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ディープブリランテの初年度産駒が登場、エメラルドザオー

  • 2016年02月24日(水) 12時00分
【2歳】
エメラルドザオー(牝 美浦・成島英春 父ディープブリランテ、母エスペラーダ)
 父ディープブリランテは新種牡馬。現役時代は引っ掛かり癖を克服して日本ダービー(GI)を制したほか、道悪の東京スポーツ杯2歳S(GIII)を勝ち、皐月賞(GI)ではゴールドシップの3着となった。500kg前後の馬体はディープインパクト産駒としては大きく、産駒も総じてサイズが大きい。父の最大の長所である中距離向きのスピード&瞬発力を産駒に伝えることができれば楽しみだ。初年度の血統登録頭数は123頭。新種牡馬のなかではルーラーシップ(131頭)に次ぐ頭数なので期待できそうだ。母エスペラーダは未勝利馬だが、半弟にエイシンオスマン(11年ニュージーランドT-GII)がいるように質は悪くなく、Mr.Prospector 2×4、Halo 4×4、Northern Dancer 4×5・5という絵に描いたような父母相似配合となっているので繁殖牝馬として面白味がある。父は重厚なところがあるので、母にMr.Prospectorの強いクロスを持ち、自身がHaloを継続する配合は好ましい。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

サイゴノホマレ(牡 美浦・小桧山悟 父トーセンホマレボシ、母エリモファイナル)
 父トーセンホマレボシは新種牡馬。現役時代は先行力を活かして京都新聞杯(GII)をJRAレコードで快勝し、日本ダービー(GI)でも3着と粘った。残念ながら屈腱炎を発症し、このレースを最後に引退した。半兄に天皇賞・秋をJRAレコードで勝ったトーセンジョーダン(父ジャングルポケット)がいる良血で、父は不動のリーディングサイアーのディープインパクト。近親にカンパニー、レニングラード、トーセンスターダムなど多くの活躍馬がいる。馬産地における産駒の評判は上々だ。母エリモファイナルはチューリップ賞(GIII)5着馬。2代母エリモセントラルは京都金杯(GIII)2着馬。近い世代にサンデーサイレンスとノーザンテーストを併せ持つトーセンホマレボシが父、Sadler's Wells系のオペラハウスが母の父なので、昨年の2歳女王メジャーエンブレムと配合構成がよく似ている。スピードと底力がうまく伝わっていれば楽しみ。

【3歳】
アップスタイル(牝 栗東・平田修 父ハービンジャー、母マチカネハツシマダ)
 半兄にダークシャドウ(父ダンスインザダーク/11年毎日王冠-GII、11年エプソムC-GIII)、チョイワルグランパ(父マンハッタンカフェ/10年シリウスS-GIII・3着)、ナリタポセイドン(父ハーツクライ/OP)、ユノナゲット(父フォーティナイナー/OP)、ダノンブライアン(父ブライアンズタイム/準OP)、アールプロセス(父ネオユニヴァース/現準OP)などがいる。母マチカネハツシマダは、名種牡馬Green Desertの全妹を母に持つ良血で、本馬はマチカネハツシマダが18歳時の産駒だが、何を付けてもそこそこ走ってしまう優秀な繁殖牝馬なので期待したい。芝向きの中距離タイプ。

カムホームラッシー(牝 美浦・栗田博憲 父Lawman、母Green Lassy)
 父LawmanはGreen Desert系の名種牡馬Invincible Spiritの代表産駒の1頭で、現役時代に仏ダービー(仏G1)を制した。これまでにMost Improved(12年セントジェームズパレスS-英G1)、Just the Judge(13年愛1000ギニー-G1)などを出している。母Green Lassyは現役時代、仏愛で5戦2勝。産駒にスイスダービーを勝ったGreen Fees(父Clodovil)がいる。本馬はKris 4×4、Mr.Prospector 4×4、Shirley Heights 4×4、Nijinsky 5×4という父母相似配合。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

トウカイペアーナ(牝 栗東・野中賢二 父アドマイヤムーン、母トウカイオスカー)
 母は「トウカイテイオー×リアルシャダイ」という組み合わせ。これはトウカイポイント(02年マイルCS-GI、02年中山記念-GII)、チタニックオー(00年皐月賞-GI・3着)、トウカイオスカー(OP)、トウカイアロー(準OP)などコンスタントに活躍馬を送り出し、地味な組み合わせながらまずまずの実績を残した。本馬の母は前出のトウカイオスカー。潜在的には豊かなスタミナを秘めていると思われる。こうした牝馬と父アドマイヤムーンは相性がいい。芝向きのマイラーだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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