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【坂井瑠星×藤岡佑介】第2回『今の若手は早くから乗れるに越したことはない』

  • 2016年08月31日(水) 18時01分
with 佑

▲2016年4月2日自厩舎のグランプリアクセルで初勝利、師匠の矢作芳人調教師と(C)netkeiba.com


ルーキー坂井瑠星騎手との対談の第2回目。今回のテーマは、若手騎手が置かれている環境について。「最近の子は競馬学校入学時点で上手い」と語る佑介騎手。というのも今は、早くにチャンスをつかまないと芽が出ないまま終わってしまう時代。そこでJRAが平成21年から導入したのが「ジュニアチーム」。このシステムのメリットとは。そして、佑介騎手や先輩方からの今の瑠星騎手への評価とは。(取材・構成:不破由妃子)


(前回のつづき)

先輩も羨む最大の武器!手足の長い恵まれた体


佑介 同期には菜七子ちゃんがいて、早くから注目を集めていたわけだけど、その点で難しさとかはなかった?

瑠星 とにかく取材がすごく多かったので、入学したばかりの頃は、正直「なんでアイツばっかり…」という嫉妬がありましたね。でも逆に「自分たちは馬乗りとして成績を上げてやる!」っていう原動力になったような気もします。

佑介 でも今は仲がいいよね?

瑠星 そうなんです。卒業間近の頃は、逆にすごく仲が良かったです。今でも普通に連絡を取ったりしますし、関係性としては、同性の同期とまったく変わらないですね。

佑介 デビューしてからはより一層、菜七子ちゃんへの注目度が高まったけど、その頃はもうそういう状況に慣れていたもんね。

瑠星 そうですね。教官にも「お前たちの期が注目してもらえるのは菜七子がいるからだぞ」って言われて、本当にそうだなって思うようになって。デビューする頃は、「菜七子さん、ありがとうございます!」みたいな感じでした(笑)。

with 佑

▲「入学したばかりの頃は嫉妬もありました。でも、デビューする頃には“菜七子さんありがとうございます!”って」


佑介 なるほど(笑)。それにしても、最近の子は競馬学校に入学した時点でみんなめっちゃ上手い。競馬学校に講義に行ったとき、みんなが乗っているところを見たけど、木幡さんの三男坊(木幡育也候補生)とか、衝撃的な上手さだったよ。

瑠星 来年デビューしますね。

佑介 やっぱりジュニアチーム(競馬学校騎手課程の受験を目指す中学2年生及び3年生を対象とした特別指導クラス)ができたことが大きいよね。乗馬苑のなかで厳しい試験を突破した選抜メンバーだけあって、競馬学校に入学した段階ですでに基礎ができている。

瑠星 ジュニアチームに入ると、平日もほぼ毎日乗れるので、それだけ上手くなるスピードも早いですからね。それに、乗馬の世界大会に出ていたような方たちが教えてくださるので。

──ジュニアチームというのは、いつからあるんですか?

瑠星 岩崎先輩の期が最初なので、29期からですね。

佑介 ジョッキーになるという明確な意志を持った選抜メンバーで、

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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

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1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

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