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福山からJRAに挑戦!チャレンジ精神溢れる岡田祥嗣騎手にインタビュー!

  • 2016年09月20日(火) 18時00分
岡田騎手1

2013年にJRAに移籍した岡田祥嗣騎手にお話をお聞きしました!



1年でも長く騎手をやっていたいです


 またまた大きな記録が出ましたね。9月18日、武豊騎手が前人未到の4000勝達成。「4レースの14番で4000勝目」という数字のゴロ合わせも最高!「メイショウ」松本オーナーの馬で決めるのも神がかってるような気がしました。

 邦彦元調教師の告別式の時に弔辞を読まれ、別れを惜しんだのが松本オーナーでした。4000勝は、このタイミングを待っていたんでしょう。そんな気がします。2万回騎乗を9月4日に達成され計算すると5回に1回のペースで勝ってきたことになりますね。その内ダービー制覇が5回なんて想像もつかない数字です。

 偉大な成績を残すもう一方で苦しんだ時期もあったと話される豊騎手。「アスリートを一流にした劇的スイッチ」が豊騎手にもあったそうです。ライアン・ムーア騎手との出会いがきっかけでスイッチが入ったそうです。

 豊騎手のながーい騎手生活の中で、僕も不思議なスイッチを入れてもらっていました。

 オグリキャップで有馬記念を制覇した時に、競馬学校を意識して受験を決めました。エアグルーヴの時代に競馬学校を卒業し、そしてディープインパクトのダービー制覇の時に、落馬による引退を決意。キズナでダービー制覇の時に、全国障害者馬場馬術に初挑戦しました。今度は、2020年東京パラリンピックへ行きたいと思い特訓中。豊騎手が僕にでっかいやる気スイッチを押してくれるのを楽しみにしています(もちろん自分でも頑張ります。苦笑)。

***

 そしてやる気スイッチを入れた騎手がもう一人いました。岡田騎手にそのスイッチが入ったわけを聞いてきました。

常石 今日はよろしくお願いします。

岡田 こちらこそよろしくお願いします。同じnetkeibaの女性の方にも取材依頼されてますよ。

※東奈緒美さん取材の『おじゃ馬します!』はこちら!
【中央移籍から3年半】岡田祥嗣騎手(1)『9年越しの悲願成就 福山のトップからJRAへ』

常石 そうでしたか?僕のほうが早くお話をお聞きできてよかったです。でも掲載はちょっと遅れるかもしれないので、遅くなったらごめんなさい。

岡田 いえいえ、僕なんかに取材してくれるのがうれしいです。

常石 実は、全国障害者馬場馬術大会に出場した時に、そこで福山競馬場で誘導馬に乗っていた高橋のりこさんに出会い、岡田騎手のことをお聞きしました。とっても岡田騎手に興味を持って、是非お話をお聞きしたいなーと思っていました。ご存知ですか?

岡田 パワーのあるかたですね。変な奴って言ってなかったですか?

常石 「福山で大活躍しているのに中央への移籍の心境の変化はどこにあったのかな?」って。でも「チャレンジすることはすごい勇気だから岡田さんならできると思っていた。とっても真面目で全力投球する方なので、活躍が楽しみです。応援してるわー」と言ってましたよ。

 今は福山ホースクラブを経営しホースセラピーを中心に活発に活動しています。福山ホースの子供たちも、障害者馬場馬術に挑戦しているのでいつも会います。高橋さんはいつもパワフルに活動して、僕たちの援助をしてくれています。

岡田 僕も福山競馬場にいた時はセラピーの活動に参加したことがあります。馬に触れたとたんに子供たちの顔が変化していくのがわかるよね。あの時は、馬の持つ力ってすごいなーって実感しました。

常石 3か月くらい前、ユーイチ(福永)の妹が活動しているホースセラピーのアドバイスに栗東まで来られるくらい、活動範囲も半端じゃないですよ。その時に「ばったり岡田さんに会えへんかな?日曜日やから無理か(爆笑)」と言っていました。

岡田 そんなに気にかけていただきうれしいですね。でもつながりは面白いですね。

常石 そうなんですよ。つながりと言えば荒川靴屋さんも知っていますか?

岡田 いつもお世話になってます。地方競馬は騎乗数が多く靴の痛みも半端じゃないので、修理をしていただき助かっています。常石さんとはなかなかお会いできなかったので荒川さんに連絡を取っていただき助かりました。

常石 取材をお願いしていたのにすれ違ってしまい失礼しました。荒川靴屋さんも僕にとってもすごい出会いなんですよ。

岡田 そうらしいですね。

常石 僕の中学の恩師のご主人の高校の生徒さんだったんですね。毎月先生宅で、障害を持つ方、持たない方、家族でいろいろ悩みのある方…など集まって、お好み焼きパーティーが行われています。そこで紹介され親しくしていただいてます。

岡田 皆さんつながっているんですね。そういう意味では、僕もここ「中央」が、来るべくして来たところだったように思います。

岡田騎手2

「中央」が、来るべくして来たところだったように思います



常石 そうなんですよね。笹田先生とご縁があるそうですね。

岡田 僕の高校の先輩でサッカー部の部長でした。年代が違うので一緒に部活をしたことはないのですが、僕もサッカー部の部長をさせていただいていたので話も合い、JRA移籍に大きな影響がありました。9回も試験に挑戦し合格した時はうれしかったですよ。こんな年になって大丈夫かなと思いましたが、挑戦するチャンスをくれたので頑張ります。移籍後は、笹田厩舎でお世話になったので不安はありませんでした。

常石 福山では2008年3月に1500勝を達成、すごい記録だと思います。2003・2006年にはリーディングジョッキーにもなられ福山競馬場で活躍されていましたが、中央への移籍は何かきっかけがあったんですか?

岡田 父が厩務員だったので小さいころから馬に触れたり乗ったりして、騎手になるのは必然でしたね。色んなタイトルもいただいたのですが「これで満足していいのか?」とふと思い、安藤さんや岩田騎手も挑戦した中央に自分も挑戦しようと思いました。家族も何も言わずに「やりたいことやったら」と応援してくれました。

 2011年に移籍を目指すことを発表しましたがその年は2次試験不合格で、12年に合格できました。2013年にJRAの騎手になることができました。40歳になってからだから前途多難ですがね。41歳のルーキーと言っていただき恥ずかしかったですが、ルーキーの響きはうれしいですね。(笑)

常石 いえいえ、チャレンジ精神の強さを実感します。この取材をお願いした時も、調教数がとっても多くなかなか会えませんでしたよね。幸騎手も調教数が多いので岡田騎手の印象をお聞きしましたが、「まじめで熱心で信頼できるので調教依頼が多いんだと思うよ。僕も頑張らないと…」と話されていました。秋山騎手もそばにいて同感とうなずいてました。多くの厩舎に信頼され忙しく調教されているんですよね。それってすごく騎手冥利に尽きますよね。

 岩田騎手ともご縁があるそうですね。

岡田 地方の騎手養成学校で一緒だったんです。彼は1年間で僕は半年だったので期はズレるんですがね。すごい活躍されてるので彼には到底追いつきませんが刺激を受けましたね。もっと険しい道のりになると思いますが1年でも長く騎手をやっていたいです。馬に乗ることしかないからね(笑)。

常石 馬を通じてご縁が広がっているのが素晴らしいです。やっぱり馬はいいですよね。パワーもエネルギーも癒しもくれて、力になってくれます。取材で1つだけ残念なことがあるんです。調教の写真が撮れなかったのがくやしいです。

岡田 撮ってもらえなかったのは僕も悔しいですね(爆笑)。今度は是非口撮り写真を撮ってもらえるように頑張ります。これからもよろしくお願いします。また取材されるような騎手を目指します。

常石 こちらこそよろしくお願いします。とってもいい話を聞かせていただきうれしかったです。最後にファンの方にメッセージをお願いします。

岡田騎手3

とってもいい話を聞かせていただきうれしかったです!



岡田 馬にもいろいろあるように騎手にもいろいろあるので競馬場に来て発見してください。面白いと思いますよ。馬と一緒に応援してください。頑張ります。

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 いつも夢をくれる馬たちと騎手を応援していきたいと思います。秋競馬、みなさん盛り上がっていきましょう。

つねかつこと常石勝義でした。

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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