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リオンディーズの全弟グローブシアター

  • 2016年08月31日(水) 12時00分
クリアザトラック(牡 栗東・角居勝彦 父ディープインパクト、母クロウキャニオン)
 ボレアス(11年レパードS-GIII)、マウントシャスタ(12年神戸新聞杯-GII・3着)、カミノタサハラ(13年弥生賞-GII)、ベルキャニオン(14年共同通信杯-GIII・2着)、ラベンダーヴァレイ(16年チューリップ賞-GIII・3着)の全弟。「ディープインパクト×フレンチデピュティ」の組み合わせはマカヒキ(16年日本ダービー-GI、16年弥生賞-GII)、ショウナンパンドラ(15年ジャパンC-GI、14年秋華賞-GI、15年オールカマー-GII)、ウリウリ(15年CBC賞-GIII)などが出ており、母方に入るCaerleon、Vaguely Nobleも父と相性がいい。成功パターンを重ねた好配合馬で、全きょうだいが連続して走ったのは偶然ではない。馬のデキが良ければ重賞級の期待がかけられる。

グローブシアター(牡 栗東・角居勝彦 父キングカメハメハ、母シーザリオ)
 母シーザリオは現役時代にオークス(GI)を勝ち、米遠征してアメリカンオークス(米G1)を楽勝した名牝。しかし、繋靭帯炎を患ったため、米遠征から帰国後は一度も出走することなく引退。同じスペシャルウィーク産駒のブエナビスタと比べても見劣らないほどの名牝だった。繁殖牝馬としても優秀で、すでにエピファネイア(父シンボリクリスエス/14年ジャパンC-GI、13年菊花賞-GI)、リオンディーズ(父キングカメハメハ/15年朝日杯フューチュリティS-GI)を産んでいる。歴史的名牝の域に達しているといえるだろう。本馬はリオンディーズの全弟。馬体のサイズは全兄よりひとまわり小さいとのこと。芝向きの中距離タイプで、どこまで兄に迫れるか注目したい。

ダイワエトワール(牝 美浦・鹿戸雄一 父エンパイアメーカー、母ダイワスカーレット)
 母ダイワスカーレットは有馬記念(GI)、桜花賞(GI)、秋華賞(GI)、エリザベス女王杯(GI)を制した女傑。その4分の3兄はダイワメジャー(04年皐月賞-GI、06年天皇賞・秋-GI、06・07年マイルCS-GI、07年安田記念-GI)で、近親にダイワファルコン(12、13年福島記念-GIII)がいる名門ファミリー。母としては現在4頭の産駒をデビューさせ、2頭が勝ち上がっている。出世頭のダイワレジェンド(父キングカメハメハ)は4勝を挙げて準OPに在籍中。勝ち上がったもう1頭のダイワミランダ(父ハービンジャー)ともども、母に似た先行脚質を備えている。本馬の父はパワータイプのエンパイアメーカー。おそらくダート向きの先行馬となるだろう。母の父アグネスタキオンはノンコノユメ(15年ジャパンダートダービー-JpnI)の母父でもあり、ダート競馬に対する適性を秘めている。

ダノンクライム(牡 栗東・矢作芳人 父ヴィクトワールピサ、母シェルズレイ)
 母シェルズレイはローズS(GII)2着、チューリップ賞(GIII)2着。2代母オイスターチケットはテスコボーイ4×3というスピード豊かな配合。この部分のスピードがファミリーを底上げし、コンスタントな活躍が可能となっていると思われる。本馬の兄姉5頭はすべて勝ち上がり、シャイニングレイ(14年ホープフルS-GII)が重賞を勝ったほか、ククイナッツレイ(12年京都新聞杯-GII・4着)が入着を果たしている。この2頭はディープインパクト産駒だったが、ダイワメジャーを父に持つドラゴンシュバリエも3歳夏時点ですでに2勝を挙げており、いずれ重賞で勝ち負けする可能性がある。本馬の父ヴィクトワールピサは現役時代にドバイワールドC(首G1)、皐月賞(GI)、有馬記念(GI)などを制した名馬。現3歳の初年度産駒から桜花賞馬ジュエラーを筆頭にパールコード、ナムラシングン、ジョルジュサンク、アジュールローズなど優れた活躍馬を送り出している。芝中距離で堅実な活躍が望めそうだ。

ドゥハ(牝 栗東・安田隆行 父ゼンノロブロイ、母レーゲンボーゲン)
 全姉アニメイトバイオはローズS(GII)を勝ち、秋華賞(GI)、阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)でも2着となった実力馬。半兄レインボーライン(父ステイゴールド)はアーリントンC(GIII)を制し、NHKマイルC(GI)と札幌記念(GII)で3着に食い込んでいる。半姉ホーマンフリップ(父フジキセキ)はファンタジーS(GIII)2着馬。これまでにデビューした7頭の産駒すべてが勝ち上がっている母レーゲンボーゲンの能力は素晴らしい。「ゼンノロブロイ×フレンチデピュティ」は出走27頭中18頭が勝ち上がる確実性の高いパターンで、アニメイトバイオのほかにハイアーレート(13年札幌2歳S-GIII・3着)、ジャストドゥイング(16年北九州記念-GIII・4着)、ニコールバローズ(11年ファンタジーS-GIII・5着)などが出ている。すでに8月12日から栗東の坂路で乗り込んでおり、デビュー時期はそう遠くはないだろう。重賞級の活躍を期待したい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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