スマートフォン版へ

サプルマインドの半弟・スティッフェリオがデビュー!

  • 2016年09月12日(月) 18時00分


【栗東】
◆スティッフェリオ(牡、父ステイゴールド、母シリアスアティテュード、栗東・音無秀孝厩舎)

 夏の新潟マイルでデビュー勝ちを決めたサプルマインドの半弟ということで、POG取材時から注目を集めていた馬。ただ7月に入厩して、ゲート試験に合格した時点では音無秀孝調教師のトーンもさほど上がっていなかった。ところが8月12日にグリーンウッドから栗東へ再入厩して以降、追い切りの動きは日増しに良くなっている。

 8月31日は坂路でレースでも騎乗予定の松若風馬騎手が跨り、ダノンリバティとの併せ馬。手応えが楽な相手に対して、こちらは一杯だったが最後まで食い下がって同入。4F52.4秒をマークしたことで、9月7日は新馬勝ちしているアメリカズカップとの併せ馬。追走して最後はこちらが楽な手応えで大きく先着。4F51.5秒と大きく時計を詰め、その数字は新馬としての水準を遥かに上回っている。デビューが予定されている9月18日(日)阪神芝1800mでの勝ち負けはもちろんのこと、最終追い切りでどんな動きを見せ、レースではどんなパフォーマンスを見せてくれるか。そんな楽しみさえあるのではないだろうか。

◆グランサラ(牝、父プリサイスエンド、母トゥーラムール、栗東・牧田和弥厩舎)

 母系には芝で4勝を挙げ、今年のクイーンSではマコトブリジャールの3着だったダンツキャンサーがいる血統。2015年北海道サマーセールでは、250万円(税抜)で落札されている。

 本馬は8月19日にゲート試験に合格。当時は「これから本格的な追い切りをやって適性を探っていこうと思います」ということだった牧田和弥調教師。その後、9月17日(土)阪神ダート1800mでのデビューが決まったということで、ダート適性が高いということだろう。9月8日の坂路では、レースでも騎乗が予定されている浜中俊騎手が跨って単走での追い切り。4F53.3秒、1F12.4秒としっかり動けている。この動きに「順調ですね」と同師。ここを目標に仕上げている馬も多く、高いメンバーレベルが予想されるが、その中でも上位の評価を受ける馬であることは間違いない。

◆ザウォルドルフ(牡、父ディープインパクト、母ウィーミスフランキー、栗東・友道康夫厩舎)

 母は現役時代に米G1を2勝。本馬は2014年セレクトセール当歳では1億4400万円(税抜)で落札されている。函館競馬場でゲート試験に合格した後、牧場に戻って再調整し、8月11日にノーザンファームしがらきから栗東へ入厩している。

 9月1日のCWではアドマイヤミヤビを追走して、追われるも前に追いつけずに遅れてゴール。時計も決して速くなかったが、相手が攻め駆けすることを考えれば仕方ないかなといった感じ。しかし、9月8日のDPでの併せ馬ではアドマイヤキズナを追走して、最後は同入に持ち込む動き。時計の出やすいポリトラック馬場とはいえ、6F78.4-5F64.0-4F49.7-3F36.9-1F11.6秒は優秀な時計。追うごとに動きが良くなっているという表現が適当ではないだろうか。デビューは9月18日(日)阪神芝1800mをC.ルメール騎手で予定している。

 なお、同厩舎で同馬主(大塚亮一氏)のタピゾーは9月8日のDPでジュンテオドーラを突き放す動きを見せて、1F11.3秒をマーク。こちらは9月17日(土)阪神ダート1800mを鮫島克駿騎手でデビューする予定となっている。

タピゾー


◆スリーソードシチー(牡、父デュランダル、母スリーキュート、栗東・北出成人厩舎)

外がスリーソードシチー

 父産駒には小倉2歳Sを勝ったジュエルオブナイルやオークスを制したエリンコート、中京記念を連覇したフラガラッハなどがおり、様々なタイプを輩出している。母は現役時代に芝短距離で3勝を挙げており、そういったところを受け継いでいる印象を受けるピッチ走法が特徴的。

 ゲート試験に合格するとその後も順調に追い切りを重ねて、水準程度の時計を出して動いている。9月7日のエテレインミノルとの併せ馬ではレースで騎乗予定の幸英明騎手が跨って、CW6F84.9秒をマーク。少し遅い数字だが、外を回っていたこともあり、6Fから時計を出していることを評価したい。軽い走りをするので、ウッドチップよりもスピードの出る芝でどんな動きができるか。9月17日(土)阪神芝1400mでの走りに注目したい。

【美浦】
◆マイティーキュート(牝、父ダイワメジャー、母マイティースルー、美浦・田村康仁厩舎)

 クロフネ産駒の母は芝で4勝。伯母にフラワーC2着のスルーレート、いとこに札幌2歳S3着と重賞でも活躍したハイアーレートがいる。9月1日、7日の追い切りでは古馬に先着。しっかりと負荷を掛け、ウッドチップコースで5F66秒台と時計的にも上々だ。

「古馬と併せても子供扱いにしちゃうぐらい。いくらでも動けそうだし、やり過ぎないようにセーブしているほど。まだトモ(後肢)の肉付きなどに良化の余地があるけど、まだまだ変わってくると思う。いい馬格をしているし、能力が高いことは確か。初戦からは勿論、将来的にも楽しみ」と田村康仁調教師。9月18日(日)の中山の芝1600m(牝馬)を戸崎圭太騎手で予定している。

◆ミッキークルソラ(牝、父ダイワメジャー、母クルソラ、美浦・菊沢隆徳厩舎)

 2015年のセレクトセールに上場され、野田みづき氏が5000万円(税抜)で落札した。2歳上の異父姉に桜花賞2着&オークス3着のクルミナル、現5歳の異父兄にオープン入りしたピオネロがいる。じっくりと乗り込み、2週前の9月1日には横山典弘騎手を背に坂路で4F51.2秒の1番時計を馬なりでマーク。7日の追い切りでは4F57.5秒と意識的に速い時計を出さず、既に態勢は整っている印象だ。

「まだスピードの強弱やギアの入れ方などが分かっていないような感じだけど、体力的には十分でカイバもペロリと食べている。いかにも我の強い女子という感じだし、まずは気性的なことを考えて1200mから使っていくことにした。テンションを含め、いろいろと課題が多いけど、血統的にも能力はあると思う」と菊沢隆徳調教師。9月17日(土)、中山の芝1200mを横山典弘騎手で予定している。

◆サンティール(牝、父ハービンジャー、母サンヴィクトワール、美浦・鹿戸雄一厩舎)

 サンデーサイレンス産駒の母はOP特別・エルフィンSの勝ち馬。現5歳の異父姉にオープン入りしたサンソヴール、叔父にOP特別2勝&ステイヤーズS2着など活躍したユニバーサルバンクがいる。9月7日の追い切りではオープン馬のスマートオリオンを追走して併入と上々の動きを見せた。

「まだ緩さはあるけど、バランスのいい体つきをしている。ややイレ気味なところもあるけど、走り出せば大丈夫。しっかりと体を使ったフットワークで動けているし、走ってきそうな雰囲気はある。血統的には長めの距離が合いそう」と鹿戸雄一調教師。9月17日(土)、中山の芝1800mを北村宏司騎手で予定している。

◆ヒストリア(美浦・栗田徹厩舎、牝、父ハーツクライ、母アルヴィス)

 昨年のセレクトセールに上場され、4500万円(税抜)で落札。米国産の母はダートの短距離で3勝。3歳上の異父姉に現3勝のヴィスビー、伯父に京王杯3歳S3着のマチカネイサリビ、OP特別のホープフルSを勝ったエキゾーストノートがいる。9月8日には坂路で4F52.3-37.9-24.7-12.1の好タイムをマークしており、「ハーツクライ産駒らしい緩さはあるけど、いいスピードがありそう」とのこと。9月18日(日)、中山の芝1600m(牝馬)を予定している。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング