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サトノダイヤモンドの半妹・ステイゴールド産駒のリナーテがデビュー!

  • 2016年10月03日(月) 18時00分


【栗東】
◆リナーテ(牝、父ステイゴールド、母マルペンサ、栗東・須貝尚介厩舎)

 半兄は先週の神戸新聞杯を勝ち、きさらぎ賞を含めて重賞2勝を挙げているサトノダイヤモンド(父ディープインパクト)。POG取材時には兄が重賞を勝っていたこともあり、やや慎重なコメントをしていた須貝尚介調教師だったが、ここにきてトーンは上昇している。

 須貝厩舎のステイゴールド産駒といえば、ゴールドシップとレッドリヴェールがG1を制しているが「雰囲気はレッドリヴェールにそっくり。馬体は華奢だったリヴェールよりもひと回りふた回りは大きいかな」と同師。調教後に坂路上の運動場で乗っていても堂々とした仕草が印象的。追い切りは9月22日に坂路4F53.1秒をマークし、9月29日の芝コースでの3頭併せでは古馬を追走して先着するという素晴らしい動きを見せている。デビューが予定されている10月10日(月)京都芝1600m(牝)でどのような走りを見せてくれるか楽しみ。

◆タイセイスターリー(牡、父マンハッタンカフェ、母スターアイル、栗東・矢作芳人厩舎)

 半兄ミッキーアイル(父ディープインパクト)は未勝利から5連勝でNHKマイルCを制し、古馬になってからも2016年阪急杯を制している。本馬は2015年セレクトセール1歳にて、8800万円(税抜)で落札されている。

 ゲート試験は9月9日に合格しているが、この時の2F目のラップが圧巻。締まったダート、体重の軽い坂井瑠星騎手が跨っていたとはいえ、11.4秒は特筆もの。そして、9月14日の坂路では古馬と併せて4F51.2秒をマーク。こちらも新馬としてはトップレベルの数字だろう。ちなみに、現在は4F50秒を切るような時計もマークする兄だが、さすがにデビュー前はここまでの時計を出していなかった。10月8日(土)京都芝1400mを川田将雅騎手でデビューする予定となっているが、まずは兄が果たせなかった新馬勝ちを決めたいところ。

◆ブレイヴバローズ(牡、父マンハッタンカフェ、母ネガノ、栗東・角田晃一厩舎)

 半兄ダッシャーゴーゴー(父サクラバクシンオー)は2010年セントウルSなどスプリント重賞で3勝を挙げている。デビュー戦は10月8日(土)京都芝1400mを和田竜二騎手で予定しているが、これは前記タイセイスターリーと同じ。短距離重賞で活躍した兄がいて、同じマンハッタンカフェ産駒という意味では興味深い対決となりそう。

 本馬は8月31日に吉澤ステーブルWESTから栗東へ入厩すると、1週間でゲート試験に合格。9月22日には坂路でジョッキーが跨り、古馬500万下を追走する併せ馬だったが、一杯に追われて先着。その時計は4F52.6秒と速く、新馬としての水準を楽に上回っている。9月29日のCWでは併せ馬を追走して遅れているが、相手がすでに勝ち上がっている2歳馬アダムバローズだったので仕方ない。むしろ、6F83.1秒、1F12.0秒という時計を評価したいところ。

◆シャンティローザ(牝、父ダノンシャンティ、母エポカローザ、栗東・松永幹夫厩舎)

 2014年セレクトセール当歳にて、1000万円(税抜)で落札されている。本馬について「9月14日の坂路では時計は4F56.6秒と遅かったけど、引っ張り切りの手応えで駆け上がってきました。これは初戦から動けそうですね」と松永幹夫調教師も手応えを掴んでいる。

 そして、これまでは同じ新馬での併せ馬だったが、こちらが動きすぎるので、9月28日の坂路追い切りでは古馬500万下と併せ。レースでも騎乗予定のM.デムーロ騎手が跨っていたが、4馬身ほど追走して、楽に2馬身ちょっと先着。しかも手応えが馬なりということもあって、陣営が求める以上の動きを見せているといった感じ。デビュー戦は10月8日(土)東京芝1600m(牝)が予定されている。

【美浦】
◆バスカヴィル(牡、父Bernardini、母Divalarious、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)

 8月20日に入厩し、翌週の26日には早々とゲート試験をパス。9月1から時計を出し始め、東京開幕週のデビューを目標に調教のピッチを上げてきた。ここ2週は蛯名正義騎手が跨がり、ウッドチップ(21日)とダート(28日)で5F追いを消化。いずれもラスト1F12秒台前半をマークしており、しまいの反応は上々だ。

「血統的にもダート向きだろうけど、いい走りをする。やり出してからも順調だし、ひと追い毎に素軽さが出てきた」と二ノ宮敬宇調教師。10月9日(日)、東京のダート1600mを蛯名騎手で予定している。

◆キタサンメジャー(牝、父ダイワメジャー、母ビッグテンビー、美浦・奥村武厩舎)

 異父兄に2009年の高松宮記念、スプリンターズSを制したローレルゲレイロがいる。9月28日にはウッドチップコースで初めて5Fから時計を出し、サウジアラビアロイヤルCに出走予定のバリンジャー、古馬1000万下のプリサイスエースと併入。しっかりと負荷をかけられた。

「いかにもダイワメジャー産駒という感じだし、すごく元気がいいですね。気性的にカッとなりやすいところがあるけど、そういう意味では初戦向き。スピードタイプの血統だけど、マイルまではこなしてくれると思います」と奥村武調教師。10月8日(土)、東京の芝1600m(牝馬)を北村宏司騎手で予定している。

◆ミッキークロス(牝、父ハーツクライ、母ライジングクロス、美浦・国枝栄厩舎)

 2014年のセレクトセールに上場され、4000万円で落札された。異父姉にアースライズ(フラワーC2着、オークス4着、愛知杯3着)がいる。9月2日にゲート試験をパス。目立つ時計こそ出していないが、ここまで順調に追い切りの本数を重ねてきた。

「気持ちに前向きさがあるし、動きもキビキビとしていて素軽い。そんなに大きくないけど、走ってきそうな雰囲気はある」と国枝栄調教師。10月8日(土)、東京の芝1600m(牝馬)を横山典弘騎手で予定している。

◆レイデオロ(牡、父キングカメハメハ、母ラドラーダ、美浦・藤沢和雄厩舎)

 1歳上の異父兄に現3勝のティソーナがおり、ディープインパクトの近親に当たる。ゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で体力強化に努め、秋の東京デビューを目標に再入厩。9月22日にはウッドチップコースで古馬のロサギガンティア(今週の毎日王冠に出走予定)と併入。28日にも坂路で古馬のレッドラジェルと併せるなど時計以上に中身の濃い調教メニューをこなしている。

「馴染みの血統になるけど、上のティソーナに共通するのは走ることに対して前向きなところ。稽古でも集中して走っているし、古馬と遜色ない手応えで回ってこられますからね。いい馬だし、持っている能力は高いと思います」と津曲調教助手。10月9日(日)、東京の芝2000mをC.ルメール騎手で予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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