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【怪我からの復帰】小崎綾也騎手(3)『同期一同“綾也はクソ真面目なポジティヴ人間”』

  • 2017年04月05日(水) 18時01分
最終回の今回は、騎手としての課題と目標を赤裸々に語ってくれました


小崎騎手の『キシュトーーク!』も今回がいよいよ最終回。「自分の体を知ること」に興味があるという小崎騎手の、徹底したメンテナンス法の全貌が明らかに! さらに、自分のウィークポイントや、今後武器として磨いていきたいことなど、騎手としての課題と目標を赤裸々に語ってくれました。
(取材・文/森カオル)


先のことを考えると楽しみしかありません!

──4年目にして二度の大きな手術と大変な経験をされたわけですが、ケガをすると嫌でも自分の体と向き合うことになると思います。そのなかで、足りないところを補えたなど、“怪我の功名”はありましたか?

小崎 それはものすごくありました。僕はもともと、「自分の体を知ること」にとても興味があったんですが、ケガをしてからなおさら興味が深まりましたね。競馬があると、土日に向けて体を仕上げるのがジョッキーのサイクルなので、週中のトレーニングで攻め切れないところもあるんですが、休養中はケアもしつつ、しっかり攻めることができたので。ホントに体を作り変えることができたと思っています。

──専属のトレーナーさんがいらっしゃるんですよね。

小崎 はい。動き中心のトレーナーさん、体幹や下半身専門のトレーナーさんなど、何人かの方にお願いしています。そのほかにも週に5回、マッサージのようなケアをしてもらったり…

──週に5回! ほぼ毎日のように体のメンテナンスをされてるんですね。それはすごい。

小崎 治療もまだ続いていますから、京都の病院にも通っています。そのあと京都のジムに行くこともありますし、栗東で見てもらっている方も2人いるので、なんだかんだ4種類くらいのメンテナンスをしていることになりますね(苦笑)。

──そこまで追求し始めると、先輩のトレーニング法なども気になりませんか?

小崎 気になります! 僕がお願いしているトレーナーさんは、ほかのジョッキーも担当している方が多いので、よく先輩たちのトレーニング法や体の使い方などを聞いたりしています。「○○先輩はこういう体の使い方をするから馬が動くんだな」とか、「○○先輩はこういう動きができるから、こういう馬が合うんだな」とか、勉強になることがすごく多いです。

──なるほど。こっそりスパイをしているわけですね(笑)。

小崎 そうですね(笑)。スパイでもしないと追いつけませんから。まぁ、トレーナーさんも、全部教えてくれているわけではないと思いますが。

──小崎騎手の「体作り」への興味は本物ですね。

小崎 あまり馬乗りのセンスがないことを自覚しているので。同期の(松若)風馬や(義)英真はバランス感覚に優れているから、もちろん僕もそのあたりを磨きつつ、彼らとは違うところを伸ばしていきたい。そのためにできることは全部やりたいし、体の状態を万全に保つこともそのひとつだと思っています。

──そうなんですね。今現在は、どんなことに重点を置いて体作りをされているんですか?

小崎 今はやっぱり、下半身の強化を優先しています。ケガをしたこともありますが、それとは関係なく、以前から追うときに下脚(膝下)がブレてしまうんですよ。そこを今、トレーニングで強化しています。やるなら基本からちゃんと作っていきたいので。

──過信することなく、ご自分に足りないところをしっかり見極めて、冷静に向き合ってらっしゃるんですね。以前の同期対談で、松若騎手と義騎手が「綾也はクソ真面目なポジティヴ人間」とおっしゃっていましたが、今回お話を伺って、なんとなくわかったような気がします。

小崎 当たってますね(笑)。ジョッキーはたくさん負ける職業なので、もちろん気持ち的に滅入ることもありますが、そこで気持ちを切り替えられてこそいいジョッキーだと思っています。だから、反省をしつつ、次を見据えるというスタンスで。

──21歳にして、小崎騎手はあらゆるビジョンが明確ですよね。メンタル面の課題などないのでは?

小崎 もっと強くなりたいとは思いますけど、メンタル面を強化したいなら、技術を上げることが一番の近道だと僕は思っています。周りからの評価を得られれば、それも自信になりますからね。

──そうですね。では、ウィークポイントをひとつずつ克服しながら、今後、ご自分のどんな武器を磨いていきたいですか?

小崎 ひとつでも多くの経験を積むことで、馬から伝わってくるものを感じ取る能力を磨いていきたいです。あとは、今は足りないと思っているバランス感覚なども、以前よりはだいぶ向上してきていると思うので、いずれは武器にできればと思っています。

──100勝まであと27勝。年内に減量が取れる可能性大です。

小崎 もちろん、今年中に取れるように頑張ります。いや、取らないといけないですね。今は“減量ジョッキー”という肩書でチャンスをもらえたりするので、それがなくなってからが本当の勝負だと思っています。今は体も万全ですし、毎週毎週本当にいい経験を積めているので、先のことを考えると楽しみしかありませんけど。

──今年は再スタートの年ですものね。すでにトレーニングなどに力を入れてらっしゃるのは十分に伝わってきましたが、今後、新しく始めたいこと、興味があることはありますか?

小崎 体は絶好調なのでこのままいきたいんですが…、今は肌を治したいです。

キシュトーーク

体は絶好調なのでこのままいきたいんですが…、今は肌を治したいです


──あら、急に美容相談(笑)。

小崎 体と違って、いくらケアをしてもニキビが治らないんですよ〜(苦笑)。おすすめのケア法やいいサプリがあったら教えてほしいです!

──それについては取材後にじっくりと(笑)。では最後に、ファンに向けて力強いメッセージをお願いします!

小崎 ここまでファンのみなさんには、年間を通して騎乗している姿を見せられていないので、まずはケガなく、そして毎週毎週「おっ!」とファンのみなさんの目を引けるようなレースができるように頑張ります。今は勝つことはもちろんですが、経験を積まなければいけない時期でもあるので、そこを両立させて、信頼してもらえるジョッキーを目指したいです。

──GI騎乗も叶えたいですね。

小崎 はい! フルゲートは最大でも18頭だから、その18人に選ばれるのはなかなか難しいですが…。それでもやっぱり、GIには乗りたいです。目標を高く持って頑張ります!

キシュトーーク

目標を高く持って頑張ります!


(文中敬称略、了)

元祖「キシュトーーク」のレギュラー陣、国分恭介、国分優作、松山弘平、川須栄彦、高倉稜を中心に、栗東・美浦・地方からも幅広く、これからの競馬界を担うU25の若手ジョッキーたちが登場します!

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