今回は、ユーザーからの質問3連発。今回も大胆な太節で斬り込みます!
先週も土日で2勝と、着々と勝ち星を積み重ねている小牧騎手。それに伴い、質問の数も上昇の一途です! そこで今回は、ユーザーからの質問3連発。「2着狙いや3着狙いに徹することはある?」といった“ぶっこみ系”や、「新人騎手がアドバイスを求めてきたら?」といった旬のテーマまで、今回も大胆な太節で斬り込みます!
(取材・文/不破由妃子)
昔から、外国人ジョッキーに好かれるねん
──今回は、ユーザーからの質問を3つほど。まずは「事前にメンバーを見て、これは勝ち目がないなと思った場合、2着狙いや3着狙いに徹することはあるのでしょうか?」という質問です。なかなか答えづらい内容ではありますが。
小牧 ん〜、それはあるにはあるけど、それがイコール、勝ちに行っていないということにはならん。もちろん、勝ちに行く競馬とそうではない競馬は全然違うけど、着狙いに見える競馬のほうが、結果的に勝ちにつながったりするから。勝ちに行く競馬って難しいねん。
──なるほど。わかりやすく勝ちに行く競馬をしようとすると、自分でレースを動かしていかなければならないというハンデが生じますよね。
小牧 そうそう。見た目に勝ちに行く競馬は、どうしても自分から動かなアカンからね。でも実際は、たとえ1番人気の馬であっても、着を拾いにいくような乗り方のほうがその馬の本当の力を発揮できたりするから。むしろ、自分から動いて勝ちに行くより、そっちのほうが勝てる可能性は高いと思う。
── 一見、着狙いの競馬のように見えても、その裏には計算があるということですね。
小牧 計算というか、僕たちはそのレースのなかで、「どうすればこの馬の力を発揮できるか」を考えるから。たとえば、逃げている馬に対して「この馬は強いな」と思ったとするでしょう。そこで勝ちに行こうと思ったら、その強い逃げ馬に戦いを挑みにいかなアカンわけやから、自分も早めに動いて競りかけて行く。それが勝ちに行く競馬っていうことになるんやろうけど、それで結果が出るかどうかはまた別の話で。
──そうですよね。騎乗馬の能力にもよりますが、そういう場合「惨敗覚悟で」ということになりますからね。続いては、「以前、安藤勝己騎手が、『跨ってゲートを出てからフィーリングで乗る』というようなことをおっしゃっていました。とくに初騎乗の場合、騎手の方はどのくらいその馬のことを頭に入れているのでしょうか?」という質問です。
小牧 だいたいは返し馬での感触を大事にするけど…。でも、返し馬とレースでの感触が全然違う馬もいるからねぇ。たとえば、返し馬でめっちゃ噛んでたりすると、これはレースでも引っ掛かるだろうなと思うでしょう。で、そのフィーリングで乗ると「あれ? 全然行かんやん」なんてこともある。そういうときは、もうちょっと出していけばよかったなと思うけど、テン乗りやとそこまでの変化はなかなかつかめへん。1頭1頭、過去のレースを事前に見たとしても、乗ってみなければわからんこともあるし、ジョッキーが感じるものも人それぞれやしね。
──小牧さんに限らず、最近はテン乗りが多いですものね。でも、テン乗りでの勝利が多いのもまた事実で。直感や経験則などが余計に大事になってきていますよね。
小牧 そうやね。でも、どのくらいの時計を持っているのか、スタートはいいのか悪いのかなど、そういう情報は頭に入れてレースに行くけどね。
──続いては、「今年も新人ジョッキーがデビューしました。新人ジョッキーが小牧さんにアドバイスを求めてきたら、どのようになさいますか?」という質問です。
小牧 もちろん、アドバイスを求めてきたら教えるよ。ただ、聞かれてもいないのに、自分から教えることはないね。人を育てるのが楽しいとか、そういう感覚は僕にはないな。
──園田時代は、たくさん弟弟子がいらっしゃったと思いますが。
小牧 うん、たくさんいた。でも、あんまり教えんかったね。自分のことで精いっぱいやったから。実際、若い子が僕に何か聞いてくることなんて少ないよ。もっと年齢の近い子に聞くんじゃないかな。それに、僕はこういうキャラやから、真剣に答えてくれへんと思われてるかも(笑)。しょーもないことばっかり喋ってるからね。
──でも、川須くんにしろ高倉くんにしろ、小牧さんは年の離れている後輩にも慕われていますよね。そういえば、デムーロ騎手もこのあいだ「小牧さん面白い! 小牧さん大好き!」って言ってましたよ。
小牧 ああ、ミルコはよう話しかけてくるわ(笑)。僕ね、昔から外国人ジョッキーに好かれるねん。なんでやろ?
──単純に話していて楽しいんじゃないですか?
小牧 楽しいと言ってもねぇ。英語はまったく喋られへんから、日本語をいかにも英語風に喋ってるだけなんやけど(笑)。
英語はまったく喋られへんから、日本語をいかにも英語風に喋ってるだけなんやけど(笑)