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遅れてきた大物が出る厩舎は?(須田鷹雄)

  • 2016年11月15日(火) 18時00分


◆デビューが押すと苦しいのは事実

 気がつけば既に11月も後半。正直なところ、いまから後のデビューではクラシック戦線に間に合うかどうか微妙なところ。ただ、全く間に合わないわけでもないので、諦める必要はない。

 また厩舎によっては焦って使わないタイプで、後から良くなってくるところもある。いまの一流厩舎でいうと藤原英昭厩舎などはそんなイメージがある。実際の厩舎データはどうなのか、この機会に調べてみた。

 対象とするのは12月・1月に芝の新馬戦を走った馬たち、過去10世代。その馬たちが2走目以降、POG期間(3歳6月)までに示したパフォーマンスを比較する。対象となるのべレース数がさほど多くはない(4403頭・15064走)ので、劇的に稼いだ馬の結果に引きづられすぎないように、1走あたり賞金で比較する(現役厩舎・対象レース50走以上のみ)。

厩舎     着度数      1走あたり賞金
(栗)池江泰寿 33- 18- 13- 58/122 525万円
(栗)藤原英昭 21- 12- 10- 44/ 87 329万円
(栗)吉村圭司 7- 4- 3- 41/ 55 303万円
(栗)平田修 14- 7- 13- 91/125 284万円
(美)堀宣行 22- 17- 7- 37/ 83 276万円
(栗)角居勝彦 24- 22- 18- 86/150 256万円
(美)古賀慎明 10- 5- 12- 63/ 90 256万円
(栗)長浜博之 15- 15- 17-104/151 255万円
(栗)石坂正 17- 9- 11- 73/110 238万円
(美)田村康仁 15- 12- 10- 53/ 90 227万円
(栗)須貝尚介 10- 9- 9- 53/ 81 226万円
(美)萩原清 20- 9- 3- 50/ 82 213万円
(栗)友道康夫 16- 10- 16- 44/ 86 207万円
(栗)矢作芳人 17- 19- 6-107/149 196万円
(栗)松永幹夫 8- 11- 11- 76/106 193万円
(栗)清水久詞 7- 4- 4- 56/ 71 186万円
(栗)音無秀孝 16- 17- 18- 96/147 179万円
(美)勢司和浩 4- 14- 8- 38/ 64 178万円
(美)加藤征弘 13- 9- 7- 43/ 72 168万円
(栗)安田隆行 12- 10- 7- 48/ 77 162万円

 池江厩舎はミッキークイーンが大きいが、他にワールドエースとトーセンホマレボシが1億円以上を稼いでいる。藤原英厩舎は最高額がブロードストリートの5430万円なのにこの位置というのは、ある程度稼ぐ馬が多数いるということか。吉村厩舎はサンプル少なめ、平田厩舎はカレンブラックヒルとベッラレイアだけが劇的に稼ぎ、3位が1310万円、4位から1000万円割れなのでホームランを期待するしかない。

 堀厩舎も藤原英厩舎と似たタイプで、ヒット量産型かつ出走数の少なさで1走あたり賞金が伸びている。POG的には良いかどうか微妙なところだが……角居厩舎はそれに比べると出走数が多いわりには1走あたり賞金をキープしている。

 全体的に見ると、ここまでデビューが押すと苦しいのは事実という印象だ。とはいえ馬を急かすことはできないので、プロの判断を尊重しつつ、たまに出る「遅れてきた大物」であることを祈るしかないだろう。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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