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地方競馬を語る上では欠かすことのできないクラス分け

  • 2016年09月03日(土) 12時00分


「ナントカ特別」が特別戦ではない、というケースもしばしば

 先月29日、関西圏で初めてのばんえい場立ち予想会をDASH心斎橋(園田・姫路競馬の場外発売所)で開催しました。

 当日は台風の影響で時折雨脚が強まるあいにくの空模様でしたが、思ったより大勢の方にお集まりいただけたようです。園田競馬の場内実況でおなじみの竹之上次男アナウンサーと私が全レースの予想を披露。“その金ナイター”イメージキャラクター・SKNフラッシュ8の中井優希チャン(カワイかったなぁ)にもゲスト出演してもらって、楽しく進行することができました。

 あとでばんえいの主催者にどのくらい馬券が売れたのかを尋ねたら、「天気がよければもっと売れていたと思われますが、おかげさまで前回発売した8月8日の数字を上回りました」とのこと。とりあえずイベントの効果はあったみたいです。

 今後これを、DASHでばんえいを売るときの恒例行事にしたいところ。その時は竹之上サン、よろしくお願いしますよ。

 さて、今回のイベントの終了間際、1人の男性ファンがばんえいの主催者に対して次のような注文を付けてきました。「新聞やNAR公式サイトの成績表を見ると、レース名が先に目立ってしまって、それがどのクラスのレースなのかがすぐにはわからない。なんとかしてほしい」。

 確かにおっしゃるとおりなんですね。みなさんもご存知のように、地方競馬では個人・企業協賛競走が盛んに行われています。それぞれのレースには趣向を凝らしたタイトルが付けられているのですが、これを成績欄に載せると、レースのクラス(A2-1組とかC1-3組とか)がその“陰”に隠れてしまうのです。

 さらに、それらのレースの中には「ナントカ特別」と命名されているものがあります。ところが、これは実際には平場戦で、特別戦ではない、というケースもしばしば。クラスの昇降などを見極めながら馬券検討しようとするファンにとって、実に厄介な問題になっています。

 この点をどうにかしてほしいというのは、先の男性ファン以外にもけっこう大勢いらっしゃるはず。かく言う私もその1人です。成績欄の表記方法をちょっと見直してもらえれば、改善できると思うんですけど…。

「たとえば同じB1クラスでも、収得賞金順に組み分けするんだから、1組と4組だったら1組のほうが上。そういうところを見ることが、各馬の力量を比較したり、人気の盲点になっている馬を探したりするのに役に立つんじゃないかな」。これは以前、ばんえいの某ジョッキーが予想のヒントとして話してくれたことです。

 地方競馬を語る上では欠かすことのできないクラス分け。それが一目でわかる成績欄をファンに提供する、っていうのは、最も大事なサービスだと思います。競馬新聞やNARの関係者のみなさん、ぜひご検討のほどを!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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