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ストレイトガールの強さの秘訣を田中博司助手にお聞きしてきました!

  • 2016年05月31日(火) 18時00分
競馬の職人

ストレイトガール担当の田中博司助手と



田中助手「熟女のいい馬体をしているのが魅力的なので応援してください(笑)」

 超ハイレベルの3歳馬6913頭の頂点に立ったのはダービー初制覇の友道調教師、そして川田騎手と強い強い走りを見せたマカヒキ号「おめでとうございます」。

 その上にクラシックレース完全制覇という大仕事をした川田騎手に拍手を贈ります。皐月賞1着から5着の馬が着順を入れ替えて全馬上位入線し、見ごたえがあり手に汗握るレースでした。川田騎手の冷静な判断がピカイチだったと思います。

 僕は、京都競馬場での応援でしたが、東京競馬場で生で見られた方の興奮度は最高潮だったでしょうね。5強対決見たかったなー! 秋の対決は菊花賞なのか、凱旋門賞か、それともジャパンCや有馬記念になるのか。視野が広がり面白くなってきましたね。ずっと記憶にとどめておきたい5強です。

 ふと、豊騎手のアドマイヤベガのダービー制覇、和田騎手のテイエムオペラオーの皐月賞、渡辺調教師のナリタトップロードの菊花賞を思い出しました。この時は1冠ずつでしたよね。

 松田大作騎手は400勝、熊沢騎手は1000勝という素晴らしい記録達成です。

 熊沢騎手のお祝いに京都競馬場にいた騎手が駆けつけ、僕がプラカードを持たせていただきました。熊沢騎手に「僕が持ってもいいですか?」とお聞きすると「しっかり持ってや」と…こんな大きなタイトルを持つことができ光栄です。JRA通算1000勝の記録は史上30人目、現役13人目で、うち障害競走は208勝されています。「まだまだ頑張ります」とパワフルです。くまちゃん(愛称)はとってもカッコイイ先輩騎手です。

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熊沢騎手1000勝達成のプラカードを僕が持たせていただきました



『武豊展=名馬とともに30年=』が京都伊勢丹内にある美術館「えき」KYOTOで開催中。今日(30日)見に行ってきました。オグリキャップから始まり数々の名馬に騎乗した記録の偉大さを物語っていました。

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京都伊勢丹内にある美術館「えき」KYOTOに『武豊展=名馬とともに30年=』を見に行ってきました



 豊騎手の競馬学校時代の写真で幸四郎騎手がそばで撮影されているのが何とも言えない「お兄ちゃん」という感じで印象的でした。結婚式の写真もありましたよ。記憶に残った名言「雑音を消すにはレースに勝つこと」雑音を歓声に変える。ここに感動でした! 6月12日まで開催しています。是非見に行ってください。

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 ヴィクトリアマイルを連覇したストレイトガールにも感動しましたよね。藤原調教師に「おめでとうございます。取材お願いします」と声をかけると「ありがとう。ガールのことは僕より担当のほうがよく知ってるから田中君に聞いたらいいよ」と言われました。放牧に出たストレイトガールには会えなかったんですが、担当の田中博司助手に強さの秘訣をたっぷりお聞きしてきました。

常石 言葉で言い表せないくらい強かったですね。連覇も素晴らしいです。「おめでとうございます」

田中 ありがとうございます。去年は「届くかな?」とドキドキして見ていましたが、今年はレース中盤くらいで行けると思った。昨年より強かったと思う。ガールの強さに驚かされていますよ(笑)

常石 レースの時、最後の追い込みでしっかり伸びてくれるんですね。すごい力です。昨年より強いレースをしたなって僕も感じましたね。強いというかすごいパワーのあるレースぶりでしたもんね。あれを見たとき鳥肌立つほどでしたよ。すごい、すごいって連呼してました。

田中 ありがとうございます。どんだけ強いレースするんやーと思いましたね。

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田中助手が「昨年より強かった」と語るストレイトガール(写真はヴィクトリアマイルのゴール後、撮影:下野 雄規)



常石 女帝ですね(笑)まだまだ成長しているようですね。レース後のガールの表情は、どうだったですか?

田中 さすがにちょっと疲れた感じで飼い葉食いがちょっと悪かったけど、ベテランなので自分で体を休めて調整している、メリハリをはっきりつけられるところがガールのいいところなんですよね。だからきっちり走り力を出すことができるんだと思う。騎手は「ステッキが要らないくらいだけどGIだから何が起こるかわからないのでとりあえず持ってる」と言ってました。

常石 レースのノウハウがきっちりわかるべテランのお姉さんって感じですね。頼もしいですね。

田中 ヴィクトリアマイルを目標にきっちり最高の仕上げをやった。これで負けたらそろそろ年齢を考えなあかんかなーと思っていた。7歳でGI3勝目を挙げるってまだまだ若い仔の見本になってる感じがするかな?3歳のころはまだまだうるさいところがあったし輸送も苦手だったが、年を重ねると環境の変化に対応する力がしっかりついて、いい大人の女性になってきましたね。魅力ありますよ。

常石 いい大人の女性にほれ込んでしまいそうですね。魅力もありますよね。

田中 そうだね。京都競馬場へ行くにもごねていたんだよ。今は何があっても動じない。だから全力で走り切ることができる。レースでは苦しいところがないんですよね。

常石 まだまだ走ってくれそうですね。

田中 自分でしっかりコントロールができて、馬体も完成されいい体格をしているが、気持ちの面でどう変化してくるかだと思う。レース後は放牧に出ているのでゆっくりリフレッシュして帰ってきてほしい。3歳からずっと同じ牧場に行ってるので、担当の方もガールの癖など分かってくれているから、ガールが落ち着くし僕らも安心です。まだどのレースに出すかは決まっていませんがオーナーと先生とで相談し秋に備えます。

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トレセンでのストレイトガールと田中助手



常石 ガールの魅力はどんなところですか?

田中 気の強いところかな?だから自分をしっかり持てるんだろうな。かかあ天下ってとこかな?(笑)

常石 確かに(爆笑) それは強いですね。だから安心できるんですよね。ウチのおかんみたいですよ(爆笑)

田中 意思疎通がしっかりできるから何を求めているかわかるし、高い身体能力も持っている。飼い葉もしっかり食べるので顎が発達して強いんです。

常石 ストレイトガールに求めるものはありますか? 一時期引退説も出ましたよね。

田中 牝馬はレース後に大役があるので元気なうちに引退し次の時代にいい仔を送り出してもらうのも選択肢の一つなんですが、まだまだ走る力と馬体にパワーを感じています。7歳にしてGI3勝目を挙げる馬ですがとっても落ち着いて風格を持っている。賢い馬ですよ。後はこのまま無事にいってほしいと思う。

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レース後に戻ってくるストレイトガールと田中助手



常石 レースもですが無事に送り出すことも大事な仕事で、それができるのが一番うれしいですよね。最後にファンの方へメッセージをお願いします。

田中 とっても賢くて素直で、熟女のいい馬体をしているのが魅力的なので応援してください(笑)

常石 記録を伸ばしてほしいですよね。熟女に惚れ期待がドンドン膨らみます…って惚れたらあかんでー(笑)ありがとうございました。

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 藤原厩舎のスタッフの仕上げ力にすごいパワーを感じました。田中助手が馬と関わる様子が我が子のように、彼女のように愛情をたっぷり注いでいたのが印象的でした。ストレイトガールの挑戦を応援しましょう。

つねかつこと常石勝義でした。

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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