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ダート出身新種牡馬の活躍

  • 2016年08月12日(金) 18時00分


◆全国の2歳重賞戦線での活躍にも期待

 ホッカイドウ競馬は、先週(4日)行われた2歳馬によるブリーダーズゴールドジュニアC、そして今週の牝馬JpnIII、ブリーダーズゴールドCがシーズンの折り返し点。早いもので、残すところあと3カ月となった。この開催からアタックチャレンジへの出走資格も厳しいものとなり、2歳馬の活躍の場も徐々に狭き門となってくる。

 ブリーダーズゴールドCの日には、2歳牝馬限定の最初の重賞フルールCも行われ、勝ったのはピンクドッグウッド。サウスヴィグラスの産駒で、生産はグランド牧場(馬主は尾崎智大氏)……といえば、昨年、エーデルワイス賞と北海道2歳優駿の両JpnIIIを制したタイニーダンサーと同じ(こちらは馬主もグランド牧場)。そのタイニーダンサーは、3歳ながらブリーダーズゴールドCでアムールブリエの2着と好走を見せた。父サウスヴィグラス、グランド牧場の産駒は今年も快進撃を続けている。

 サウスヴィグラス産駒は、地方全体のサイアーランキングでも、地方2歳のサイアーランキングでも、今年もトップを独走している。ちなみに8月11月現在の地方2歳のサイアーランキング・トップ10は、次のとおり。

 1位サウスヴィグラス
 2位パイロ
 3位カジノドライヴ
 4位タイムパラドックス
 5位スマートファルコン
 6位フリオーソ
 7位ロージズインメイ
 8位カネヒキリ
 9位トランセンド
 10位スターリングローズ

 パイロ、ロージズインメイ以外の8頭は、いずれも日本でデビューし、ダートのGI(JpnIも含む)を勝った馬たち。時代が変わったと思うのは、かつてであれば日本のダートでよほど活躍した馬でも、種牡馬として活躍するのは難しかったのが、今の地方競馬では日本のダートで活躍した馬が、種牡馬としてこれほど活躍しているということ。

 そうした中で今年目立っているのが、新種牡馬の活躍だ。上記、地方2歳サイアーランキングの中で、スマートファルコン、フリオーソ、トランセンドと新種牡馬3頭がトップ10に入っている。あらためて説明するまでもないが、3頭ともがダートのGIを複数勝ったチャンピオン級の馬たちだ。

 実は今年の2歳馬がデビューする前の3月25日付、『フリオーソ産駒、始動』と題した本コラムで、新種牡馬への期待として、フリオーソとスマートファルコンを取り上げた。たしかにその2頭は産駒数が多いとはいえ、地方の新種牡馬ランキングでトップ2になっているとは驚いた。

 ちなみに中央の2歳戦では、ここまでダート戦は新馬・未勝利合わせて12戦が行われたのみだが、その中でも7月31日札幌ダートの新馬戦で、スマートファルコン産駒のビーチマリカが勝っている。

 スマートファルコンは、地方で8頭が勝利を挙げ、そのうち門別のJRA認定フレッシュチャレンジを勝ったラブミーファルコンは、先日の重賞・フルールCでも2着に入った。

 フリオーソ産駒でここまで勝利を挙げたのは6頭だが、門別のJRA認定競走勝ちが2頭、南関東で勝利を挙げた馬が2頭と、地方競馬の中では賞金の高いところで勝っていることで、ランキングを押し上げている。

 今年2歳重賞はまだ門別でしか行われていないが、これから全国で続々と始まる2歳重賞戦線での活躍にも期待したい。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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