GI2着の強豪 インカン超久々に本気だ/トレセン発秘話
◆密度の濃い“ミックス調教”
GII東海S(22日=中京ダ1800メートル)に出走予定のインカンテーションが本気である。いや、羽月調教師が本気になったというべきか。もちろん、これまでやる気がなかったということではない。今まで以上の“マジモード”に突入したということだ。
「ウチがこういう調教を行うのは、なかなか珍しいことですからね。追い切りの段取りをジョッキー(藤岡康)に説明した時、彼も“へっ?”て感じで、ちょっとビックリしていましたね」と話すのは担当の長谷川助手だ。
インカンテーションの追い切りといえば、坂路かウッド。どちらかでやるケースがほとんどだったが、この中間は先々週、先週と坂路で15-15を行ってから、ウッドに下りて半マイルから併せる密度の濃い“ミックス調教”にシフトした。
「ウッドだけだと負荷がかかっていないようなので、坂路で乗ってからやるようにしたんです。もちろん、それだけやれるほど、馬の状態がいいということでもあります」とは羽月調教師。
なんでも「こんなに順調にきているのは久々」とか。いつ以来の久々なのか聞いたところ、「久々過ぎて忘れてしまいました(笑い)」と言うくらいなのだから、とにかくかなりの久々ということだ。
一昨年の平安S勝利後の指骨骨折、昨年の東海S(11着)後の腸骨骨折…これまで数々のアクシデントに見舞われてきた馬が、久しぶりに快調で、調教でもかつてないほど攻めているのだから、これは見逃せない。
「2週連続でサクラエール(古馬オープン)に先着していますからね。これまで(併せ馬では)一度も勝ったことがない相手ですから、それだけ調教も動けるようになってきたんだと思います」(羽月調教師)
改めてインカンテーションの実績を振り返れば、前出の平安Sほか、13年レパードS、14年みやこSと重賞3勝、GIフェブラリーS2着(15年)の実力派。久々の「快調宣言」が出ているとなれば、こちらとしては久々の先頭ゴールを期待せずにはいられない。(栗東の坂路野郎・高岡功)