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【石川裕紀人×笹川翼】ネクスト世代の向上心(1)「求められるものが1年目と今では違う」

  • 2017年04月24日(月) 18時01分
ギャロップ翼

▲“ギャロ翼”の初ゲストに石川裕紀人騎手(JRA)が登場!(全2回)


中央・地方の次代を担う石川裕紀人騎手(JRA) と笹川翼騎手(大井)の対談が実現! JRA競馬学校、地方競馬教養センター時代から交流を続けるふたりが、それぞれデビューから4年目、5年目を迎えた今、騎手としての互いを評価。そこからふたりに共通する“冷静かつ勝気”な性格が浮かび上がります。(取材・文:赤見千尋、撮影:榎本良平)

「僕らの雰囲気がめっちゃ似てるって」


――お2人の出会いはどんな感じだったんですか?

石川 一番最初はデビュー前の競馬学校時代で、中央と地方の学校で交流があるんですよ。そこで障害飛越で戦ったのが最初ですね。

笹川 その時は個人同士のコミュニケーションというわけではなくて、正直誰が誰だかわからなかったです。僕らが競馬学校に行って、そこで馬に乗せてもらって障害大会をしたんですけど、負けました…。それはよく覚えてますね(笑)。あと、走路でタイム計測の勝負もありました。

石川 ああ、あったあった。

笹川 1000mを(最初の1ハロン)20秒くらいで入って、次18みたいな。

石川 あれは絶対中央の競馬学校側が有利だよね。毎日乗ってる場所でいつも乗ってる馬で。この馬は何歩で行けばいいとかわかっているわけだから、明らかに有利だった。

笹川 こっちは悲惨だったね(笑)。騎手デビューしてからは、共通の知人がいて、たまたま地方の若手何人かと、美浦の若手6人くらいで交流する機会があって。そこから連絡を取るようになりました。

石川 デビュー1年目の終わりくらいだったかな。笹川君は1年早くデビューしてて、南関東で活躍していたのは知っていました。久しぶりに会って、ちゃんと会話したのは初めてだったけど、すごく話しやすかったことを覚えています。

――笹川騎手は月曜〜金曜まで競馬、石川騎手は土日が競馬、お休みは合わないですよね。

石川 真逆ですね。プライベートで会う機会はなかなかないです。

笹川 たまに石川君が交流に来た時とか、僕がJRAに乗りに行った時とか、そういう時にいろいろしゃべります。中央の競馬場ってものすごく広くて、どこが装鞍所とかわからないから心強いです(笑)。

――この対談も笹川騎手の競馬前に、主催者立会いの下、お時間を作っていただきました。ありがとうございます。

石川 僕の方が時間の都合をつけやすいですし、笹川先輩のためですから(笑)。でも、すごいよね。この取材が終わってから競馬でしょ? ナイターのサイクルって大変だよね。

笹川 ナイターは本当にキツい(苦笑)。なんか一日が2回あるみたいな感じで。朝調教乗って昼寝してまた起きるじゃないですか。「はい、2回目の朝来た」みたいな(笑)。

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▲ナイター開催日のスケジュールに「“はい、2回目の朝来た”みたいな(笑)」


石川 そういうことか(笑)。自分だったらできるかなって思うし、体力的に相当大変だと思う。

――お互いの、騎手としての印象はいかがですか?

石川 まず“とにかく勝つ”っていうのが大きいですよね。昨日も2、3個勝っていたし、とにかく騎手は勝つことが大事ですから。僕の勝手なイメージで、“地方は前に行って残す”が圧倒的に有利だと思っていましたが、笹川君は差しても勝ってるし、色々な形で競馬ができることがすごいなと。馬を動かすっていうのがすごく伝わってくる。昨日も差してきてたよね。

笹川 たまたまだけどね。

石川 そのたまたまが上手くいかないんだって。新人賞も獲ったし、もう重賞もいくつも勝っているし、本当にすごいと思います。

笹川 石川君は追い方がライアン・ムーア騎手をお手本にしてて、迫力ありますよね。真似しようと思ってもなかなかできないですから。石川君の期はみんな活躍してますけど、ダービーの日の初勝利はインパクトありました。

石川 そこまでなかなか勝てなくて。長かったなぁ…。

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▲初勝利までの長い道のりにしみじみ「なかなか勝てなくて。長かったなぁ…」


笹川 でもそこからあれよあれよという間にいっぱい勝ってるし、逆にすごいなって思う。こっちの競馬より頭数も多いし、繊細な面もあるじゃないですか。その中で冷静に乗ってるなって。

石川 いや〜そうでもないんだよ(苦笑)。確かに昔よりは冷静かもしれないけど、まだまだ全然冷静じゃない…。

笹川 府中で勝ったエイシンバッケン(16年4月23日・鎌倉S)、あれは感動した。なんか普通にカッコよかった! 乗り方がすごい外国人ぽくて、迫力あるし、溜めるとこ溜めてるし。

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▲16年鎌倉S。終始落ち着いたレース運びで最後は4馬身差の圧勝


――お2人とも、レースが動いた時に慌てて動かず、すごく冷静に騎乗しているなと感じます。

石川 余計なところで動かないっていうのは気を付けてます。僕は1年目の時はけっこう動いてましたから。やたらハナに行ったりとかまくったりとか(苦笑)。2年目3年目になって、少しずつ落ち着きが出てきたのかな。

笹川 求められるものが1年目と今では違うじゃないですか。オーナーや調教師の方の要望に応えないといけないし、変な競馬をしてたまたま勝っても次につながらないので。馬の気持ち、メンタル面を考えながら、成長を考えながら乗るようになりました。だから前よりあまり動かなくなったかなっていうのはありますね。

――性格的な部分も共通点があるように感じるんですが。穏やかながら、勝気というか、芯が強い。お互いの性格はどう感じていますか?

笹川 デビューした時からすごく落ち着いてるし、勝ち方もいいですよね。僕が言うのもなんですけど、新人ぽくないというか。サーッと勝っちゃうみたいな。

石川 それは僕も笹川君を見てて思いますね。

笹川 この前今野(忠成)さんから、僕と石川君の雰囲気がめっちゃ似てるって言われました。

――はい、ものすごく似てます! 自分たちでは感じないですか?

石川 どうなんですかね。

笹川 自分じゃわからないですね(笑)。

――中央も地方もクラシックシーズン真っ只中です。ダービーは意識しますか?

笹川 東京ダービーはもちろん勝ちたいですし、いつか中央競馬の日本ダービーも勝ちたいです。去年東京競馬場で生で見て、石川君が出てて(※イモータルでダービー初騎乗)、すごいなって思いました。生で日本ダービーを見たのは初めてだったんですけど、雰囲気が独特というか、熱気がものすごくて。10何万人のファンの方々がいて、馬場入場すると「わぁ〜」ってなって。ゾクゾクしました。あれを馬の上で感じてみたいです。

石川 もう本当にすごかったとしか言いようがないですね。本当にとてもいい経験をさせていただきました。

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▲石川騎手も騎乗した日本ダービーに「ゾクゾクしました。あれを馬の上で感じてみたいです」


笹川 先出しで一番最初に出て来てたよね。“石川、すげーな”って思ってた。「裕紀人〜!」って声援が飛んでて。でも馬が興奮気味で、それどころじゃないって感じに見えたけど、どうだったの?

石川 そうそう(笑)、シャーってキャンター行っちゃったんで。でもポケットでも歓声がすごくて、響いてる感じで。あれを味わえるのはダービーだけじゃないかな。やっぱり特別で、熱さが違いますよね。

――東京ダービーの日も独特の緊張感に包まれますよね。

笹川 そうですね。みんなが目指しているレースですし、やっぱりダービーは特別ですよね。まだ少し先の話ですけど、ミサイルマンを任せてもらっているので、いいレースができるよう頑張ります!

(次回へつづく)
※次回は5月8日(月)18時配信予定です



撮影協力:競馬観戦型レストラン「ダイアモンドターン」


 大井競馬場内4号スタンド4階にある競馬観戦型レストラン「ダイアモンドターン」が、2017年4月よりリニューアルオープンしました!

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▲▼「ダイアモンドターン」が4月からリニューアル!

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 落ち着きのある洗練された空間で、ブッフェ料理を味わいながら白熱のレースが観戦できます。お二人様用席やグループ席からパーティールームまでご用意しており、競馬ビギナーを連れて観戦される方にもおすすめです。

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▲カップルシートやグループ席など、用途に応じてお席をお選びいただけます

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▲レストラン自慢のブッフェ料理

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▲競馬場内でプライベート空間を味わえるパーティールームも完備


 TCKにお越しの際はぜひ「ダイアモンドターン」をご利用ください。(⇒ご利用の案内・ご予約はこちら) ※外部サイトにリンクします

1994年7月17日生、新潟県出身。2013年4月7日に米田英世厩舎(大井)からデビューすると初年度から43勝を挙げ、NARグランプリ優秀新人騎手賞を獲得。重賞勝利に勝島王冠(15年)、船橋記念(16年)、ハイセイコー記念(16年)。

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