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昨年35勝を挙げた関西期待のホープ、加藤祥太騎手にインタビュー!

  • 2017年01月31日(火) 18時00分
加藤騎手1

中央競馬騎手年間ホープ賞を受賞した加藤祥太騎手にインタビュー!




加藤騎手「ファンの方に楽しんでもらえる騎乗を」


 2017年幕開けの京都金杯は「エアスピネル」の勝利から始まり、シルクロードステークスは「ダンスディレクター」が連覇達成。笹田厩舎と武豊騎手とのコンビで始まった1月は、同コンビによって締めくくられました。今年は、笹田厩舎と武豊騎手とのコンビで大仕事をやってくれる予感がしますね。

 そして、我らが同期のわっ君(和田騎手)がミッキーロケットで日経新春杯を優勝。ユーイチ(福永騎手)もカフジテイクで根岸Sを勝って21年連続重賞制覇。GIフェブラリーステークスが視野に入ってくる好発進。今年も競馬から目が離せなくなります。

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 今年度の新人騎手がデビューの前に昨年度活躍の2年目の若手騎手「加藤祥太」に注目!(2016/12/29取材)

常石 今日は、よろしくお願いします。

加藤 こちらこそよろしくお願いします。

常石 2016年度は大活躍でしたね。35勝を挙げ中央競馬騎手ホープ賞を受賞、おめでとうございます。新年早々1日2勝が3回あり2月13日には1日3勝と好スタートを切った矢先に落馬負傷、約1か月半くらい戦線から離れていたのによく頑張りましたね。この時は、どんなことを思っていましたか?

加藤 ありがとうございます。新年早々好スタートだったので慎重さが足りなかったのかもしれません。調子のいい時にけがをしてしまいとっても残念です。こんな賞をいただき関係者の皆様にはとっても感謝していますが自分自身満足していません。もっと気を引き締めていかないといけないと思っています。1年目は同期の鮫島に負けてますからね(笑)。

常石 同期でしたね。同期の活躍は、うれしいけど悔しい面もありいい刺激になりますよね。僕の時は、刺激というより大きな存在でしたよ。早くから活躍しGIもドンドン取っていくんだからすごかったです。

加藤 福永先輩と同期ですか?

常石 そうそう、和田騎手も一緒です。加藤騎手は、4月に福島牝馬Sでオツウに騎乗したとき上手くなったなと感じました。あの馬はいい馬でしょう。よく3着まで持ってきましたね。

加藤 はい、あまり人気なかったので乗り易かったのかもしれませんね。いい馬と出会えてうれしいです。重賞で3着に持ってこられるような馬に乗せて頂き、いい経験ができました。

常石 8月にも1000万特別の「あおぞら特別」に勝った時は「おー、すごい!」と声援を送りました。

加藤 常石さん、「おおぞら特別」ですよ(笑)。メジャーフォルムはいい馬でしたね。よく頑張ってくれました。

常石 ごめんごめん、大失敗です。特別レースを5勝して今後の活躍も楽しみです。今年はいいことがいっぱいだったと思いますけど、来年度に向けて抱負を教えてください。

加藤 ゲートの中ではなるべく馬を直立させて、スタートで遅れないように気を付けています。馬の持っている個性を見つけ出し、引き出していけるような騎乗をしたいと思います。前向きな馬がとっても好きです。ロスなくきっちり走ることを意識して走る時のバランスを大事にしています。そのために体幹を鍛えています。もともと競馬とは無縁の家庭で育ったので、みんなより遅れていると思うので、しっかり意識を持っていきたいです。

加藤騎手2

「馬の持っている個性を見つけ出し、引き出していけるような騎乗をしたいと思います」


常石 いつから競馬に興味を持ちましたか?

加藤 僕自身が競馬に興味を持ち父に頼んで阪神競馬場へ連れて行ってもらいました。そこで「騎手ってすごいなー」と興味津々になり、乗馬クラブクレインから阪神競馬場の乗馬クラブに通いました。

常石 じゃあホームの競馬場は阪神ですね。

加藤 はい、僕の騎手の始まりは阪神競馬場なので思い入れはあります。やっぱり阪神競馬場が好きですね。でも来年度からは、いろんな競馬場が好きになるように活躍したいと思います。

常石 考えがとってもはっきりしているのは強みだと思います。意気込みを感じますね。とっても大事なことですよね。勝負師という武士だから戦っていかなくてはいけませんから。同じ大阪府出身ですし、期待しています。意外と少ないんですよ。先輩で佐藤哲三さん、高田潤騎手かな。あ、忘れてはならない河内調教師もいましたね。そういった大先輩がいますが、今後の目標を教えてください。

加藤 もともと競馬ファンだったのでファンの方に楽しんでもらえる騎乗を目指したいです。もっともっと技術を磨いていかないといけないと思うので自分が乗ったVTRや先輩のVTRなどよく見るようにしています。新聞も見て研究していますよ。見ていると楽しいですしね。ちょっと慎重なところがあるのでもっと豪快に乗ってみたいなー!とも思います。

加藤騎手と鮫島騎手

ちょうど鮫島克駿騎手(左)が入ってきてツーショット、加藤騎手「こいつには負けたくないな。初年度は負けてるからね」


常石 ライバルで友達っていうのはいいですよね。いい関係ですね。

加藤 めっちゃ馬鹿な話で盛り上がっていても、最後は真剣に馬の話に熱中していますね。だから面白いんですよね。いろんな方に期待される騎手になりたいです。武豊騎手に憧れてこの世界に入ってきました。豊先輩のように世界に向けて騎乗していきたいと思っています。まだまだですがあきらめずに頑張ります。

常石 そうそう、よくわかります。外国からも多くの騎手が参戦していますがみんな上手いですからね。いろんなところを見習って技を取り入れてください。

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 馬も世界を目指すレースが多くなりあと一歩というところまで来てますね。先日もある厩舎を取材させていただきましたが、今年は、凱旋門賞を視野に入れて調整していくと話してくれました。

 まだまだあどけなさが残るかわいい顔をしている加藤騎手でしたが、内に秘めた闘志はとっても強いものを感じました。騎乗スタイルや体幹だけではなく、内に秘める精紳が強くなるためのトレーニングをしているように思いました。ガンバレ!若手のホープ!

 加藤騎手と鮫島騎手、お二人で競い合うレース楽しみにしています。ありがとうございました。

つねかつこと常石勝義でした。

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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