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グルヴェイグの初仔・ヴァナヘイムがデビュー!

  • 2016年08月22日(月) 18時00分


【栗東】
◆ヴァナヘイム(牡、父キングカメハメハ、母グルヴェイグ、栗東・角居勝彦厩舎)


 母は同厩舎で管理され、2012年マーメイドSを制覇。本馬はその初仔となるが、母系には昨年の二冠馬ドゥラメンテや2012年クイーンエリザベス2世カップを優勝したルーラーシップなどが名を連ねる良血。

 6月10日にゲート試験に合格した後、一旦放牧に出されて、8月5日にノーザンファームしがらきから栗東へ再入厩。8月17日に初めてCWで追い切られたが、古馬1600万下のハッピーモーメントを追走して僅かに遅れた。とはいっても手応えには余裕があったし、いきなり準オープン相手にこれだけ動けるのだから、さすが素質馬といった感じ。デビュー戦は8月28日(日)小倉芝1800mを浜中俊騎手で予定している。

◆ビミコウフク(牝、父メイショウボーラー、母ナゾ、栗東・佐々木晶三厩舎)


 母のナゾはもちろん、その仔で芝2勝、ダート2勝を挙げたニザエモン(父フジキセキ)や先週の北九州記念に出走したオウノミチ(父オレハマッテルゼ)など、JRAに競走馬登録した馬はすべて佐々木厩舎で管理されている血統。

 本馬は入厩して1週間でゲート試験に合格するセンスのよさを見せ、それ以降も至って順調に追い切りを重ねてきた。8月11日の坂路ではデビュー戦3着だったトーヨーエースに先行して、相手に追いつかれることなく先着。8月17日の坂路での併せ馬は同入だったが、1F12.3秒をマーク。全体時計は遅いが、追い切りではあまり動かないのが、この血統の特徴。8月19日にはゲート練習を行い、スタート動作も確認済み。デビュー予定の8月27日(土)小倉芝1200mでどのような走りを見せてくれるか楽しみ。なお鞍上は浜中俊騎手が予定されている。

◆ブリラーレ(牡、父ディープブリランテ、母メジロルバート、栗東・斎藤崇史厩舎)

 半姉メジロツボネ(父スウェプトオーヴァーボード)は芝で4勝を挙げており、本馬は2015年セレクトセール1歳にて2400万円(税抜)で落札されている。父ディープブリランテは新種牡馬だが、ディーパワンサが新馬、中京2歳Sを連勝しており、すでに注目を集めている。

 本馬は8月20日の新潟芝1400mに出馬投票するも除外。デビュー戦を8月27日(土)新潟芝1600mにスライドすることとなった。8月10日のCWでは3歳未勝利を内から追走してしっかり追いつき、6F81.0秒をマーク。そして8月17日のCWではオウケンゴールドに先行して、相手に抜かせない走りができた。個人的には1400mよりも1600mの方が能力を発揮しやすい印象があるだけに、除外が良い方へ向く可能性があると思っている。

◆ライトオブピース(牡、父ゼンノロブロイ、母グッバイマイラブ、栗東・佐々木晶三厩舎)


 ブライアンズタイム産駒の半兄ゴービハインドはダートで4勝、障害で1勝とパワータイプの印象だが、本馬に関しては追い切りの動きを見るかぎり、芝向きの素軽さを持っている。そのあたりは父ゼンノロブロイの影響が出ているのかも知れない。

 追い切り一発目から軽快な動きを見せていて、それが7月28日のCW。3歳未勝利との併せ馬だったが、追う相手に対して馬なりで同入。それ以降もCWでの追い切りは常に併せ馬で手応え優勢。8月11日に鮫島克駿騎手が跨った(レースは石橋脩騎手が騎乗予定)CW追い切りでは攻め駆けするセントラルルークを相手に先着している。時計は目立たないが、追い切り本数も十分なだけに、最終追い切りもさほど時計を出さなくても大丈夫。8月27日(土)新潟芝1600mでデビュー予定だが、どんな走りを見せてくれるか注目したい。

【美浦】
◆アルジャントゥイユ(牡、父ダイワメジャー、母アンプレショニスト、美浦・畠山吉宏厩舎)

 エアジハード産駒の母はアネモネS2着の戦歴。現4歳の半兄ロンバルディアは2歳の夏に新馬戦で勝ち上がっている。

「まだ気持ちの面で幼いところがあるけど、よく言えば落ち着いているタイプ。しっかりと乗れているし、ひと追い毎に良くなっている。兄たちは前進気勢が強かったけど、この血統にしては穏やかな気性だし、ゆったりと走れるような距離が良さそう」と畠山吉宏調教師。8月27日(土)、新潟の芝1600mを柴山雄一騎手で予定している。

◆キングファースト(牡、父ナカヤマフェスタ、母アンダルシア、美浦・相沢郁厩舎)

 2歳上の半姉スマートプラネットは現3勝。祖母の半弟に現種牡馬のアッミラーレがいる。既走馬や年長馬と併せるなどして負荷を掛けており、8月10日にはウッドチップコースで5F66秒台の時計をマークした。姉は1400mを得意にしているが、もう少し長い距離の方が良さそうとのこと。「いい感じ。しっかりと乗り込んでいるし、時計的にも十分に動けている。調教どおりなら走ると思う」と相沢郁調教師は好感触だ。8月27日(土)、新潟の芝1600mを石川裕紀人騎手で予定している。

◆ショウナンアエラ(牡、父ショウナンカンプ、母ショウナンタイリン、美浦・奥村武厩舎)

 キングカメハメハ産駒の母は2勝。1歳上の半兄ショウナンサスケは現1勝、昇級戦の村上特別でも2着と好走した。ウッドチップコースで週2本の追い切りを順調にこなしており、体力的には十分。8月21日には新潟2歳Sに出走予定のイブキと併せ、互角に動いている。

「ショウナンカンプの子で筋肉質だし、いかにもスピードが勝ったタイプ。短距離向きだと思うけど、脚長の体形でマイルぐらいまでは対応できそう。初戦から楽しみです」と奥村武調教師。8月28日(日)、新潟の芝1200mを予定している。

◆ダノンハイパワー(牡、父ダノンシャンティ、母ダノンボンジュール、美浦・菊沢隆徳厩舎)

 昨秋のJBCレディスクラシックを制したホワイトフーガの近親にあたる。先々週の8月11日に本馬場(芝)で長めから追われ、先週の18日にはウッドチップコースで横山典弘騎手が騎乗して感触を確かめた。古馬を追走して併入と好気配だ。

「ひと追い毎に良くなっている。軽さより、パワー型のイメージで短い距離が良さそうな体つき。気性的にも素直で変な悪さをしないし、いいところがありそう」と菊沢隆徳調教師。8月28日(日)、新潟の芝1200mを横山典弘騎手で予定している。

◆ハットラブ(牝、父ワークフォース、母ミルルーテウス、美浦・菊沢隆徳厩舎)

 千葉サラブレッドセールに上場され、2700万円(税抜)で落札された。アグネスタキオン産駒の母は1勝。伯父に1994年の朝日杯3歳Sを制したフジキセキ、伯母にシャイニンレーサー(マーメイドS)、いとこにシャイニンルビー(クイーンC)やノボリディアーナ(府中牝馬S)など一族には重賞ウイナーが並ぶ。

「そんなに目立った時計は出していないけど、自分からグッとハミを取って行く。前向きな性格だし、いいスピードがありそうなタイプ。もう少し重心が起きて走れるようになれば理想的だけど、初戦から動けそう」と菊沢隆徳調教師。8月27日(土)、札幌の芝1200mを戸崎圭太騎手で予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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