、直近のレース回顧から。現時点では(2月18日)、順調に勝ち星を積み重ねていますね。
小牧 1週だけ勝てん週があったけど、まずまず順調やね。最近で一番印象に残っているのは、この前の新馬(2月14日・京都6R・ビップライブリー)。久しぶりに気持ちがよかったわ。
──普通なら届かないという位置からグイグイきましたね。
小牧 そうそう。スタートで出遅れて、道中も全然ハミが掛からなくて、ちょっとあきらめかけていたんだけどね。4コーナーで泥を被らないように外に持ち出したら、急に伸び出して。
──道中で小牧さんの手が動いていたので、馬場も馬場でしたし、手応えがもうひとつなのかなと。
小牧 道中は息遣いもひと息で、走るのを止めたいんかなと思ったんやけど、4コーナーでパンパン! と叩いたら、急にエンジンが掛かったんですわ。前とはかなり離れていたけど、その時点でもう届くと思った。なんせほかの馬が止まって見えたから。
──前が止まって見えるくらいの勢いだったということですね。
小牧 うん。ほかの馬とは全然スピードが違っていたからね。本当に気持ちよかったわ。
──調教には騎乗されていませんが、厩舎サイドからは事前にどんなお話が?
小牧 厩舎のスタッフからは「追い切りはしっかり動いてるよ」としか聞いてなかったけど、ダノンヨーヨーの下で血統がいいのはわかってた。ちょっとうるさいところがあるみたいなんやけど、当日は問題なかったし。
──この前は不良馬場でしたが、良馬場でもし同じ脚が使えたら…
小牧 ねぇ。すごいよね。まぁ、走るには走るやろうけど、スタートもまだ下手やし、今後は良馬場でどれだけの脚を使えるか…。それはやってみんことにはわからんけどね。あの日はなんせ馬場がすごく悪かったから。むちゃくちゃの馬場でしたわ。
──「馬場に脚を取られないように追いました」とコメントされていましたね。
小牧 そんなこと言うたかな?
──あれ(笑)? なにか秘訣があるのかなと思ったんですが。
小牧 馬場が悪いときはしっかりハミを噛ませて、それを受けながら追うというかね。道中も直線も、ハミに頼らせて走らせようとは思ってますわ。ああいう馬場で、ただ普通に走らせていたら、頼るところがないからフォームがバラバラになってしまうんでね。
──なるほど。いずれにしても、楽しみな1頭が現れましたね。
小牧 本当に楽しみやね。そういえば、馬主さん(鈴木邦英氏)からわざわざお電話をいただきました。「あまりにも衝撃的な勝ち方だったから、うれしくて」って。その日はどうしても競馬場に来られなかったらしくてね。直々にお電話をいただいて、僕もうれしかったです。
──それ以外で印象に残ったレースはありますか?
小牧 ナムラアン(2月13日・京都10R・飛鳥S1着)は、変な乗り方をしてしまったわ。戒告をもらったんやけど、無理やり2番手の隙間に入って、川田くんの邪魔をしてしまった。本当はね、内で辛抱せなアカン位置取りだったんやけど、ちょっと頭を上げて引っ掛かり出して、間隔がないのに突っ込んでいく形になってしまって。
──行かざるを得ない状況になってしまったと。
小牧 うん。もう持ち切れんかった。あれは僕がダメですわ。馬を上手にコントロールできんかった。ああいう乗り方をしたら、勝ってもなんか素直に喜べんね。気を付けんと!
──さて、いよいよ橋口厩舎が最後の週を迎えますね。
小牧 そういえば、ミッキーラブソング(阪急杯)入りそうやわ。最終レースも僕やし。今週橋口厩舎は阪神で5頭使い、5頭とも僕が乗るんですわ。たぶん最終レースが終わったら、ボロボロ泣いてると思うで。勝っても負けても、絶対に泣いてしまうと思う。もしゴーグルを取らんかったら、「あ、あいつ、泣いてるわ」と思っとって(笑)。
──じゃあ、知り合いのカメラマンに狙ってもらいましょうかねぇ。
小牧 やばいわ(笑)。どれかひとつでも勝てたら最高やなぁ。ミッキーラブソングも条件や状態はいいんやけど、ミッキーアイルやらダノンシャークやら、相手が強いねぇ。なんせ橋口厩舎は今年まだ未勝利やから、なんとか勝てるように頑張りますわ。応援してください!
やばいわ(笑)。どれかひとつでも勝てたら最高やなぁ