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【木幡家長男の素顔】木幡初也騎手(2)『仏オークス生観戦! デットーリジョッキーの騎乗に刺激を受けて』

  • 2016年09月14日(水) 18時00分
今回は憧れのデットーリジョッキーについて、熱弁をふるいます!


今年の6月にフランスの若手騎手招待競走で騎乗した、デビュー3年目の木幡初也ジョッキー。前回に引き続き、遠征秘話を語っていただきます。フランス競馬と日本競馬の違いから始まり、同日に行われた仏オークスの話に。憧れのデットーリジョッキーについて、熱弁をふるいます!
(取材・文/大薮喬介)


フランス競馬にセオリーはない!?

――フランスと日本の競馬、何か違いを感じましたか?

木幡初 フランスは自然の中にコースがあるので、トリッキーですよね。日本よりも、イレギュラーなことが起きやすいです。東京なら脚をためた差し馬がきやすいとか、福島なら前にいく馬が有利だとかセオリーみたいなものがありますが、フランスではそういった勝ちパターンがないんです。だから、乗り慣れた騎手の経験や感覚などのスキルが重要だと感じました。

――つまり、フランス競馬は乗り役によってレースが左右されやすいと。

木幡初 そうだと思います。僕も下見をしましたが、1回では掴めなくて、何回も下見をしましたから。

――人気の馬ではなかったということですが、それで3着に好走したわけですから、何度も下見をした成果が出たということですね。

木幡初 どうでしょうね(笑)。でも、しないよりはしたほうがいいですよね。マイナスには絶対にならないですから。

――各国の若手騎手と対戦したわけですが、いかがでしたか?

木幡初 今は日本に海外の騎手が乗りに来ていますからね。もちろん、レースの流れなどは違いますが、普段日本で乗っている時とそれほど違いは感じませんでした。ただ、帯同していた競馬学校の方は、「例年に比べて、今年はレベルが高い」とおっしゃっていましたね。

――他のレースはご覧になりました?

木幡初 もちろん、観ましたよ。その日は仏オークスがあったので、デットーリジョッキーやムーアジョッキーなど、各国の一流騎手がそろっていました。少しでもズレたら事故になるような密集した状態で、普通に乗ってきますからね。やっぱりスゴいですよ。あとは、観客の誰もがドレスアップをしていて華やかでしたね。日本のGIだと、ワーッと大歓声が上がるんですが、あっちは応援している人はいても、すごく静かなんです。わかってはいたけれども、やっぱり日本とは全然違うなと思いました。

――確か木幡騎手は、デットーリジョッキーが好きなんですよね。彼のどこに憧れているんですか?

木幡初 全部です! 技術は当然のこととして、気持ちが騎乗に表れているのが好きなんです。どの馬でも乗りこなせるのもスゴいですよね。

――昨今、短期免許などで外国人騎手が日本に来日していますよね。昨年からデムーロ、ルメール両ジョッキーが通年免許を取得して騎乗していますが、彼らのスゴさはどこにあるのでしょうか?

木幡初 やっぱり、馬のことを熟知していますよね。競馬の上手さはもちろんですが、馬の本質を理解して乗っていると思います。デムーロジョッキーは、気持ちが強いですよね。一緒に乗っていても、勝負に対するスピリッツを感じます。ルメールジョッキーは落ち着いていて、クレバーにサーっと乗ってきますよね。

――木幡騎手はどちらのタイプになりたいと思いますか?

木幡初 欲をいえば、両方ですね。接戦になった時に負けないデムーロジョッキーの勝負強さと、冷静に競馬をこなして馬の能力を最大限に発揮するルメールジョッキーを合わせたような騎手になりたいです。

キシュトーーク

デムーロジョッキーとルメールジョッキーを合わせたような騎手になりたいです



――ご自身も含めてですが、日本の騎手と比べて外国人騎手は何が違うのでしょうか?

木幡初 日本に来る外国人騎手は各国のトップジョッキーばかりですから、当然下手な人はいません。それぞれに特徴があって、夏競馬で来日していたモレイラジョッキーも、ヨーロッパの外国人騎手とは乗り方が違いますよね。ただ、リーディング上位にいる日本のジョッキーもすごく上手いですから、外国人ジョッキーとの差はないと思います。

(次回へつづく)

元祖「キシュトーーク」のレギュラー陣、国分恭介、国分優作、松山弘平、川須栄彦、高倉稜を中心に、栗東・美浦・地方からも幅広く、これからの競馬界を担うU25の若手ジョッキーたちが登場します!

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