スマートフォン版へ

【怪我からの復帰】小崎綾也騎手(2)『ただの休養にはしない!積極的に海外視察を敢行』

  • 2017年03月29日(水) 18時00分
第2回目となる今回は、海外でのエピソードを中心に、現在の胸の内を吐露


2015年同様、昨年の休養中も積極的に海外視察に出掛け、多くの刺激を受けてきたという小崎騎手。第2回目となる今回は、その海外でのエピソードを中心に、現在の胸の内を吐露。休養中に重賞勝利を積み上げた同期の松若騎手への思いも、小崎騎手らしいストレートな言葉で語ってくれました。
(取材・文/森カオル)


4年目なのに、2年弱しか乗っていないんですよね

──一昨年の休養中には、勉強のためにオーストラリアのメルボルンCを観に行かれたそうですが、昨年はどんなふうに過ごされていたんですか?

小崎 秋にはだいぶ自由に動けるようになって、あとは馬に乗るだけという状態まで回復してから、フランスとイギリスと香港に行きました。

──3か国も! けっこうアクティブに動きましたね。

小崎 ホントですよね、無職のくせに(笑)。全然稼いでいないのに、お金をいっぱい使っちゃいました。

──でもそれは自分への投資ですから。

小崎 はい。復帰してからはなかなか時間が取れないので、そのつもりでいろいろ勉強してきました。フランスには凱旋門賞を観に行ったんですが、レース当日以外は、行きも帰りもホテルでの時間もずっとひとりで、それがちょっと不安だったんですけど。

──おひとりで、ということは、ある程度フランス語を勉強してから行かれたんですか?

小崎 いいえ、まったく。フランス語は「ボンジュール」と「メルシー」以外、使ってないです(笑)。一応、英会話には週に一度通っていて、それでも全然大したことないんですが、なんとか英語で乗り切った感じです。

──それは冒険。

小崎 そうですね。そのあと、ちょうど休んでいた石川(裕紀人騎手)と一緒にイギリスに行きました。当たり前ですが、どこに行っても英語が伝わるので、コミュニケーションが取れることがこんなに楽しいことかと(笑)。チャンピオンズデーに行ったのでその雰囲気も味わえましたし、中に入ることができたので、アスコット競馬場の馬場を1周グルッと歩かせてもらったり。本当は馬に乗れたら最高だったんですけどね。

──でも、現地の雰囲気を味わうだけでも糧になりますよね。

小崎 はい。本当にたくさんの刺激をもらえますし、「いつか絶対にここで勝ってやる」という気持ちになるのもそうですが、とにかくどこででも乗りたくなりますね。とくに暮れに香港に行ったときには、日本馬がたくさん出走していたので、海外のレースとはいえすごく身近に感じて。日本馬がこれだけ参戦できるということは、いつか僕にもチャンスが回ってくるはずだと。

──以前から海外で乗ってみたいとおっしゃっていましたものね。『キシュトーク!』の新年会のときに、「減量があるうちに海外に乗りにいきたい」とおっしゃっていたのを覚えています。

小崎 それはずっと思っていたんですけど、やはりこれだけ休んでしまうと…。復帰してすぐに海外という気持ちにはさすがにならないですね。僕、今年4年目で、デビューもケガで1カ月遅れたので、ジョッキーになってちょうど丸3年。そのうち14カ月も休んでいたわけですから、4年目なのに2年弱しか乗ってないんですよね。だから、日本でさえ全然経験を詰めていない。今はその現実がつらいです。僕が休んでいるあいだに、(松若)風馬は重賞を4つも勝っているわけですし。

──今年のきさらぎ賞以外の3つ(15年小倉記念、16年マーメイドS、みやこS)は、ちょうど小崎騎手が休養しているときで。

小崎 そうなんです。なぜか休んでいるときに勝つんですよね(苦笑)。僕はテレビでレースを観ていて、いつもゴールした瞬間に「おめでとう」メールを打っていたので、毎回、僕が「おめでとう」第一号だったと思いますよ(笑)。

──正直、どんな思いで松若騎手の活躍を見てらっしゃいましたか?

小崎 同期全員で活躍したいので、活躍してくれること自体はうれしいんですが、まず同じ土俵に立てていないのが…。同じレースで戦って負けるならまだしも、僕はその舞台にすら立てていませんからね。それが本当に悔しいです。

──それにしても、小崎騎手の期は本当に仲がいいですよね。今でも頻繁に集まってるんですか?

小崎 はい。今年も一度、みんなで集まりました。

──ご飯を食べたり、カラオケに行ったり? 確か小崎騎手はカラオケが大好きでしたよね?

小崎 いえ、風馬や(義)英真は、あんまりカラオケに行かないんですよ。僕は大好きなので、一人ででも行くんですけど。復帰してからは、レースに向けての体のメンテナンスをいろいろとしているので行けてないんですけど、休養中はよく一人で行ってました(笑)。

── 一人カラオケ…私にはハードルが高い(苦笑)。

小崎 あ、一人で歌うのが楽しいわけじゃないんですよ。カラオケ好きな友達が多いので、その友達たちとカラオケに行くために、まずは一人で練習するんです。

──なるほど。友達の前で披露するための練習の時間なんですね。

小崎 そうです、そうです(笑)。

──ちなみに、どんな歌を歌うんですか?

小崎 けっこう何でも歌います。最近は三代目(J Soul Brothers)を友達とデュエットしたり。

──踊っちゃったりして?

小崎 いえ、僕は歌うほう専門です(笑)。同期では、裕紀人もけっこう歌うんですよ。だから、僕と裕紀人が歌うから、風馬と英真にはパフォーマーになってほしいんですけどね(笑)。
キシュトーーク

風馬と英真にはパフォーマーになってほしいんですけどね(笑)


(文中敬称略、次回へつづく)

元祖「キシュトーーク」のレギュラー陣、国分恭介、国分優作、松山弘平、川須栄彦、高倉稜を中心に、栗東・美浦・地方からも幅広く、これからの競馬界を担うU25の若手ジョッキーたちが登場します!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング