スマートフォン版へ

コディーノ、チェッキーノの4分の3弟ラボーナ

  • 2016年06月08日(水) 12時00分
マイティドリーム(牡 栗東・梅田智之 父ディープインパクト、母ラグジャリー)
 4分の3兄ショウナンマイティ(父マンハッタンカフェ)の重賞タイトルは大阪杯(GII)のみだが、安田記念(GI)で2、3着、宝塚記念(GI)3着など、大舞台でも僅差の勝負に持ち込んでおり、その豪快な差し脚と相まって高い潜在能力を感じさせる馬だった。母ラグジャリーは「Storm Cat+Affirmed」という配合構成で、これはゴスホークケンの父Bernstein、アユサンの母バイザキャットと同じ。“サンデーサイレンス、Storm Cat、Affirmed”のトライアングルを持つ馬は意外なほど走っており、ショウナンマイティとアユサンのほか、アルキメデス、エンリル、アストロロジーなどがいる。本馬の父はディープインパクトなのでアユサンとよく似た配合構成。「ディープインパクト×Storm Cat」は定番のニックスでもあり、気性面に問題がなければ重賞戦線での活躍が期待できる。

クイーンズスタイル(牝 美浦・池上昌和 父キングカメハメハ、母バイタルスタイル)
 4分の3同血(父が同じで母が親子)のソルレヴァンテは弥生賞(GII)で4着と健闘した。母バイタルスタイルは中山牝馬S(GIII)の5着馬。「キングカメハメハ×スペシャルウィーク」はタガノグランパ(ファルコンS)、クラリティシチー(ダービー卿CT-2着)、クリノヒマラヤオー(OP)などが出ている。この3頭は、残り4分の1の部分にMr.Prospectorかラストタイクーンの相似血脈(Northern Dancer+Nasrullah+Princequillo)が入る。本馬の3代母の父Storm Catは後者で、つまりラストタイクーン≒Storm Cat 3×4となる。母方にStorm Catを持つキングカメハメハ産駒といえば短距離王ロードカナロアがいるように信頼性の高い配合パターンで、「キンカメ×サンデー×トニービン」のドゥラメンテとも似ている。芝中距離で先行力を活かして活躍しそうだ。

レイデオロ(牡 美浦・藤沢和雄 父キングカメハメハ、母ラドラーダ)
 マーガレットS(OP)を勝ったティソーナ(父ダイワメジャー)の半弟。祖母レディブロンドは名馬ディープインパクトの半姉で、現役時代は6戦5勝。スプリンターズS(GI)で4着という成績がある。競走能力をともなった超良血馬だけあって繁殖成績も良好で、ゴルトブリッツ(12年帝王賞-JpnI、11、12年アンタレスS-GIII、11年マーキュリーC-JpnIII)、ラドラーダ(10年阪神牝馬S-GII・6着)を産んでいる。わずか5頭を残して早世したのは惜しまれる。本馬はラドラーダの息子。レディブロンド牝系の威力か、ラドラーダは初子からOP馬を出して繁殖牝馬としての高い能力を証明した。「キンカメ×シンボリクリスエス」でMr.Prospectorクロス、という配合構成なのでパワーが感じられるが、母も兄も芝で活躍したので芝でもやれるはず。距離はマイルから中距離がベスト。

クライムメジャー(牡 栗東・池江泰寿 父ダイワメジャー、母クライウィズジョイ)
 サトノノブレス(父ディープインパクト/14年日経新春杯-GIIなど重賞4勝)やヒカルオオゾラ(父マンハッタンカフェ/09年関屋記念-GIII・2着、09年エプソムC-GIII・2着)の4分の3弟。「ダイワメジャー×トニービン」という組み合わせからはコパノリチャード(14年高松宮記念-GI)が、オールドスタッフ牝系にダイワメジャーという配合からはエクセラントカーヴ(13年京成杯オータムH-GIII)が出ている。オールドスタッフの父Irish Riverとダイワメジャーは基本的に相性が良好だ。母クライウィズジョイは手堅いスピードを伝えるので、この配合なら高確率で走ってくるはず。芝1400〜1800mあたりがベスト。

ラボーナ(牡 美浦・藤沢和雄 父ルーラーシップ、母ハッピーパス)
 母ハッピーパスは京都牝馬S(GIII)の勝ち馬で、シンコウラブリイ(93年マイルCS-GIなど重賞6勝)の半妹にあたる良血。04年に引退後、繁殖生活に入ったが、妊娠しにくい体質でしばらく子宝に恵まれなかった。そして、スタッフの努力が実ってようやく授かったのが08年に誕生したラヴェルソナタ(父ファルブラヴ/4勝)。以降、7年連続で出産し、現時点でデビューした6頭はすべて3勝以上を挙げ、コディーノ(父キングカメハメハ/12年札幌2歳S-GIII、12年東京スポーツ杯2歳S-GIII)、チェッキーノ(父キングカメハメハ/16年フローラS-GII、16年オークス-GI・2着)などの大物も送り出している。繁殖牝馬としてのハッピーパスの能力はきわめて高い。本馬の父ルーラーシップはキングカメハメハの息子なので、コディーノ、チェッキーノとは4分の3同血の関係となる。高確率で走ってくるだろう。芝向きの中距離タイプ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング