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スプリントの血が重要な安田記念

  • 2016年06月01日(水) 18時00分


◆安田記念はダービーよりもさらに「スプリント指向」を強めた血統馬に合うレース


 今年のダービーの勝ち馬マカヒキ、サトノダイヤモンドに共通するのはディープインパクト産駒であること。さらに、2頭とも母系には南米のスピード血統「サザンヘイロー」が。育成はノーザンファーム。

 JRAのダービーは「直線で末脚を伸ばす」能力を持った血統馬の中で、「流れに乗る操縦性」と「末脚のスピード」が強化された馬が勝利に近い種目。古くから「スタミナ血統」と呼ばるような血統を積みすぎる馬は、今時のダービーに適さないのでしょう。

 ダービーと同じ東京コース、馬場も近い安田記念も、直線で「末脚」を発揮できる能力は重要。ダービーよりも距離は短いのですから、さらに「スプリント指向」を強めた血統馬に合うレースです。

 安田記念を2桁人気で2回馬券に絡んだグランプリボスは父がサクラバクシンオー。母父も前向きなスプリンター血統では厳しいでしょうが、母父は末脚を引き出すサンデーサイレンス。ダービーではさすがに距離が長い血統。

 これが父サンデー系で母父がバクシンオーなら今の日本の芝中長距離、特に高速馬場には合っている血統なんですが…キタサンブラックがまさにその配合でした。キタサンブラックの父と母の配置を取り替えたような血統馬が安田記念にはちょうどピッタリになります。

 父がサンデー系なら。「よりスプリント適性の高い血」1600m以下の方が産駒の勝ち星、賞金シェアが多い種牡馬の方が東京の高速マイルには適しています。同コースのヴィクトリアマイルを連覇したストレイトガールの父はフジキセキ。マイル以下の方が勝ち星と賞金を稼ぐ種牡馬。

 安田記念も同種牡馬の産駒、イスラボニータが出走。2年前のダービーでは惜しくも2着。ダービーは東京コース適性と絶対的なスピード能力で2着に走ったはず。この予想が合っていれば、東京マイルの安田記念の方がダービー以上に走るでしょう。

 今年のダービーはディープの母系に「サザンヘイロー」が脚光を浴びましたが、元祖? ディープの黄金配合といえば母系にストームキャットを持つ馬。ダービー馬キズナも同配合。

 ディープ×ストームキャットの配合は4歳以降、2000m以上の勝ち星が激減する特徴も。3歳までの同配合は芝2000m以上で19勝。2400m以上は5勝。しかし、4歳以降の同配合は、芝2000m以上で6勝。2400m以上は2勝。

 血統的傾向からは、ダービーの黄金配合で結果を出した馬は古馬になると、2100m以上よりも2000m以下の方にシフトしやすい。となると、リアルスティールの安田記念挑戦も買いとなります。サトノアラジンも同配合ですが、パワーの強化に連れて距離適性も短めに振れる傾向はあるだけに、すでに1400以下にシフトしてる可能性も。

 ダービーの好走血統も大分パターン化されてきた印象はありますが、血統の傾向通りだと古馬の中長距離路線のレベルが下がり、安田記念に昔のダービー上位入線馬がズラリと顔を並べる…なんて週末の予想も当たらないのに、将来を憂うのは余計なお世話ですね。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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