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日本ダービーを振り返って

  • 2016年06月02日(木) 19時15分


 また、今年もダービーが終わりました。毎年のことながら、ダービーが終わると1年の区切りを迎えた気持ちになりますね。毎度のことながら、すっかり脱力していますよ。。

 年末年始も確かに区切りなのですが、有馬記念のあとに東京大賞典もあるし、曜日の構成具合によってはすぐに金杯がやってくるし。正直、競馬的にはあまり区切りという感触がないのです。ほんと、ダービーは特別なのです。

 個人的な話なのですが。よりによって、このタイミングにカメラやらパソコンやら。電化製品の調子がいっせいに壊れたので、思い切って買い換えてダービー取材に挑みました。新しいカメラを持参して挑んだダービー前日、偶然にも藤田菜七子騎手が勝ったので思わずパチリ。この写真が、新しいカメラの最初のモデルになりました。暗い場所でも明るく撮れてよかったです。

東京競馬場にて カメラを買い換えて最初に撮ったのはナナコ騎手でした


 その後、東京競馬場に到着した関西馬たちの取材のために出張厩舎へ移動。通常なら馬運車は早朝と少し遅めの二便があるのですが、サミットの影響で朝一番の便に絞られての輸送でした。そのため、正午にはほとんどの馬たちが東京競馬場に到着するという異例のダービーになりました。時々、渋滞に巻き込まれるなどで余計なところで体力を消耗する馬もいますから…。やはり、とにかく無事にという気持ちで馬運車を待ちました。

 それぞれ、いろんな組み合わせで運ばれてくるのですが。マカヒキはイモータルと同じ馬運車でやってきました。馬運車から降りてくる様子を撮影しようとカメラを構えていたのですが、顔を出した瞬間にしっかりカメラ目線をおくってくるなど、本当にマカヒキくんは常にカメラを意識していますね。天然なんでしょうが、ほんとうにカメラが大好き。この写真はマカヒキが降りてくる瞬間をとらえようと撮影し始めた最初のショットなのですが、しっかりこっち向いていますもんね。さすがです。

馬運車から降りるとすぐカメラを見つけたマカヒキ


 そのほか、どの馬も競馬場到着後は30分から1時間くらい、しっかり運動してから休みます。人間もそうですが、車中では長らく同じ体勢を強いられますから、少し運動したほうがいいのでしょう。サトノダイヤモンド、リオンディーズ、ヴァンキッシュランらも皆、ゆったりと木陰を歩きながら体をほぐしていましたよ。運動後、角居2頭の様子を見に行きましたが、この2頭は馬房ではほんとおとなしいんです。写真はヴァンキッシュランですが、ほんと可愛らしい。ゆったりと明日に備えていました。

ダービー前日のヴァンキッシュラン


 そして、日本ダービー本番。マカヒキの実力はもちろんですが、たくさんの過程が順調に進むことの大切さを思い知らされました。レース後、サトノダイヤモンドはトモを片方落鉄してましたしね。サトノダイヤモンドは3本鉄芯蹄鉄という落鉄しにくい蹄鉄をはいています。それでも、外れちゃうんですから…。こればかりは運がなかったとしか言えません。外れなかったほうの蹄の上に切り傷のようなものがありました。おそらく激戦の最中に落ちた鉄で引っ掛けたのか、ほかの馬に絡まれたのか…。事実はわかりませんが、とにかくその傷がレースの激しさを物語っていました。

レース後のサトノダイヤモンド


 それでも、敗れた陣営の皆さんが優勝した関係者の方々に「悔しい!」と言いながらも「おめでとう」と祝福の握手を求めていました。それだけマカヒキも強かったし、レースのアヤも含めて競馬ですもんね。そして、その翌日からまた来年のダービーを見据えての戦いが始まったわけです。この世界にいると、一年てホントはやい。そして、いつもこの光景を間近で見せていただいている関係者の皆さまに深く御礼申し上げます。

レース後のマカヒキ

デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

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